犯罪者だった男は探偵と自称する少年を何と見るか?

「私の言いたいことは理解していただけたようですね、新一。まぁ同じような事を言うようですが、その男達を捕まえるのはまだしもにしてもその薬からどうにか元に戻れるか否かに関して、戻れるという希望に繋がったとしても時間がかかる可能性は大いに有り得ます。ですので父さんのツテでも頼って出来る限り早く、そしてそのツテにあたる方々と共に事に当たるように動いた方がいいと思いますよ」
「待って、遥ちゃん・・・新ちゃんはここにいるようにしないの?」
「単純に言わせてもらって父さんが誰に連絡するかはまだ分かりませんが、そのツテの方々の事情や場所にもよりますがそもそもその男達を追うと言うならこの家を拠点にしてというのは効率が悪くなることもそうですし、何より蘭や阿笠博士達に対してどう言い訳をするのかという話になります。新一がいなくなったと思ったらその代わりに今のこの体の新一が来て、学校にも行かずに平然と私と暮らしている・・・特に蘭に言えることとしてこれはこうなのだと誤魔化しを続けるのは色々と厳しいと思いますから、私はその男達を追うことに専念して元に戻るまで家に帰らないのが妥当だと思いますよ」
「・・・確かにその辺りを考えれば、新一がこの家に居続けるのはあまり望ましくないか・・・」
「貴方・・・」
それで話を新一がここを出て動く方がいいとまとめようとする中で有希子が疑問を挟んできたが、整然とそうした方がいいと口にするその中身に優作も重く否定出来ないといった言葉を漏らしたことに辛そうな表情を浮かべる。
「まぁその点で主に蘭への誤魔化しに関しては、私が行うようにしますので安心してください。と言っても私の言葉だけでは蘭はやっぱりにでもといった言葉で新一に直に会いたいと度々言ってくるでしょうから、誤魔化しの為にしばらく父さん達の元に行ったというように言いますのでそこはご了承をお願いします。二人の元なら蘭も事情があるんだと引いてくれるだろう上で、物理的に会いに行くには金銭面から言ってかなり躊躇われる物になるでしょうし、それでもと強行しようとしたなら父さんに連絡しますので適当に茶を濁すようにしてください。まぁ流石に父さん達の元にいるなら蘭も引いてくれるでしょうが、そこは念のための保険と思ってです」
「分かった・・・下手に行方不明といったような言い方をすれば却って蘭ちゃんを始めとした周りに疑いを持たれるだろうからな」
「「・・・」」
そして蘭やその周囲に関しての誤魔化しにはこうがいいだろうとの案を遥一が出すと、優作はまた反論なく頷いて新一に有希子も沈黙で答えるしかなかった。遥一が考えた誤魔化しは遥一側からすれば確かでいて、不自然ではないと思わせるのに妥当な物だと。


















・・・それでその後についてだが、そこまで話が決まったからには以降は父さん達が戻ってきたと何かしらのきっかけで気付かれるのを避ける為、家を出てホテルにでも行ってからやるべきだという遥一の言葉から三人は確かにと遥一を残して家を出ていった。それから以降の事は数日程ホテルに滞在しながら新一の事を進めていくということでだ。









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