死んで尚の恋が終わる時

「だからさ・・・新一は色々と言いたいかもしれないけれど、もうこれで私は終わりにしたいの。私自身もうここで終わりにしないといけないって思ったのもそうだし、貴方からしたら私がいるならって事で楽になるって思うかもしれないけど・・・多分っていうか間違いなくそれは事件に出会えない不満を私と共有っていう形ってことで、私に何でだってぶつけるだとか慰めてほしいみたいな形になると思う・・・そうなったら私が辛いっていうのもそうだけど、新一の方がそうだっていう事から目を逸らし続ける事になって辛いことになると思うわ・・・まだ前世のようになるかもしれないってすがってそれでズルズル時間を使っていって、何も起こらなかったらそれまでの時間で他に何か目を向けたりやることが出来た筈なのにって後悔に辛くなる形でね・・・」
「っ!!」
故に別れたい・・・そうまとめるように告げる中で自分だけじゃなく貴方も辛いと告げていく蘭のその話の中身に、新一はたまらず顔を青ざめさせて息を詰まらせるしかなかった。何も今と変わらないならと仮定された上でのそれらの話は、何十年後でのあまりにも空虚な新一の未来を口にした物であり・・・今までの話の中身もあってそんなことにならないなんて楽観的に否定出来る物ではないと、新一自身感じてしまって。
「・・・ここまで言ったから新一なら理解してくれるって思いたい・・・思いたいけど、多分新一もそうだし私自身もこれで大丈夫なんて思って一緒にいたら、どっちもどっちで将来的にどうにかなるなんて考えにまたなるんじゃないかって思ったから、今日ここで別れるようにしようって思ったのよ・・・そして本当の意味で前世を振り切って生きていこうってね・・・」
「ら、蘭・・・」
「・・・私の事を勝手だって思うなら思ってくれていいわ。でも今別れないとどうしようもなくなると思うし、私はこれ以降にもう貴方に会おうという気はない・・・だからもうさよならよ、新一。出来ることなら貴方もどうにか考えを変えて生きられるようになることは祈っているわ・・・」
「・・・ら、ん・・・」
そして蘭はそのまま言いたいことについてをまとめるように言葉にしていった後に椅子から立ち上がり、悲し気に言葉を口にした後に部屋を後にしていくが新一は呆然としたようになりながらもただその後ろ姿をいなくなるまで見詰めるしかなかった・・・蘭が本気で言ってることは頭では分かっても完全に感情が理解をすることにストップをかけてしまって、どうしていいか分からないというよう・・・






・・・考えをまとめた蘭だが、新一と別れる事が辛いという気持ちが無いわけではなかった。むしろ辛いという気持ちの方が心中を大きく占めていたくらいである。しかし新一に言ったようにこのまま二人でずっといたなら、言葉にしたんだから自分達は間違ってもやり直せるなんて思うようになったら、本末転倒もいいところな上に本気で自分達は以降に離れることが出来なくなる・・・そういった確信が蘭の中には存在していた。自分も言葉にしたんだから気を付けるし大丈夫だろうという考えに楽観視するだろうこともだが、新一はそれらの言葉を否定したいという意地と共にここで蘭を離せばどうなるか分からないという不安から是が非でも引き留めにかかる可能性は限りなく高くなるだろうから、そうなったら後は脱け出せない泥沼になるだけだろうと。

だからこそ蘭は辛いという想いは滲めども別れる時は絶対に引き留められても後ろを振り向かないという考えを抱いていた。もし振り返れば後ろ髪を引かれるどころか、自分が新一の隣にいなければならないという気持ちになることは間違いないだろうということから、そうしないためには一度も振り向いてはならないと・・・









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