焔に触れお嬢様の目は変わる

・・・今二人が話している子ども達の事。正直な所を言うなら子ども達に関してはある程度の成果があったとはルーク達は見ている。子ども達もそうだがその保護者達も交えて行った話し合いは以前の新一が撃たれた事件とは違い、本当にギリギリでルークが間に合ったから子ども達が致命傷を負うことなく生きていられてることがどれだけ奇跡的だったのか・・・それらをルークが本当に真剣に説明したことにより、以前と違い銃で『コナン』君が撃たれたけど無事で良かったからはいおしまい・・・なんて空気には保護者達の間ではならなかった。

ただそれですんなりと行かなかったのが少年探偵団の子ども達だ・・・何せその三人は今までそういった危機を自分達の力で乗り越え、何人もの凶悪犯を捕まえ事件を解決してきたことを自信に思っていた。そして今回の事はまだ前のいくつかの事件に比べればかなり危なかっただけで、結果は無事だからいいじゃん・・・と言ったようなほとんど懲りてないといった姿を見せていた。

なのでルークもそれならと『江戸川コナン』が精神科の病院に長期入院すること及び、近い内にそれで転校することが確実だということを場にいる面々に話した。怪我を治す最中で『江戸川コナン』が以前も含めて死ぬかもしれない怪我を負ったり、様々に不利だったり絶体絶命の状況に置かれたことがあっても堪える様子が無かったのを不審に思って調べてみれば・・・恐怖に対する感情が欠落したもほぼ同然のような状態であり、それを治す為には長時間遠く離れた病院に入院しなければならないからもうそちらの方に向かったと。

・・・正直な所、ルークとしても嘘八百もいいところな話をしたくはなかったし人を騙したくはなかったとも思ってはいた。だが新一が元の体になったならいつか来る別れを全く想定していなかった事もそうだし、これくらいしか今のタイミングで『江戸川コナン』が事情があるからと自然にいなくなった上で子ども達に釘を刺せるような話など想像出来なかったが為だ。

そしてそんなことを聞いた子ども達には効果覿面であったことが、判断は間違いではなかったとルークは見た。最初こそは子ども達は嘘だにあいつはそんな変な奴じゃないというように言っていたが、ペンションで『江戸川コナン』が切りつけられたあの場面でそうされてない三人が恐怖していたのに、『江戸川コナン』が恐怖の素振りすら見せていなかったのは勇気があったからじゃなく三人のように恐怖という気持ちを持っていなかったから・・・そう伝えた上で今までの事件も同じような形じゃなかったかと投げ掛けると、三人は揃って答えにくそうな声を漏らすしかなかった。

この辺りは自分達と『江戸川コナン』の事を同じ年頃の存在だからということもそうだが、そういう存在だと三人が認識していたのが大きかった。と言うよりはまだ小学生低学年程度の子ども達が自分達と大差無い見た目の存在相手に、おかしな存在だと理論を立て状況を推理出来ることなんて想像出来るはずがない・・・と言うよりは元々の七歳の時から今ほどではないにしても、そういった事が大人以上に出来ていた新一が普通ではないのだ。

そこはともかくとしてもそういったルークからの言葉と三人のリアクションに、三人の保護者達は今後は似たような事にはならないようにするように言った上で、もしもそういった時は大人を絶対に頼るように言うということで話はまとまった・・・が、それは表向きはである。ルークもそうだが園子もそう言われたからと言って、子ども達がそれではい大人しくしますなんて言うようなタイプではないことは知っていたしだからこそ懸念していた。これ以降も少年探偵団として事件に突っ込もうとするだろうことを。









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