危機感の喪失に対する対処(表)

「・・・そういうこった。こいつが事件に関わろうとするのはもう今更だから止めたってどうしようもねーだろうってのは想像はつくが、探偵を続けるのを選んでも選ばなくてもこいつが今までのようにやろうとするのも想像がつく・・・だから話に納得出来なけりゃどっちにしてもうちから出てってもらうっつったんだ。それで仮にそうしないからで話をまとめてうちに置いたって、また同じようなことになったら同じようなことをしてごめんなさいで済ませて、結局そのまま同じようにズルズル行くだろうってのが想像がついたからな」
「そ、それは・・・でもコナン君はお利口なんだから、これからちゃんと言えば・・・」
「それで今まで何回も言ってきて駄目だっただろうが。それに今までの話の中で散々言ってきた事だろ・・・これからも俺達が絶対に大丈夫な保証なんて誰にも出来ねーってことは。それにお前が付いていて守ってやるからみたいなことなんて出来ねーのは、前に博士に子ども達だけでキャンプに行った時に銃で撃たれたシチュエーションがあっから分かるはずだ。あの時もあの時で助けが間に合わなかったらこのボウズや他の子ども達は死んでたんだし、輸血もお前の血液型が合ってなかったら下手すりゃ血がないってことで治療出来ずに死んでた可能性もあったんだぞ」
「うっ・・・」
そこまで言って話をまとめようとする小五郎に尚も食い下がろうとする蘭だったが、具体例を挙げてきて反論してきたその中身にまた声を詰まらせるしかなかった・・・実際に新一だけでなく周りの子ども達も死んでた可能性のあった事件として考えるには妥当であった上で、蘭がいない間に起きた物として十分すぎる程に妥当な事件だった事に。
「・・・その辺りについて私は詳しく聞いていないから後でどういった事件だったのかについてを聞きたいところだが、触りを聞いただけでもどれだけコナン君が危うかったのかについては分かるよ。だからこそ今その話を知った私から言えることとしては、その事に関してもちゃんと進めるべきだということだね。ただ蘭ちゃんは妙な気分になるかもしれないが、それでもコナン君がこれから出会う事件でもし死ぬようなことになったらと考えた上で、安全な場所・・・もっと言うなら向こうの親御さん達の元で忙しいということは承知の上で、親元で暮らすのがいいと考えるべきだと私は言わせてもらうよ。コナン君は大丈夫だと言うかもしれないが、少なくとも事件に出会いやすいこの環境に居続けて関わるような事態になるよりはこの子の安全の為にはいいと思う形でね」
「・・・大殿、さん・・・そう、ですね・・・分かり、ました・・・もしコナン君の両親との話がまとまらなかったら、そうすることにします・・・」
「っ!・・・蘭、ねーちゃん・・・」
大殿はそこで初耳と言いつつもならばこそ諦めるべきというように諭すように蘭に話し掛けると、最早そこまで諦めざるを得ないとばかりにうなだれるように頭を垂れた姿に新一もまさかというように漏らすしかなかった。最後の砦になり得た蘭が、とうとう理屈に屈する姿を見て。









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