親の背に子が倣うか?

・・・前世では暴君のような存在だと見られていた恭弥だが、それは恭弥からして人の在り方はこうあるべきだという気持ちがあったからこその行動だ。性根が卑しくて力が無いからと集団行動をしやすく、小賢しく知識だけでどうにかしてこようとする草食動物達のような存在が気に入らなかったからこそ、そうならないようにという風紀を敷くための行動だったのである。なので当時の恭弥としては悪いことをしているつもりはないどころか、いいことをしていると疑うことなど一切なかった。

だがその行動がエスカレートしていって暴力行為が凄くなっていったことや、血を見て楽しくなるくらいに戦闘狂の素質が出てきたのもあるが、そういったおかしな部分はあれども子どもながらの正義感からの行動は大人からしたなら色々厄介な物に見えたことだろう。

だからこそ親からしたなら恭弥のことは厄介な存在だと見られると共に、恭弥からして見れば自分が正しいことをしているのだからという意見の相違があることで仲が良いものではなくなったのである。

ただもう前世の中学の頃には恭弥の自我に思考回路は強烈に確立されていて親と無理に仲良くする事より、自分の周りに有象無象の草食動物達がいる方が嫌だという気持ちの方が断然に強くなり、それで親との関係はマフィアに入る頃には完全に無くなってしまったのであるが・・・肝心の恭弥自身はもうその時には一切親の事など気にしなくなったのである。マフィアとしてやらねばならなかったこともあってだ。

・・・それでそうしてやることをやり終えてマフィアとして恭弥もそうだが、綱吉に骸を始めとした面々は前世を駆け抜けるように生きていって各々死んでいったのだが・・・前世では最期に別れる時になるまで恭弥は草食動物と評した群れについては結局寄せ付けないままに生きていった上で、今生でもそういった相手に形は違うとは言え気持ちよくない思いをしている恭弥に綱吉達は同情しているのである。






「・・・まぁ雲雀恭弥の事は抜きにして、こちらとしてもあぁいった手合いに関してはどうにかならないかと思いますがね。明らかに悪質というか法を犯しているだとか犯したような輩は証拠と共に言い逃れ出来ないような状態にして警察に引き渡していますが、あぁいった輩は人の嫌がることを平気でやるくせにいざ自分達がその番になるか面倒になると見たら、即座に協力して都合の悪いことは流して終わらせようとしますからね。本当にマスゴミと言われて当然だと思えますよ」
「そこに関しちゃ同意するけど、前みたいにマフィアじゃないからこそ取る手段は出来る限り穏便にって形で済ませないといけないからな。じゃないとマフィアの方が良かったって肯定する事になるしさ」
「分かっていますよ。僕としてもマフィアを肯定するなんて今でも嫌なんですから、そんな事はしません・・・まぁやることはやらせてはいただきますがね。クフフ」
「程々にしとけよ」
ただそんな恭弥に対してから自分達も厄介に思ってると言う骸は綱吉の言葉を受け止めつつもやる気を見せながら笑い、綱吉もその気持ちを否定しなかった・・・前世のマフィアでは一応はマフィアの中では善玉扱いの組織であったこともそうだが、強大でいて歯向かうことの方が愚かという以前に闇に消される可能性があったからマスコミがうざったく動き回ってくる事は無かったが、今生では基本的には温厚な綱吉でもそれらに苛立ちを覚えざるを得ないくらいに鬱陶しい相手だと認識しているために。









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