知りたいものを知れることが幸せに繋がるとは限らない
・・・小五郎は息子である坂道が二年目のインターハイにまた出るということを聞き、その活躍に喜ぶと共に今度はその姿を生で見に行こうと有給で休暇を取ることを決めた。坂道は一年の時は本当にギリギリでまた優勝出来る自信なんかないと言っていたが、そこについてはちゃんと承知の上だ。雑誌でその瞬間の写真を見た時は本当にタイヤ少し分の差で勝ったくらいで写真越しでもギリギリだったのが伝わってきたから、もし勝てなかったら勝てなかったででも頑張ったと坂道を誉めようと思ってだ。
ただそれで今生の妻と一緒に行くかという話になりかけたが、妻が近所の奥さん達と一緒に旅行も兼ねて行くということから流石にそこに混ざるわけにはいかないと、一人で宿を取って観戦する事を選んだのだが・・・そうして沿道から少し競技の様子を瞬間を見るだけでも小五郎は自転車競技の過酷さに凄さを感じ取った。こんなに凄い世界があるのかということに、坂道もこの凄い世界の中でトップクラスの走りを見せたことに。
ただそうして一日目に二日目と大会の様子を見てきた小五郎だが・・・大会最後の三日目にて、小五郎は全く予想していない人物と出会うことになった・・・
「・・・さて、頼んだ飲み物も来たことだ・・・これで話を始めるぞ、蘭」
「うん・・・」
・・・とある喫茶店の一角にて。
店員が飲み物を持ってきて離れたのを確認した後、小五郎はテーブルを挟んで自身の前に座る蘭へと緊張感を持って話し掛ける。
・・・大会の最終日にて、坂道が最後まで来れるかは分からなくともゴールの瞬間を見ようとゴール地点に行った。だがそこでいい地点を探している最中に出会ったのだ・・・光太郎が自身の出身校である京都伏見を見に行くということで、自分も折角だからどういう競技なのか実際に見に行きたいと切り出してゴール付近に来ていた蘭と。
最初顔を合わせて数秒間互いに固まった二人だが、蘭が先に気を取り直してお父さんと口にした事に小五郎はたまらず苦い顔をした上で人のいない所に誘導した・・・その一言で蘭も前世を覚えていると確信した上で、こんな人のいる場所で下手に逃げようとして追い掛けられて騒がれるよりはと思ってだ。
それで人がいない場所にて話をしてどんな形でこの世界で過ごしてきたのかを話し合って事情を把握した二人だが、小五郎からしたらそういった話を長々したいとは思っていなかった・・・一応トップがゴールに着くまでに時間があるとは言え小五郎としてはあまり時間をかけすぎて見逃したなんてことはしたくなかったし、何より小五郎からしたらもう関わりたくない存在だと蘭のことは認識していて今もそれは変わっていなかったのだ。
だから小五郎は蘭に出来る限りオブラートに包んでもうこっちでの生活があるから俺と再会したことは忘れて今の生活に戻れというように言ったのだが、蘭はそんなこと出来るわけないと言った・・・蘭からしたら小五郎は自分という娘に何も言わずに死んでいったのだからなんでそんなことをしたのかと聞かなければならないと思った上で、ここを逃したら小五郎とは二度と会えなくなるのではないかという勘が働いてしまったからである。だから是が非でも逃がすわけにはいかないと。
そんな蘭の強情に引かないといった様子に小五郎は仕方無いと頭を抱えつつ、東京に戻ってから時間を取って会えるようにするからその時に話すぞと持ち掛けた・・・人がいない場所を選んだと言っても下手にここで言い争いを続けて騒ぎになればどういうことなのかと坂道達の耳に入ることも有り得るし、話が長くなって本来の目的であるゴールの瞬間の確認が出来なくなると見て仕方無く後でに回そうと思ってだ。
そんな内心を言わないながらもそう案を出した小五郎に最初は蘭はそんな回りくどいことをしたくないしここで全部話せばいいじゃないと渋っていたが、光太郎と一緒に来ている蘭が時間が経ってこんな場面・・・特に自分を父と呼んでいる場面を見られたらどうなるか考えるように言われて、声を詰まらせながらそうすると返すしかなかった。蘭からしたら今生での兄弟だとちゃんと光太郎は認識しているが、前世の父親である小五郎を父と呼ぶ姿など見られたらどうなるか分からないと考えて。そしてそれで決まりとなったことで一応連絡先を交換した上で二人は一先ずそこで話は終わりとしたのである・・・一つの条件をつける形で・・・
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ただそれで今生の妻と一緒に行くかという話になりかけたが、妻が近所の奥さん達と一緒に旅行も兼ねて行くということから流石にそこに混ざるわけにはいかないと、一人で宿を取って観戦する事を選んだのだが・・・そうして沿道から少し競技の様子を瞬間を見るだけでも小五郎は自転車競技の過酷さに凄さを感じ取った。こんなに凄い世界があるのかということに、坂道もこの凄い世界の中でトップクラスの走りを見せたことに。
ただそうして一日目に二日目と大会の様子を見てきた小五郎だが・・・大会最後の三日目にて、小五郎は全く予想していない人物と出会うことになった・・・
「・・・さて、頼んだ飲み物も来たことだ・・・これで話を始めるぞ、蘭」
「うん・・・」
・・・とある喫茶店の一角にて。
店員が飲み物を持ってきて離れたのを確認した後、小五郎はテーブルを挟んで自身の前に座る蘭へと緊張感を持って話し掛ける。
・・・大会の最終日にて、坂道が最後まで来れるかは分からなくともゴールの瞬間を見ようとゴール地点に行った。だがそこでいい地点を探している最中に出会ったのだ・・・光太郎が自身の出身校である京都伏見を見に行くということで、自分も折角だからどういう競技なのか実際に見に行きたいと切り出してゴール付近に来ていた蘭と。
最初顔を合わせて数秒間互いに固まった二人だが、蘭が先に気を取り直してお父さんと口にした事に小五郎はたまらず苦い顔をした上で人のいない所に誘導した・・・その一言で蘭も前世を覚えていると確信した上で、こんな人のいる場所で下手に逃げようとして追い掛けられて騒がれるよりはと思ってだ。
それで人がいない場所にて話をしてどんな形でこの世界で過ごしてきたのかを話し合って事情を把握した二人だが、小五郎からしたらそういった話を長々したいとは思っていなかった・・・一応トップがゴールに着くまでに時間があるとは言え小五郎としてはあまり時間をかけすぎて見逃したなんてことはしたくなかったし、何より小五郎からしたらもう関わりたくない存在だと蘭のことは認識していて今もそれは変わっていなかったのだ。
だから小五郎は蘭に出来る限りオブラートに包んでもうこっちでの生活があるから俺と再会したことは忘れて今の生活に戻れというように言ったのだが、蘭はそんなこと出来るわけないと言った・・・蘭からしたら小五郎は自分という娘に何も言わずに死んでいったのだからなんでそんなことをしたのかと聞かなければならないと思った上で、ここを逃したら小五郎とは二度と会えなくなるのではないかという勘が働いてしまったからである。だから是が非でも逃がすわけにはいかないと。
そんな蘭の強情に引かないといった様子に小五郎は仕方無いと頭を抱えつつ、東京に戻ってから時間を取って会えるようにするからその時に話すぞと持ち掛けた・・・人がいない場所を選んだと言っても下手にここで言い争いを続けて騒ぎになればどういうことなのかと坂道達の耳に入ることも有り得るし、話が長くなって本来の目的であるゴールの瞬間の確認が出来なくなると見て仕方無く後でに回そうと思ってだ。
そんな内心を言わないながらもそう案を出した小五郎に最初は蘭はそんな回りくどいことをしたくないしここで全部話せばいいじゃないと渋っていたが、光太郎と一緒に来ている蘭が時間が経ってこんな場面・・・特に自分を父と呼んでいる場面を見られたらどうなるか考えるように言われて、声を詰まらせながらそうすると返すしかなかった。蘭からしたら今生での兄弟だとちゃんと光太郎は認識しているが、前世の父親である小五郎を父と呼ぶ姿など見られたらどうなるか分からないと考えて。そしてそれで決まりとなったことで一応連絡先を交換した上で二人は一先ずそこで話は終わりとしたのである・・・一つの条件をつける形で・・・
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