死んで尚の恋が終わる時

「・・・だから私は別れようって言ったのよ。これからの事を考えるともう今の新一とうまくいくと思わないっていうのもそうだけれど、無理して貴方がどうにか変わるなんて事を願って我慢してまで付き合わない方がいいって光太郎に言われたのもあってね」
「はっ!?こっちの弟に俺達の事を話したってのかよ!?」
「流石に前世の事は話してないわ・・・ただ新一の事をどうするかって一人で考えてる時に光太郎から電話があって悩んでるのが声だけでも聞いてて分かったって言われたから、新一との関係についてを話せる程度に話してどうするか考えてるってくらいに話をしたんだけどこう言われたのよ・・・蘭が別れたくないって思っとるのはそいつが好きだからってのともしかしたら変われると思っとるからかもしれんけど、別れたいって思っとるんはそいつが変わらへんって思ったのもそうやけどそれでいつか分からん変わることが出来るその時まで我慢出来るなんて思われへんかったからやろ・・・だったら我慢せえへんで別れるってことを選んだ方がえぇわってね」
「なっ・・・!?」
それで蘭がその決断の後押しをしたのは光太郎であってどんな流れからの言葉があったかを聞き、新一はたまらず絶句してしまった。そこまで自分の事が言われていたのかという驚きもあるが・・・
「そんなことを光太郎から言われたっていうのが信じられないって顔をしてるわね、新一・・・でも正直私も意外だったわ。光太郎ならその男が好きなら我慢やって言ってくるのかなって思ってたんだけど、実際はその逆だったのよ・・・」
・・・そう。蘭自身も意外だというように言っているが、光太郎からそんな言葉が出てきたことである。






・・・新一との関係についてをどうするかを悩んでいた蘭の結論を最終的に後押ししたのは、電話をしてきた光太郎の言葉であった。東京で離れた位置関係で暮らす都合上頻繁に行き来は出来ないが、電話なら時間さえ合えばいつでも出来るということから頻繁にしてきたし、新一と再び出会った時の後の電話では彼氏が出来たと報告をしたものだった。

その時の光太郎は高校出るまで浮いた噂の無かった蘭がなぁ・・・としみじみ言いつつもうまく行くように祈っといたると言ったのだが、今ここに来る数日前に電話が来た時に蘭は話せる部分に関してを話していって、これからどうするべきなのかと不安を吐露していった。光太郎に話をしても性格や言いそうな言葉として我慢や、と言われる可能性が高いと思いながらも自分の気持ちを抑えきれずに。

しかし話せる部分だけ話しただけであるが、そんな話を聞いた光太郎から出てきた答えは・・・無理せず別れることを考えた方がいい、という蘭からしてもだが新一からしても意外な物だった。この二ヶ月近くで蘭が光太郎の事も世間話がてらに話したのだが、普段は明るくムードメーカーながらも辛いことが起きる度に我慢と口癖のように言葉にしてきてそれらを乗り越えてきた忍耐力の強い存在だと。

だからこそ二人からしても意外だったのだが、実際に話を聞いていき・・・蘭は決意を固めたのである。辛くても新一と別れるという決意を。









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