危機感の喪失に対する対処(表)

「だ、大丈夫だよ!確かに僕も危ない目にあったけど僕は死なないよ!それに今まで色々あったけどなんとかなってきたんだからおじさんも蘭ねーちゃんもこれからも大丈夫だよ!だからお母さんに言われた事は気になるかもしれないけど、これからも探偵としてやっていこうよおじさん(冗談じゃねぇ!このままじゃ本当におっちゃんが探偵を辞める事になる!そうならないようにするためにはもう勢いでいくしかねぇ!)!」
しかしここで新一は最早形振り構っていられないと必死に笑顔で大丈夫だからと声を大きくして説得をしようとするが、小五郎の顔は胡散臭げな物を見るような物になる。
「・・・すまない、小五郎。その様子からして君から色々と言いたいかもしれないが、私から言わせてほしい」
「・・・分かりました、どうぞ大殿さん」
「っ・・・」
そのまま小五郎が発言する・・・かに思われた時に大殿が慎重に自分がと切り出したことに小五郎が頷き、新一はたまらず苦い顔を浮かべる。ここでまた大殿が何か自身に言うということに。
「・・・コナン君。君が小五郎の母親の言ったことを気にするなといったことに関してだが、そういうことを言う君は君の母親もそうだし父親にも君が毛利家に来てから出会ってきた事件についてを報告はしてきたのかい?」
「えっ・・・な、なんでそんなことを聞くの・・・!?」
しかしそんな中で大殿が静かに親への報告を確かめてきたことに、新一は焦りながらも小首を傾げながら何故と問い返す。
「私が小五郎の母親から要請を受けてここに来たと言うのは昨日の事だから覚えているだろうが、それは息子である小五郎や孫娘である蘭ちゃんが心配だったからこその物だ。そして内密にと言っても小五郎にどうなのかと聞くくらいに気にかけているからこそ今回の件に発展した訳だが・・・そこで今の君の発言を聞いた上で昨日から感じたことを言うべきだと思ったんだよ。君の両親は君が怪盗キッド関連以外の事件についての事を君や小五郎達から聞いているのかもそうだが、そもそも君は家族と連絡を取り合っているのかに取り合っているとしてだが・・・事件で起きたことを話した上で君が両親に毛利家にいても死なないし大丈夫だ、なんて思われてるのかどうかと聞きたいんだよ。もしそうだとしたなら・・・君の両親にとって失礼なことを言うようだが、私からしたならとても君の両親は君に対しての愛情やら心配やらがあるようには思えないんだよ。実の子どもがそんな事になってるのに、そんな風に思えるというならね」
「っ!!」
そして大殿が順序立てていかに両親に対する不審を始めとした思いがあるのかについてを語る様子に、新一は顔色を青くすると共に愕然として静止するしかなかった。まさかこんなことを言われるとは思っていなかったと。






・・・新一がこのような反応になるのは『江戸川コナン』を演じるにあたって、自分のことなら誤魔化しは出来ると見た上で両親に対してを追求されなかったこともあるが、両親に関してのバックストーリーだったり設定といった一切合切を全く考えてこなかったからだ。というかそもそも『江戸川コナン』として毛利家に入り込んでから親という存在に関しては、新一は元々親を登場させる予定などないままに目的を達成させた上で毛利家から消えようとしたのだ。

だがそれは新一の両親の思い付きもあって『江戸川コナン』の親・・・に扮した母の有希子が親としてコナンを頼みますと言う形で小五郎に新一を託すことになったのだが、それ以降にそうしてコナンの親に扮して現れねばならないようなこともなかった上で話をすることもなかった為、新一は何も考えることなく過ごしてきたのである。偽の両親についての事を聞かれることなどなかったのだから、これからも聞かれることもないだろうと。









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