犯罪者だった男は探偵と自称する少年を何と見るか?
・・・一応優作達が前世の自分の両親に比べたら断然に家族としての時間を取った上で、親として接してくれたことに関しては確かだと思っている。しかし現在優作達が家にいないのは自分もだが新一もしっかりしているからということから、様々な刺激の為にと日本から出て海外で暮らすことを選択して今も暮らしているのだ。自分達のやりたい形を優先させる為にだ。
この事に関しては遥一自身は気が楽になったから構わなかったのだが、仮にもまだ成人にもなってない子ども達をそんな理由で放置してしまうその気楽さは普通の人の親としては駄目だろうと見たのだ。そして時折戻ってきて自分達の息子なんだから大丈夫だろうといったような何も疑いを持たない様子を見てきたことも、今回の件で親として善良というよりは楽観視しているだけなのだという印象を強めることになった。
だがここでまた更に問題となるのは遥一が色々と言わなければ新一の気持ちを優先した判断を下しかねなかったというのもだが、新一を頼れるツテに頼んだ後で・・・また今の暮らしの為にと海外に戻ることを選んだことだ。
この事に関しては一応下手に環境を変えると周囲に何かあったのではないかと勘繰られる可能性があるから、それを考慮した上で表向きは何も起きてないと見せるためという理由付けも出来ないことはない・・・だが一応は新一があぁなったのであるしもしもの何かがあってはいけないからと、工藤家に腰を落ち着けるのではなくどこか何かあったらすぐに駆け付けられる所に間借りするなり宿を取るなりして隠れて日本に滞在するのが妥当なのではないか・・・そう遥一は考えてならなかった。新一の身に起こったことを考えればこそ、世界規模で売れっ子な小説家として貯まりに貯まった金に余裕があればこそもしもに備えてだ。
しかし優作達は結局そういった選択肢を選ばずに日本を離れることを選択していった上で、新一もそれを当然として受け入れたのである。そしてだからこそ遥一はこう考えるようになったのである・・・あの親にしてこの子ありであって、こんな者達と関わるような事は出来る限りないようにしていこうと・・・
「・・・しかしそれもこれも元をただすなら金田一君同様やたらと事件に巻き込まれやすい、いえ新一達に関しては惹き付けやすいといった性質があってこそそうなったんだとは思いますが・・・やはり出会う犯罪者の質がイマイチだったのもあって、父さんに新一達はあぁなった部分もあったんでしょうね。私の芸術を提供してもいいと思えるような人物達との出会いがなかったことが、ね・・・」
そうして遥一は手をどけて一人言を続けていく。どうして新一達があんな楽観的な感じになったのかというのと共に、この世界で出会った犯罪者達が良くない物だったからだろうと漏らす。ハッキリと前世と比べて悪くなっていると、また冷めた瞳を浮かべて。
・・・そもそも前世において犯罪者となったのもそうだが、その後に逃亡生活を続ける中で遥一は犯罪を犯す覚悟や殺意を抱く者についてを見出だし、自身の考えたトリックを託す犯罪コーディネーターとしての一面も遥一は持っていた。ただその中で金田一と出会したことによりトリックを見破られた事もあった上で、トリックを提供するには不適格と見なす輩もいた。
その不適格と見た輩に関しては制裁といったような形で殺害や加害をしてきたが、そこに関しては金田一の能力もあったが自分の見る目に関しても問題があったと思っている・・・それは金田一に事件を解決されたトリックを託された者が遥一が考えたものだとベラベラ喋ったことから、今となって思い返せば自分の見る目も絶対に正しい物ではなかったと考えているのだ。
だがこうして生まれ変わってから工藤家の一員として暮らすようになってから出会った事件を思い返せば、そのベラベラ喋った人物以下の存在ばかりが犯行を起こしていたのだと感じていったのである。ただそれは犯罪のトリックについてではなく、人間性に関してだ。
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この事に関しては遥一自身は気が楽になったから構わなかったのだが、仮にもまだ成人にもなってない子ども達をそんな理由で放置してしまうその気楽さは普通の人の親としては駄目だろうと見たのだ。そして時折戻ってきて自分達の息子なんだから大丈夫だろうといったような何も疑いを持たない様子を見てきたことも、今回の件で親として善良というよりは楽観視しているだけなのだという印象を強めることになった。
だがここでまた更に問題となるのは遥一が色々と言わなければ新一の気持ちを優先した判断を下しかねなかったというのもだが、新一を頼れるツテに頼んだ後で・・・また今の暮らしの為にと海外に戻ることを選んだことだ。
この事に関しては一応下手に環境を変えると周囲に何かあったのではないかと勘繰られる可能性があるから、それを考慮した上で表向きは何も起きてないと見せるためという理由付けも出来ないことはない・・・だが一応は新一があぁなったのであるしもしもの何かがあってはいけないからと、工藤家に腰を落ち着けるのではなくどこか何かあったらすぐに駆け付けられる所に間借りするなり宿を取るなりして隠れて日本に滞在するのが妥当なのではないか・・・そう遥一は考えてならなかった。新一の身に起こったことを考えればこそ、世界規模で売れっ子な小説家として貯まりに貯まった金に余裕があればこそもしもに備えてだ。
しかし優作達は結局そういった選択肢を選ばずに日本を離れることを選択していった上で、新一もそれを当然として受け入れたのである。そしてだからこそ遥一はこう考えるようになったのである・・・あの親にしてこの子ありであって、こんな者達と関わるような事は出来る限りないようにしていこうと・・・
「・・・しかしそれもこれも元をただすなら金田一君同様やたらと事件に巻き込まれやすい、いえ新一達に関しては惹き付けやすいといった性質があってこそそうなったんだとは思いますが・・・やはり出会う犯罪者の質がイマイチだったのもあって、父さんに新一達はあぁなった部分もあったんでしょうね。私の芸術を提供してもいいと思えるような人物達との出会いがなかったことが、ね・・・」
そうして遥一は手をどけて一人言を続けていく。どうして新一達があんな楽観的な感じになったのかというのと共に、この世界で出会った犯罪者達が良くない物だったからだろうと漏らす。ハッキリと前世と比べて悪くなっていると、また冷めた瞳を浮かべて。
・・・そもそも前世において犯罪者となったのもそうだが、その後に逃亡生活を続ける中で遥一は犯罪を犯す覚悟や殺意を抱く者についてを見出だし、自身の考えたトリックを託す犯罪コーディネーターとしての一面も遥一は持っていた。ただその中で金田一と出会したことによりトリックを見破られた事もあった上で、トリックを提供するには不適格と見なす輩もいた。
その不適格と見た輩に関しては制裁といったような形で殺害や加害をしてきたが、そこに関しては金田一の能力もあったが自分の見る目に関しても問題があったと思っている・・・それは金田一に事件を解決されたトリックを託された者が遥一が考えたものだとベラベラ喋ったことから、今となって思い返せば自分の見る目も絶対に正しい物ではなかったと考えているのだ。
だがこうして生まれ変わってから工藤家の一員として暮らすようになってから出会った事件を思い返せば、そのベラベラ喋った人物以下の存在ばかりが犯行を起こしていたのだと感じていったのである。ただそれは犯罪のトリックについてではなく、人間性に関してだ。
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