「んじゃ話を続けるけど、蘭に合うのはそのまんまさっき言ったような適度に外に出て家にいてくれる人ね。ついでに言うなら時々一緒に外出してデートくらいはしてくれて、蘭を余裕を持ってエスコート出来るような人だけどその条件に合う人って言ったら新出先生くらいだったかしら？蘭にある程度近くて大人の人って言ったらね」
「まぁ確かに新出先生くらいじゃあったろうが・・・なんつーか、そう聞くと普通だな・・・いや、別に蘭が変わっててほしかった訳じゃねぇけどよ・・・」
「まぁそう思うでしょうけど、新一君にずっと首ったけだった蘭じゃ他の人に目を向けるって難しかったでしょうしね～。それに蘭も頑固だからずっと離れてる新一君の事を諦めたらみたいな事を言ったって、逆に意地になってたでしょ。それにあのガキンチョだった頃の新一君の行動を今となって思い出すと、時々男がアプローチしてくると独占欲って言うか嫉妬の気持ちで蘭に対してちょこちょこアクションしてたしね～。自分がいるんだ、忘れるなんてふざけるな・・・みたいな感じに今思えばね」
「あ～・・・良くも悪くも蘭は新一の行動に影響されてたってわけか・・・」
それで園子が話題を相性のいい相手についてに戻して蘭についてを話すのだが、新一の行動があったから蘭は他に視線を向ける意識が出来なかったとの中身に小五郎は力なく声を漏らす。
「・・・そう聞けば聞くほど新一と蘭の関係ってのは普通じゃないって事だったんだな・・・」
「そうね。でもそれも今回は組織ももう潰れたことで色々と変わって、安室さん達も工藤君に関わることはないって言ってたから彼らなりに普通に交際して普通に結婚し、そして余程でなければ前より規模が小さい形になって別れることになるでしょうね。そんな二人に巻き込まれるのは今となっては私も鈴木さんも嫌なのよ・・・組織とは関係が無くなったからと言って工藤君が事件を引き寄せないなんて事は有り得ないでしょうし、それで不機嫌になる妃さんに巻き込まれるのはね」
「・・・彼らなりって言うのが嫌な言い方だが、それも強くは否定出来ねぇんだよな・・・」
そのまま頭を手で押さえつつ呟いた声を志保が拾うが、決して普通ではない恋愛しかしないといった言い方に小五郎はまた否定を返せない。普通の何事も起こらない恋愛を行う二人の姿など、小五郎にも想像出来なかった為に。
「・・・まぁ今までの話でオメーらがあいつらと関わんのが嫌で、距離を取ってるってのは分かった。それで今更になるが、オメーらが俺に会いに来た目的は単に今の話をしに来ただけなのか？」
「あっ・・・そう言えば言ってなかったわね、その事を」
それで小五郎は一先ず新一達の話題から何故そもそも自分を訪ねたのかの理由を聞き、園子もそうだが志保もハッとする。その話をする目的で来たのではないのだと。
「元々私達がおじ様に会いに来たのは明智警視って誰なのかって聞きに来たのよ。以前にそんな名前なんか聞いたこともなかったし、安室さんも詳しい事は話したくないって感じだったらしいって志保も言ってたし」
「あ～・・・そういや安室に会って話した時、言葉でベコベコにしたみたいなこと言ってたな・・・」
「安室さんを口で追い詰めるって・・・一体何者なのよ、その人・・・」
園子は理由は明智の事を知りたいから来たのだと言い、小五郎が前の事を思い出しながら話す様子に若干志保は引いたように漏らす。安室の能力については良く知っているが為に、そんなこと信じられないといったように。
「まぁその時の事についても併せて話をするって言ってやりたいが、まずは俺の事も含めて話の中身は誰にも言うなよ。組織とはまた別に言っちゃなんねぇ話ってヤツをするからな」
「・・・えぇ、分かったわ。志保もいい？」
「えぇ、いいわ」
小五郎は話をする前に前置きを置き、二人はその中身に頷く。他には漏らさないと。









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