親の背に子が倣うか?

「まぁそれだけって言うわけじゃないけど、そういったあの両親への気持ちから行動した雲雀さんの気持ちが分かるから、俺は風紀財団に入ったんだよ。まぁ獄寺君は俺が風紀財団のトップに立てばいいなんて言ったけど、雲雀さんが発足したものであって上に俺が立つみたいなクーデターのようなことをやるのは違うだろうし、何より雲雀さんの能力が不足してるなんて事もないしな」
「そこに関しては僕も認めますよ。そこの辺りは前世でも似たような事をやっていたから然程心配といった事は無かったから僕も乗ったんですからね」
綱吉はそんな気持ちからだけではないとしつつ恭弥を信頼しているといったような事を口にし、骸も仕方無いというように認める言葉を口にする。以前の間柄だけを知っている者達なら決して信じられない言葉を。
「まぁそこについては俺も雲雀さんのことは心配はしてないけど、部下って立場の俺達がしくじる訳にはいかないからな。特に記者に関してはこっちが注意しないといけないしさ」
「そうですね・・・マスコミに関してはマフィアと違って手荒な事をすれば面倒な事になりますからね。この辺りは人の不幸やらスキャンダルが飯の種だからこその卑しい人々の相手は本当に苦労しますよ。犯罪を犯してないなら問題はないだろうとグレーゾーンな行為に発言を平気で出来るような方々にはね」
「前世だったら雲雀さんは確実に咬み殺すって言ってただろうけれど、その辺りは分別がついてて良かったと言うべきなのかもしれないな・・・ただ前世も今生でもそういった人達の事を煩わしいって思う立場にいることには同情するけどさ」
「そこについては僕も同じ気持ちですよ」
そんな二人は話題を記者の方に行かせつつも、恭弥の立場への同情の言葉を口にする。






・・・綱吉達が言った前世の事とは恭弥の前世の家の事であるが、雲雀という家は前世で恭弥が生まれ育った町では名家の家にあった。だがその町の中でその名家の子どもだと知っていた者はほとんどいなかった。それは何故かと言えば雲雀という名家の印象がかすれる程に恭弥がその町で暴君だったこともあるが、そもそもそうだと知る者がほぼほぼいなかったからだ。

それもそうというか恭弥自身がそこの家の子だということを言うことなどなかった上で、綱吉達も当時の恭弥との関係から雑談と言った事すらほぼほぼ無かったから知ってもそれで話をすることが無かったのだ。そしてその話題をしようとしたなら恭弥が不機嫌になってトンファーで殴りかかってきたのも目に見えていたからというのも理由にあった。

だがそうして話にはしなかったものの、マフィアとなった頃には綱吉達は恭弥の家の事や恭弥との関係に関しては把握していたが・・・控え目に言っても良くなかったという物であった。この辺りはマフィアに関わることになったからというより、元々からだと。

だがどうしてそんなことになったのかと言えばそれは親と直接仲が悪かったというよりは、話に出た記者のような人物達が雲雀という名家に群がっていて・・・それらを蹴散らしていったことを親がよく思わなかったが故である。ただこれに関しては恭弥の親がそういった人物達を好んだかどうかではなく、その立場的な物から自由に動くのは色々難しいからそういった人物達を一々排除が出来なかったからだが・・・それを快く思わなかった恭弥が動いたという訳である。









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