知りたいものを知れることが幸せに繋がるとは限らない
「・・・泣いてるのを慰めもしないってのは人でなしとか言われるかもしんねーが、もう最後に言いたいことを言ってから俺は帰るぞ」
だが小五郎はそこで慰めの言葉をかけることはないどころか、そっと目を閉じながら言うことを言って帰ると告げる。
「・・・これもアニメからの話で覆水盆に返らずってことわざがあるが、それでひっくり返った水はまた入れればいいって事を言った奴がいた。まぁそれに関しちゃ物事にやり直しがきく内ならそれでいいみたいに思えるだろう・・・だが俺とお前らの関係に関して言えることとしちゃひっくり返った水が世界の最後の水だとか、ひっくり返った時に水もだが器もひっくり返ってぶち壊れて粉々になっちまった・・・みたいなもんで、もう本当に元になんざ戻らねぇもんなんだよ。水はもうないし器もぶち壊れてるような形だからこそ、絶対にな」
「そん、な・・・」
それで小五郎は別のアニメの事を出した上での話をするのだが、完全にどうにもならないと告げるその中身にまた蘭は涙を溢れさせていく。
「つー訳で俺はもうお前に会うことはねーし、後がどうなろうが知ったことじゃねー。後はお前自身・・・いや、そこにいる新一と話をしてどうするか決めろ」
「っ!?」
「えっ・・・し、新一っ!?」
そして話は終わり・・・かと思いきや、小五郎は目を開けて隣のついたての先のテーブルを指差すとビクリといった震えが蘭にも伝わってきた為、そこを慌てて立ち上がって上から覗きこむと新一が顔色を青くしながら唖然としたように静止している形で椅子に座っていた。
「多分俺と蘭がここに来るってのをどっかで見たか聞いたかで、話を盗み聞くために隣に分かりにくいように座ったんだろ。つっても俺も話をしてる途中でなんか驚きを押し殺してるような気配を感じて誰かいるんじゃねーかに、こんな話を黙って聞く奴なんかいるのかって考えた時に新一以外いねーんじゃねーかって思ったら当たりだった・・・ってわけだ」
「ま、まさか・・・そんなことが・・・」
「・・・おっちゃん・・・蘭・・・」
小五郎はそんな新一の事を覗き見る事もなく途中で気配から勘づいていた旨を口にすると周りに気をやれずに全く気付いてなかった蘭は唖然とするが、そんな中で新一がすがるような声を漏らすが小五郎は気にした様子もなく立ち上がる。
「んじゃ俺は金を置いて行くが、途中からの話は新一・・・お前に向けてしていった話でもある。もし少しでも俺に申し訳無いとか思ったってんなら、これ以降二度と俺の事を探るとか探そうとかすんな・・・そのつもりであってもそうじゃなくても、そんな動きを見たり聞いたなら俺はお前が俺に対してやったことを今の立場も交えて表にぶちまけてやるからな」
「「っ・・・!」」
小五郎は言うことを言いつつポケットから財布を取り出し千円札をテーブルに置いて少し歩いた後、最後に振り向くことなく立ち止まり新一の行動に対しての牽制を口にして立ち去っていくと、二人は戦慄しながらも何も言うことが出来なかった。最後の言葉は声色こそは平淡であったが、本当にそうしたなら一切躊躇いなく新一に対してそうするという気持ちを共に感じ取った為に。
・・・そうして数分という時間を小五郎がいなくなってから何とも言い難い沈黙が二人の間に漂い動けなかったが、そんな異様な様子を見た大丈夫かとの店員の声かけにより二人は気を取り直すと共に同じテーブルで向かい合うことになった。
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だが小五郎はそこで慰めの言葉をかけることはないどころか、そっと目を閉じながら言うことを言って帰ると告げる。
「・・・これもアニメからの話で覆水盆に返らずってことわざがあるが、それでひっくり返った水はまた入れればいいって事を言った奴がいた。まぁそれに関しちゃ物事にやり直しがきく内ならそれでいいみたいに思えるだろう・・・だが俺とお前らの関係に関して言えることとしちゃひっくり返った水が世界の最後の水だとか、ひっくり返った時に水もだが器もひっくり返ってぶち壊れて粉々になっちまった・・・みたいなもんで、もう本当に元になんざ戻らねぇもんなんだよ。水はもうないし器もぶち壊れてるような形だからこそ、絶対にな」
「そん、な・・・」
それで小五郎は別のアニメの事を出した上での話をするのだが、完全にどうにもならないと告げるその中身にまた蘭は涙を溢れさせていく。
「つー訳で俺はもうお前に会うことはねーし、後がどうなろうが知ったことじゃねー。後はお前自身・・・いや、そこにいる新一と話をしてどうするか決めろ」
「っ!?」
「えっ・・・し、新一っ!?」
そして話は終わり・・・かと思いきや、小五郎は目を開けて隣のついたての先のテーブルを指差すとビクリといった震えが蘭にも伝わってきた為、そこを慌てて立ち上がって上から覗きこむと新一が顔色を青くしながら唖然としたように静止している形で椅子に座っていた。
「多分俺と蘭がここに来るってのをどっかで見たか聞いたかで、話を盗み聞くために隣に分かりにくいように座ったんだろ。つっても俺も話をしてる途中でなんか驚きを押し殺してるような気配を感じて誰かいるんじゃねーかに、こんな話を黙って聞く奴なんかいるのかって考えた時に新一以外いねーんじゃねーかって思ったら当たりだった・・・ってわけだ」
「ま、まさか・・・そんなことが・・・」
「・・・おっちゃん・・・蘭・・・」
小五郎はそんな新一の事を覗き見る事もなく途中で気配から勘づいていた旨を口にすると周りに気をやれずに全く気付いてなかった蘭は唖然とするが、そんな中で新一がすがるような声を漏らすが小五郎は気にした様子もなく立ち上がる。
「んじゃ俺は金を置いて行くが、途中からの話は新一・・・お前に向けてしていった話でもある。もし少しでも俺に申し訳無いとか思ったってんなら、これ以降二度と俺の事を探るとか探そうとかすんな・・・そのつもりであってもそうじゃなくても、そんな動きを見たり聞いたなら俺はお前が俺に対してやったことを今の立場も交えて表にぶちまけてやるからな」
「「っ・・・!」」
小五郎は言うことを言いつつポケットから財布を取り出し千円札をテーブルに置いて少し歩いた後、最後に振り向くことなく立ち止まり新一の行動に対しての牽制を口にして立ち去っていくと、二人は戦慄しながらも何も言うことが出来なかった。最後の言葉は声色こそは平淡であったが、本当にそうしたなら一切躊躇いなく新一に対してそうするという気持ちを共に感じ取った為に。
・・・そうして数分という時間を小五郎がいなくなってから何とも言い難い沈黙が二人の間に漂い動けなかったが、そんな異様な様子を見た大丈夫かとの店員の声かけにより二人は気を取り直すと共に同じテーブルで向かい合うことになった。
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