危機感の喪失に対する対処(表)

「言いたいことは分かるよ。そこまで言う必要があったのかと思っているのだろう・・・だが彼女が小五郎に蘭ちゃんの事に関してを心を痛め、どうにかならないかと真剣に考えていたことは確かであり・・・今の話からただ辞めろと言っただけで小五郎以上に、蘭ちゃんが納得してもう事件に関わらないなんて言う姿が思い浮かぶかい?言葉を選ばずに言ってしまえば折り合いの悪い祖母からの言葉に対し、話に聞いた部分が大きいがそこから判断するにむしろ蘭ちゃんは自分にお父さんは大丈夫だと意地を張って、逆を取ることに躍起になるんじゃないかと私は判断したが・・・どうかな?」
「っ・・・それは・・・(否定出来ねぇ・・・心配してくれるのは分かるけど、今までが大丈夫だったんだからで蘭は通しそうだ・・・嫌ってはないだろうけど意地を張るのを止めるようにって言ってくるおばあさんに対して、それこそ意地を張っていくだろうとしか思えない・・・)」
大殿はその反応を見た上で小五郎以上に蘭の厄介さを考えたというのだが、新一はその中身に悔しげになりながらも否定の言葉が出てこなかった。蘭の性格からまず素直に考えの合わない祖母の言葉を聞き入れる筈がないという考えが浮かんで。
「だから、だ・・・この問題についてを彼女から聞いてどうするかを考えた際、蘭ちゃんもだが小五郎が探偵を辞めることをよしとしない上でもしものこと・・・それこそ命が失われるようなことになれば、残された我々からしたら無理矢理にでも止められなかったのかという後悔しか残らないのは目に見えている。しかしそれでも探偵を続けたいであったり続けてもらいたいという気持ちで拒否をされたなら・・・そう考えた時に私が思い付いたのが、そうするというなら先程の対応を取るからそれでも続けるというならそちらを選んでもらい、小五郎達にもしもの事が起こってもそう選択したのは小五郎達なのだからこちらには関係無い・・・というように思えるようにと理屈で考えてもらうための配慮なんだよ。自分達はしっかり止めたし、もう関係無いんだからというようにね」
「っ・・・そんな考えがあったから、大殿さんはそんなことを言ったんだ・・・」
「そうだよ・・・君がどう思っているかは分からないが、私はこの問題に関しては彼女の気持ちも分かるが小五郎達の意思を無視して押し付けるわけにもいかないと思ったから、妥協点というわけではないが両者の話や気持ちの折り合いをつけさせないといけないと思ってね」
「っ・・・(この人、ただの思い付きでこんなことを言ってるんじゃない・・・本当におっちゃん達の事を考えてこう言ってるんだ・・・無事に済まないならまだせめて、どうにか少しでもマシな状態にしないとって思って・・・)」
だからこそ自分はこう考えた・・・そう大殿が微笑を浮かべつつも話していく様子に、新一は内外共に圧されるしかなかった。子どもが相手だから優しく言っている部分もあるのだろうが、その中身は本当にせめてどうにか少しだけでもいいようにしようという考えを感じてしまった為に。









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