犯罪者だった男は探偵と自称する少年を何と見るか?

「そしてそこでもう一つ犯罪者と同じと言った事についてですが・・・これについては事件の解決が自分の役割だしそういった事件が自分に寄ってくるからということも相まって、本人が心の何処かでそういった難解な事件が起きて自分が解決することを望んでいる・・・そういった方向性は違えども犯罪に謎の事を考えていることにあります。いえ、むしろ新一の場合は何処かしらで犯罪が起こることに期待していたり実際に会ったなら心が踊ってすらいるのだろうと思います。本人が聞けば激昂して否定してくるでしょうが推理小説を読んだりするのが何より好きで、一時期やっていたスポーツであるサッカーも運動神経がいい方が犯罪者と相対する時にいいといった理由で始めたくらいで、ある程度運動が出来るようになったからと引き留める声に未練など見せる事もなくサッカー部を退部しましたからね・・・そこまでして謎や推理にこだわり事件に飽きること無く関わり続ける様子は、私から言わせれば犯罪者より犯罪を求めていると感じすらしますよ」
更に遥一がここが同じどころかむしろ犯罪者より犯罪についてを考えているのかに関してを話していくと、より一層少女の表情が歪んだ。
「・・・確かにそこまで行けばもう筋金入りという言葉ですら足りないなんて物じゃないわね。むしろ彼を推理が出来ない環境に押し込めたり、それが望まれないなんて風な禁止を押し付けたら発狂するんじゃないかしら?」
「発狂は有り得ないと言い切れないですが、新一ならそこを無理矢理抜け出して事件を解決してホラ自分は必要だろうと周囲に自分の有用性を示し、また推理が出来る環境の維持に余念がなくなると思いますよ・・・私は少しでも事情を聞いて巻き込まれるのが嫌なので今の場所で新一がどうしてるかは聞いてませんが、大方そういったことをしていて無理矢理に今の立場を擁立してる可能性は大いに有り得ると見ています」
「・・・そして私はそんな人がいるような場所にこれから少ししたら行くという事なのね・・・」
それで少女がその表情のままにもしもの可能性についてを口にするのだが、遥一がそれらを乗り越えて上回ってくる可能性の方が高いと返すとたまらず肩を落とした。明らかに今までの話から新一に関しての印象は少女の中で良くない物となっているというよう。
「その辺りに関しては今の話を承知した上で、適当に新一と関り合いにならないような言い分を考えるであったり、立場を構築していった方がいいと言っておきますよ。まぁ今の話にも出したように今頃は新一はそこで自分の思うような立場を擁立していると思われますから、それを見極めて合わせる必要はあるかと思いますがね」
「・・・そうはしていないといった考えにならないのは、弟ならそうするだろうと確信してるからかしら?」
「えぇ。むしろ言われたから大人しくしているような性格だったなら、そもそも自分一人でその男達を追うなんて言い出すはずがないでしょう?」
「・・・確かにそうね・・・」
遥一はそんな様子にアドバイスを送るが断定した物言いに少女が疑問を向けると、そんな生易しいタチじゃないとの返しの中身にまた肩を落とすしかなかった。我の強さはその言葉だけでも分かると。









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