危機感の喪失に対する対処(裏)

「・・・新一に優作君達は最早事件に出会うことだったり、犯人と戦うことや捕縛することはもう今となっては珍しくないというか慣れた物じゃろう。かくいうわしも新一がその姿になってから事件に度々付き合うことになっていって、捕縛はすることはなかったからそれはともかくとしても事件に出会すこともだが危険な目に合うこともしばしばあったため、この話が出てくるまで意識していなかったんじゃが・・・そんな風に事件に関わることに怪我や死にそうな目に合うことに対して、毛利君の母親がそういったような事を言ったことに関しては端から見れば親しければ親しい程、気が気でなくなるというのが普通だと思ったんじゃよ。ただわしらは当事者としての立場からしか考えてないから、そういった傍観者の立場の事を考えてなかったのだとな」
「当事者に、傍観者・・・?」
「・・・確かに博士の言うことは私達も考えていなかったというか、こう出来ているのだからこれでいいという考えで動いていた・・・だがそれはあくまでも私達がそう出来ていると私達という当事者の中でだけの物であって、それは毛利さんのお母さんという傍観者としての立場から話に聞いたような蘭ちゃんの事件に関してを考えることを、私も含めて考えることすらしていなかったんだと今なら感じるよ・・・結局のところとして自分達がこうしたいからというのを考えるだけで、それが傍観者の立場から見たらどう思うのかということをね・・・」
「うっ・・・!」
そうして阿笠がどういう考えかと当事者と傍観者という言葉を使う中で新一は首を捻るが、優作が今までになく苦い様子で自分が理解出来たと語る様子にたまらず言葉を詰まらせた・・・優作の能力は新一からしてみれば自分よりまだ悔しいが上だと見ているが、そんな優作が取り繕うことも出来ないままに苦い気持ちを抱いている事をその中身もあって理解したために。
「・・・ようやくお父さんの言葉で少しは理解したみたいな感じに見えるけど、本当に堪えたというなら心残りはあるだろうけどもうおじさんや毛利さんを探偵稼業に関わらせないこともそうだし、無理にでもあの場に戻ろうなんて考えるのは止めろって私は言っているのよ。というか貴方はあくまで組織に関することには関わらせてないから傍観者だみたいに思うかもしれないけど、事件に関わるようなことになれば少なくともその事件の当事者になることに変わりはない・・・それで今の話を聞いてもまだ文句やら何やら言えるし戻りたいって言うなら組織がどうだとか関係無く、その時点で貴方は事件に傍観者の立場にいさせるのではなく、当事者の立場に引きずり込んでもいいと言ってるも同義よ」
「なっ・・・!?」
「事件に出会うのは偶然だし俺が起こしてるわけじゃないがもう通じると思わないで・・・貴方がおじさんの元に入ってから組織を追う傍らで組織の関係するしないに関わらず、貴方がおじさんを名探偵というように仕立て上げたからそれに伴うように事件に出会しやすくなったのよ。それで優作さん達にも問い掛けるけど、おじさんや毛利さんが事件に出会すだったりそれこそ死にかけるような事態は名探偵になっていなくても起きた事だと思っているの?」
「っ!・・・そ、それは・・・」
「「「っ・・・」」」
更に灰原は強い口調で自身の考えを口にしていくと共にどうなのかと問い掛けを投げ掛けると、新一が声を詰まらせると共に優作達も揃って表情を歪ませるしか出来なかった・・・事実として灰原の言葉から考えると小五郎が新一により名探偵に仕立てあげられなかったら、とても小五郎がそんな事件に関わるような探偵になっていたとは思えないと肯定するしかないと。









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