焔に触れお嬢様の目は変わる

「・・・ちょっと、蘭・・・お前、本気で言ってんのか?新一の事を放っておきたくないって気持ちは今までの事から分かってるけど、もしそう出来たとしたなら蘭は今の体のまんまだからって言っても毛利さんのとこから新一の所に行き来なんて気軽に出来ない可能性があると思うぞ?その男達だとか新一の情報を機関からして漏らしたくないって見てってのもあるけど、鈴木財閥が海外の機関に身柄を渡すってなったら距離的な意味でもさ・・・」
「関係無いわよ!ここまで来たんならもういいわ!お父さんも園子も新一を助けないんなら私が新一を助けるから!」
「・・・本気、なのか・・・」
そうして呆気に取られていた中でルークがいいのかとそうした場合の事についてを挙げていくのだが、完全に頭に血が昇っているといったのが見て取れる返しをする蘭にたまらず頭を抱える。
「・・・おじ様、どうする?蘭を説得する?私としてはこうなった蘭を説得なんて出来ないと思うけど・・・」
「・・・俺もそう思うから、確認だけは取らせてもらう・・・いいんだな、蘭?お前はそれで・・・」
「別に構わないわ!確かにお父さんの立場はあるかもしれないけどもうそれなら私一人で新一の助けになるから!」
「・・・そう言うと思ったよ・・・くそっ・・・」
園子はそこで小五郎にどうかと尋ねて確認を取るのだが、蘭が勢いそのままに言われるまでもないと返してきたことに呆れた後に悪態を小さく言葉に込める。
「お、おい・・・な、何で三人とも蘭がこんな風に言ってるのに、止めてくれねーんだよ・・・?」
「・・・逆に聞くけど、今の蘭が言葉で止まってくれると思う?」
「そ、それは・・・」
だが一人何よりも誰よりも蘭を巻き込みたくなかった新一が止めないことを三人に対して批難するように言うが、園子が止まると思うかと簡潔に言えばすぐに言葉を詰まらせる。
「・・・というかあんたが自分の思うようにそいつらを追うのを止めて、さっさとおじ様達の元から離れてれば今までの話の事も含めてこんなことにならなかったのよ。そして今までの事について責任を感じてるっていうんなら、蘭の事に関して向き合いなさいよ。今見た通り蘭は私らの言葉や説得なんて聞かないって言うんだから、あんたがやるしかないんだからね。それともその責任すら放棄するっていうの、あんたは?」
「うっ・・・」
更に園子がそこで責任についてを問う言葉を冷たい視線と共に向けると、新一はまた言葉を詰まらせ表情を歪ませるしか出来なかった。それこそ拒否を返したなら責任を逃れようとしているものだとなる為に。
「・・・責任を感じてるようだからいいとは言わないわ。ただ今まで話には出してなかったけど、ここでの話が終わったら新一君もそうだけど哀ちゃんも鈴木財閥が連れていくようにする手筈にしているから」
「っ、そこまで手配してたのかよ・・・」
「あんたがクローンなのか新一君なのかどっちか分からないにしたって、この後自由に使える時間を与えない方がいいって言われたからよ。変に時間を与えて妙なことになっちゃいけないからってね・・・だから新一君もそうだし、蘭も上に行って着替えだとかを取ってきなさい。新一君が元に戻れるかどうなるか分からないにしても、長い時間離れる事になるだろうからそれくらいの準備はしておきなさいよ」
「あぁ・・・分かった・・・」
そんな様子を見てもう連れていく準備はしていると園子が言ったことに新一は何とか答えるのだが、構わずさっさと用意しろと言ったことにようやく諦めたといったように頷いた。もう嫌でも諦めなければいけないということを理解させられた為・・・



















・・・そうして少しの時間を準備に使った二人は鈴木財閥の人員が用意した毛利探偵事務所前に横付けしていた車に乗せられ、事務所から離れていった。それでその光景を見送った三人はまた事務所の中に戻った。









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