知りたいものを知れることが幸せに繋がるとは限らない
「・・・そんな風な事をするくらいなら、もうこのままお父さんに会わないようにした方がいいよ新一・・・あの様子だと本当に偶然とかで会うんじゃなかったらお父さんは怒って最後に言ったようなことをするのは間違いないだろうし、何より無理矢理にお父さんに頷かせたって新一はそれ以降に何をするのって話になるよ・・・今のお父さんはどこで働いてるかは言ってくれなかったけど探偵じゃなくて会社員として働いてるって言ってたから、これから新一が探偵になったとしてもお父さんに仕事なんて渡せないだろうし・・・」
「えっ・・・おっちゃん、探偵じゃないのか・・・?」
「私もその事について聞いたら本社に呼ばれたから東京にいるだけで、元々は千葉の分社の家から通える会社に就職したって事らしいけど・・・今となって思うとお父さんは言葉にはしなかったけど、私達に言われたこともあってもうこっちじゃ探偵になる気なんて最初から無かったんじゃないかって思う・・・私達から探偵としてダメだみたいに言われたのもあってだと・・・」
「っ・・・お、俺達がそんなことを言ったからって・・・」
「軽い気持ちで言ったことにそこまで、なんて思ってるかもしれないけど・・・そういった私達とお父さんの気持ちの違いがあるから、さっきのような話になったのを忘れたの・・・新一・・・?」
「っ!!」
そんな反応を踏まえた上でもう色々と諦めるべきではと言っていく蘭だが、探偵にならなかったことについてを聞いた様子に先の事を持ち出すと新一はハッとした様子を浮かべた・・・探偵にならなかったのは自分達の発言からではないというよう、小五郎から拭いきれない不信についてを聞いたのにその部分ではそうではないと感じていたことを突かれて。
「・・・これは私の想像だからそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない・・・でも今の様子を見たから言わせてもらうけど、新一はお父さんを傷付けた事は分かったけどそこまでじゃないんじゃみたいな気持ちが強いって思った・・・だから私から最後に言えることとして、私はもうさっき言われたこともあるからお父さんに会いに行こうっていう考えはないけれど・・・新一がどうしてもお父さんに会いに行きたいっていうならもう新一にも会うつもりはないから、新一を止めるつもりなんてないわ。だから行くなら一人で行って・・・もしもの時はお父さんにより嫌われるかもしれないっていうのを承知してよ」
「っ!?・・・ほ、本当にもうおっちゃんに会うつもりはないってのかよ・・・蘭・・・!?」
「お父さんだけじゃない・・・貴方にも会わないって言ったのよ、新一」
「っ!」
蘭はその様子を見た上で自身も辛いというのを見せつつ会わない決意についてを語ってから新一にもそうするようにと勧めるが、信じられないとばかりの声を漏らす様子に補足を入れるとまた衝撃に身を震わせた。新一とも会わないという意志が強くあることを改めて認識させられたことに。
・・・蘭としては新一と別れた事が正しかったかどうかということに関しては、辛さは残りつつも別れてよかったというように次第に考えていった。それは新一とまた出会ってから別れるまでに何度も聞いてきていた事件に対する執着について、もうそれらを聞くことがなくなったことに複雑ながらも確かな安堵を感じたからであった。新一の偏執的な想いに付き合う必要が別れたことで無くなり、もし将来的に新一が探偵になって事件に出会いやすくなったとしても別れたからそれに付き合う理由が無くなったのだからと。
ただそれでも完全には新一への想いは振りきれていなかったのだが、小五郎ともう戻らない関係になったことを理解させられた上に勝手に尾行して話を盗み聞きしていた事に加え、また自分との繋がりをナチュラルに勘定に入れていたこと・・・それらを受けて新一とは真逆に気持ちを強く固めたのである。ここでハッキリと新一と別れを告げるべきだと。
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「えっ・・・おっちゃん、探偵じゃないのか・・・?」
「私もその事について聞いたら本社に呼ばれたから東京にいるだけで、元々は千葉の分社の家から通える会社に就職したって事らしいけど・・・今となって思うとお父さんは言葉にはしなかったけど、私達に言われたこともあってもうこっちじゃ探偵になる気なんて最初から無かったんじゃないかって思う・・・私達から探偵としてダメだみたいに言われたのもあってだと・・・」
「っ・・・お、俺達がそんなことを言ったからって・・・」
「軽い気持ちで言ったことにそこまで、なんて思ってるかもしれないけど・・・そういった私達とお父さんの気持ちの違いがあるから、さっきのような話になったのを忘れたの・・・新一・・・?」
「っ!!」
そんな反応を踏まえた上でもう色々と諦めるべきではと言っていく蘭だが、探偵にならなかったことについてを聞いた様子に先の事を持ち出すと新一はハッとした様子を浮かべた・・・探偵にならなかったのは自分達の発言からではないというよう、小五郎から拭いきれない不信についてを聞いたのにその部分ではそうではないと感じていたことを突かれて。
「・・・これは私の想像だからそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない・・・でも今の様子を見たから言わせてもらうけど、新一はお父さんを傷付けた事は分かったけどそこまでじゃないんじゃみたいな気持ちが強いって思った・・・だから私から最後に言えることとして、私はもうさっき言われたこともあるからお父さんに会いに行こうっていう考えはないけれど・・・新一がどうしてもお父さんに会いに行きたいっていうならもう新一にも会うつもりはないから、新一を止めるつもりなんてないわ。だから行くなら一人で行って・・・もしもの時はお父さんにより嫌われるかもしれないっていうのを承知してよ」
「っ!?・・・ほ、本当にもうおっちゃんに会うつもりはないってのかよ・・・蘭・・・!?」
「お父さんだけじゃない・・・貴方にも会わないって言ったのよ、新一」
「っ!」
蘭はその様子を見た上で自身も辛いというのを見せつつ会わない決意についてを語ってから新一にもそうするようにと勧めるが、信じられないとばかりの声を漏らす様子に補足を入れるとまた衝撃に身を震わせた。新一とも会わないという意志が強くあることを改めて認識させられたことに。
・・・蘭としては新一と別れた事が正しかったかどうかということに関しては、辛さは残りつつも別れてよかったというように次第に考えていった。それは新一とまた出会ってから別れるまでに何度も聞いてきていた事件に対する執着について、もうそれらを聞くことがなくなったことに複雑ながらも確かな安堵を感じたからであった。新一の偏執的な想いに付き合う必要が別れたことで無くなり、もし将来的に新一が探偵になって事件に出会いやすくなったとしても別れたからそれに付き合う理由が無くなったのだからと。
ただそれでも完全には新一への想いは振りきれていなかったのだが、小五郎ともう戻らない関係になったことを理解させられた上に勝手に尾行して話を盗み聞きしていた事に加え、また自分との繋がりをナチュラルに勘定に入れていたこと・・・それらを受けて新一とは真逆に気持ちを強く固めたのである。ここでハッキリと新一と別れを告げるべきだと。
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