いつかを変えることの代償 終幕(前編)

「・・・とりあえず私から蘭に関して言えることに関しては以上ね。新一君に関わらないなんて、蘭はそうは出来ないのは目に見えてる・・・だから私達は蘭とは交流しないの。性格が嫌だとかそういったことが問題じゃなくてね」
「・・・まぁ、そりゃ仕方ねぇか。オメーらが嫌だって言ってんのに、それを承知で無理してでも交流しろなんて言えねぇもんな・・・ましてや俺が選んだ行動を考えりゃな」
「・・・おじさんは鈴木さんが変わったって言ったけれど、私からすればおじさんの方が変わったと思うわ。前のおじさんだったらこんな風な会話が出来たとは思わないもの」
「それは私も思うわね~。ここに来るまでは蘭がいないから事務所は荒れ放題で足の踏み場もないかなって思ってたんだけど、ちゃんと整理整頓もされてるし」
それで園子が自分達の言うことは言い終わったと口にした事に小五郎は理解出来るから仕方無いといったように漏らし、そんな姿に二人は小五郎こそ変わったと口にする。
「・・・一人だと自分でやるしかねぇんだよ。それに一人でいる時間が長かったから、いくら俺でも多少は考えてきたんだよ。自分がこれでいいかってな・・・つーか少しでも考えがねぇなら俺は米花町から離れちゃいねぇよ」
「まぁそれはそうだけど・・・もう米花町には戻る気はないのよね、おじ様は?」
「あぁ。つーかもう十数年は米花町自体に足を踏み入れちゃいねぇし、こっちの生活を気に入ってるからな・・・頼まれたって戻る気なんかねぇが、そう言うってことは俺に戻ってほしかったってのか?米花町に」
「本音を言うならこれからもおじ様に時々会いに来たいって気持ちがあるわ。でもそれなら仕方無いから、たまにこっちに来るわよ。おじ様の所に遊びにね」
「・・・そう言ってくれるのは嬉しいって言いてぇが、こっちは米花町から大分遠いからあんまり易々来れるような距離じゃねぇぞ。それに明智もいるから別に寂しいなんて事もねぇからな」
小五郎がそんな疑問に自分がやらねばならないと考えたからこそと言い、話の中身が米花町についてから遊びに来ると園子が明るく言ったことに小五郎は平気といったように首を横に振る・・・園子の意図として本心から自分を気遣っての事と何となく察しはしたが、小五郎としては別に無理をしてまで関わってもらうほど気を遣われるような事はないと思っているために。
「だからたまによたまに。別に前ほど来る訳じゃないし、そんな無理をするような事はしないわよ。それくらいいいでしょ?ね?」
「・・・ま、それくらいなら別に構わねぇよ。それと宮野も何かあったら園子がいなくてもこっちに来ていいぞ。オメーが俺を頼りにするようなことがあるとは思わねぇけどな」
「何かあればこちらに来るわ。それと宮野じゃなくて志保でいいわ。宮野だとお姉ちゃんもいるし、鈴木さんだけ下の名前を呼び捨てというのもあまり気持ちよくないわ」
「わーったよ、志保」
しかし園子がそんなこと気にしないとばかりにグイグイ前に来る様子に小五郎もあえてそれ以上は制止はせず、志保にも遠慮はしないようにと言うと了承と共に呼び名の訂正を求めてきた事に素直に返す。


















・・・それで園子に志保と連絡先を交換し終わった小五郎はその経緯についてを説明するのもあるが、高遠からマジックショーのチケットが送られてきた事もあり、マジックショーを見に行きその後で食事をしつつ話をしようと決めて明智と共にマジックショーへと向かった。

だがそこで小五郎は明智と共に更に予期せぬ出会いをすることになる。二人にとって意外な人物との出会いを・・・









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