親の背に子が倣うか?

「そういった記者達の事に関して否定出来ないといった様子だが、そもそも今こうして二人がここに来ているのは風紀財団の対応が気に食わないということだろうから話を戻すが・・・まぁ今までの話から分かっているだろうが、そういった三つの事柄から貴方との関係を断つと判断したんだ。これに関しては僕だけでなく上層部も交えて話をした結果であって僕一人で決めた訳じゃないよ」
「っ・・・そこまで言われたっていうのかよ、俺は・・・」
「あぁ、そうだよ。そして貴方が今の話で思い改めるといったように言ったとしても、こちらはその言葉を信じる事は出来ないということだけど・・・不平不満を言いたいという気持ちを持つのは勝手だが、それで僕らの気持ちが変わるだなんて事はない。だからこの話に関してはこれで終わりだから、そろそろ出ていってもらえるかな?この後もまだ仕事があるからね」
「待って恭弥!・・・貴方、新一の事を信用出来ないの?」
「信用?」
恭弥はそんな二人にこちらが決定を撤回するつもりなどないと告げていき、苦渋の表情を浮かべる新一にもう終わりにすると話をまとめたところで、蘭が制止と共に信用と口にしたことに眉を寄せる。
「・・・貴方の言うことは分かるわ、恭弥。でも私もそうだし新一も貴方の親なのだから、貴方の言うことを聞いて動いてくれるとは考えられないの?」
「ふぅ・・・なら逆にこちらから言わせてもらうが、そもそも僕からしたならこの風紀財団を立ち上げたのは貴方達に対してのアンチテーゼからなんだよ」
「「え・・・?」」
そのまま蘭は親なんだから恭弥に信用をしてほしいと言葉面は言いつつも信用をしろと言わんような声を向けるが、それ以前の問題だと目を閉じながらアンチテーゼとの言葉を口にした返答に新一共々呆気に取られたという声を漏らした。
「貴方達というか、父さんがどんな風に探偵として動いてきたのかは僕も知っているが・・・当時から父さんが今と変わらないように動いていたのもそうだし、探偵とはいかな物かという考えがあったのかは知っている。そしてその時から全くここで話したようなことなんか気にした様子を見せなかったこともだ」
「そ、それは・・・なんでその時にそのことを言ってくれなかったんだ、恭弥・・・?」
「昔の僕は貴方達に幼いながらに聞いたことがある・・・探偵とはこんなことをやる仕事なのかと。それを覚えているかはともかくとしても当時の僕は貴方達の答えに疑問を持った・・・探偵はこうあるべきだといった態度にだ。そして僕なりに独自に動いてみれば今話したような人達がいることについてを中学くらいの時には知ったが、その時にはもう貴方達は家にはいないのが普通になっていたんだよ。貴方は仕事が忙しいからと家に帰ることなく、そして母さんも新一を一人にすると心配だからと言って父さんに付いていく形を取って家に帰ることが二人ともに無かった。そしてたまに帰ってきから話をしようかと思っても、貴方達が家にいる時には僕がいなくて僕が帰ってきたら仕事の依頼が入ったからまた出る・・・そんな貴方達と腰を据えて話をする時間なんてあったと思うかい?」
「「っ・・・!」」
恭弥はそのまま冷めた声色で話を進めていき新一は何とか自分のせいではないというよう言うが、ならばと返していった答えに蘭共々息を詰まらせるしかなかった・・・事実恭弥が言ったように恭弥が中学の頃には二人はほとんど家にいないか、いてもすぐに依頼が入ったからと出ていくことが多く、恭弥とまともに話をする時間などほとんどなかったというのは確かだったために。









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