犯罪者だった男は探偵と自称する少年を何と見るか?

「これらに関しては普通に考えてみれば分かると思いますが、身内が犯罪者となった者がいてその家族が悪いイメージが主になる形で好奇の目に晒される事になるのは想像がつくでしょう。そんな人物が出たのならその家族は止められなかったのかであるかといったような事から始まるような好奇の目がね」
「・・・それは確かに否定出来ないでしょうね。身内がそんなことをしたなら嫌でもそういった目や声は向けられるのは避けられないでしょうけど、そんな視線や声が向けられてその家族は耐えられなかったばかりか離散といった結果になった・・・そこまでは分かるけれど、工藤新一君はそういった事を気にしていなかったというの?話に聞くと謎を解く能力はあるという話なのに・・・」
「そこが新一の思う探偵と犯罪者が一緒だと言ったポイントの一つなんですが・・・結局の所として事件が起きて以降の事なんて考えてないんですよ。犯罪者からすれば自分の犯行が終われば以降の被害などどうなろうが自分達に問題が降りかからなければどうだってよく、新一からすればそんな事件さえ解決すれば以降の事は自分が事件を終わらせたんだからそれでもう万事解決で何もないだろうというようにしかね」
「っ・・・そうして言葉にして聞くと、何とも言いようがない気持ちになるわね・・・工藤新一君からすればやることはやったし正しいことをしたんだからと自信満々に思ってるんだと思うと、尚更にね・・・」
遥一がその話についての常識的な視線についてを話していった上でポイントについてを語ると、少女はまた表情を歪めた。共通点と口にされたそのポイントが自分本意でいて以降の人々の事など一切考えてないと言うことに。
「一応捕捉させてもらうならそういった家族離散したような方々については自業自得であった部分が大きかったことも否定出来ない部分があった上で、それらが新一の耳に届くまで広がるようなことにならなかったのはそんなマイナスイメージの話を声高に噂にするのは周囲の方々としては一時は良くても、あまり話が広まりすぎても良くないと見ての事だと思われますが・・・もっと言うなら新一に事件の関係者となど再び出会うような縁など結ばれなかったり、仲良くなるような事などまず無かったからというのもありますがね。たまたま出掛けて出会っただけの次会うようなことがあるかどうか分からない方とそう仲良くする理由はないと言われればそれまでですが、だからこそ新一はそういった方々もそうですし他の何事もない方々のことなんて知ることは自発的になんて無かったんですよ」
「・・・その辺りは仕方無い部分もあると言えばあるんでしょうけど、その彼ががそういったようになる危惧についてを考えられないのは頭がいい割にはといった気持ちになるのは確かね。こういった事を明かしたならこうなりかねないみたいな事を考えられないというのはね」
「だからこそ新一の思う探偵と評したんですよ。そうして事件を解決すればおしまいとしか思ってないということでね」
ただそこで捕捉といったような話をする遥一ではあったが、進んでいく話の中身にやはり気持ちが良くないというように少女の表情は歪んで遥一もまた首を横に振った。結局新一は普通の人と寄り添うような関係を築く事も、そういう気持ちを抱く事も無かったのだと。






・・・ただこういったように遥一は言っている理由は少女には話してはいないが、そこには明確に一つの存在があったからだ。それは平行線上と評した存在がいたからであり、そして今となっては名探偵の孫であったという事実はあっても探偵ではなく一人の人間であったからこそ平行線上の存在だと見たのだと。









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