危機感の喪失に対する対処(表)

「・・・決まりね。後は貴方が探偵を続けるかどうかもそうだけれど、コナン君の両親に渡りをつける事くらいだけれど・・・」
「・・・俺についてはともかく、ボウズの両親に関しちゃこいつもだが阿笠博士に言ってからだが・・・やっぱ博士にも言っといた方がいいだろうな。有り得ねーとは思うが文代さんがボウズに連絡先を教えてねーから連絡をしてこなかったとかって言われるかもしれねーし、博士の方からも連絡させた方が大人が言ったことだからこっちがマジで言ってる事だって理解してもらえるだろうからな」
「そうね・・・話に聞けば元々は博士が預かるみたいな話だったようだし、博士に言っておいた方がいいでしょう」
「っ・・・(もう駄目だ・・・おっちゃん達は結論は出てないみたいな感じで何も言っちゃいないが、この話や空気の流れ的に大殿さんが言ったこともあって探偵を辞めるって方向に話がいくのは目に見えてる上に、どうにかうまい理由付けなんか出来ても大殿さんがいる以上余程じゃないと聞き入れてくれるとも思えない・・・もう下手に毛利家にいようとあがくより、どうにか別の方向から動かねーといけねーか・・・)」
そして英理と小五郎が今後の流れ・・・主にコナンの親にどう話を通すかについてを話し合い、その流れを見ながら新一は嫌でも諦めを抱かざるを得なかった。最早夢破れたというか、毛利家に滞在しながら目的を達成する事が出来なくなった事を確信して・・・


















・・・そうして話は進んでいき、話の流れとしては新一が予想したように小五郎は探偵を辞めるというような流れになった。これは小五郎自身が大殿や母からの声があったということに、自分だけでなく蘭の安全も考えればこの辺りを潮時にしなければ本当に危ないのではないかと昨日の内から感じていたからだということでだ。

そしてそんな考えに大殿がその後の仕事を斡旋すると言ったのもあって英理もすんなりと頷き、蘭も複雑さを滲ませながらも頷いたことにより探偵稼業を畳むことにするとし・・・残った問題としてコナンをどうするかという話になった。

ただ極めて不本意そうにする新一にほぼ事後承諾といったような形で話は進み、先に言ったように新一からもだが阿笠にも連絡して是が非でも親に連絡して話を通すようにというようになった。しかしほぼと言ったように事後承諾ではない部分は何かと言えば、何とかという形ではあるが新一が荷物をまとめるようにして話を進めて阿笠の家で両親の迎えを待つと言ったことだ。

・・・これは表向きは新一もさも毛利家を出るのが正しいとようやく受け入れたような雰囲気に思えるかもしれないが、実態は違ってせめて自分の傷口をこれ以上深くしないためというか・・・下手に存在しない親のフリをまた有希子にさせた上で話をさせるようなことをしたら、大殿がいることもあってボロが出るというか妙な情報を出してしまう可能性があると見てだ。

新一は演技をする際の有希子の役への変貌ぶりに関しては信頼しているが、あくまでも役に没頭出来るという点はだ。この件に関してはアドリブというかフリートークの力が必要になることもあるが、このまま小五郎に探偵を続けてもらう状態にした上で新一を危険を承知した状態で毛利家に置かせるという、優作でも無理ゲーと思わせるような条件を舌先三寸で達成してもらうなど無理と思って諦めたのだ。言ってはなんだがそこまで有希子に求めてしまっても、パンクしてボロが出る可能性が高いと。

その為、新一は連絡したらもう流石にそれはいけないと判断したから阿笠の元にいたら両親が迎えに来て、それで自分は元の家に戻った・・・とするのが傷口を浅くする為には最善と見たのである。









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