「おじ様、気持ちは分かるけれど落ち着いて・・・まぁそういうことから私もそうだけど、鈴木財閥も新一君に協力なんか出来るはずなんてないわ。ただ協力する場合があったにしてもあまり悪く言いたくはないけど、次郎吉おじ様が悪者退治をするのは当然じゃろうみたいに言い出してその組織の事を勢いで表沙汰にしたみたいなシチュエーションででしょ・・・そこでどんなことが起きるかとか、新一君が望んでるかどうかも考えずにその体についても勢いで発表する形でね」
「「っ・・・」」
「あ～・・・確かにあの爺さんならやりかねないって感じはすんな・・・言い方は悪いけど・・・」
そんな小五郎を見てすぐになだめの言葉をかけた上で協力が得られた場合の可能性を挙げる園子だが、その中身に新一と蘭は揃って息を詰まらせて小五郎も怒りを引っ込めて納得するしかなかった・・・園子の言った次郎吉とは簡単に言えば親戚のお爺さんに当たる人物なのだが、十分な年齢の老人にあるというのに自分がこうしたいという思いから怪盗キッドという人物に関して度々暴走に近い行動を起こしていて・・・それこそ今園子が言ったように自分が最善と見たなら止めろと制止しても、黒づくめの男達や新一達の事を明かしかねない危険性を感じたことに。
「・・・次郎吉おじ様も流石にそんなことはしないと思うけれどそうしきれないとは言い切れないし、今言ったように調べた人達は新一君達をさっさと適切な機関に渡した方がいいって言ってるし、おじ様ももう受け入れる気はないって言ってる・・・もう分かったでしょ？いい加減諦めなさい二人とも、というか新一君・・・何度も同じようなことを言うけど、あんたがその男達を自分が思うように追いたいなんていうワガママを言い出したからこんなことになってるのを止める時が来たのよ」
「そ、園子・・・」
「ね、ねぇ園子・・・鈴木財閥に任せてどこかに渡すって言ったけど、新一や哀ちゃんはそうなったらこれからどうなるの・・・？」
園子はそこで周りの要素を全てまとめるようにもう無理だと言うのだが、新一は諦めきれている感じではない声を漏らし蘭もまたそのようにすがる声で以降の事を聞いてくる。
「・・・調べた人達からの話を聞いた部分もあるけど、妥当に見たら二人は外との連絡なんかまともに取れるような状況にはならないでしょうね。そして私から見たならあの子達の事を考えたらまた会いたいとか電話したいとかってなるだろうから、あの子達だけ着信拒否をして蘭の電話は取れるみたいな中途半端な事なんて認められる訳ないでしょ。それでまず間違いなく今持っている電話に関しては二人の繋がりを無くすためにも、電話の解約はすることになるだろうって事らしいからまず新一君達に連絡はつけられないでしょうね」
「そんな・・・！」
「・・・もういい加減諦めろ、蘭。つーかこいつが今のようにやってっても俺が不愉快だってのには変わりねーのもそうだが、そもそもさっきも言ったがテメーでだけでここで都合よくそいつらの情報が入ってくるのを待つ形で行動するにしたって、どんだけ偶然任せだってなる上に時間がかかるのかなんかわかんねーんだぞ。だったら俺の立場とかもあるけど然るべき機関ってヤツに二人の身柄を渡した方が、そいつらを追ってる奴らもいるだろうからそっちに行った方が早く新一が元の体に戻れる可能性はあると思うぞ。例え連絡は取ることは出来なくてもそっちの方が断然に早くな」
「うっ・・・うぅ・・・」
園子はまず連絡は出来なくなるだろうとその根拠についてを語ると蘭は嫌だというような声を漏らすが、小五郎はここに来て呆れたように今のままを続けるよりは機関に行く方が早いだろうと声をかけると、納得したような声を漏らしつつもすぐに葛藤を浮かばせる・・・が、すぐに蘭は意を決したように表情を改めた。



「・・・だったら私も新一達に付いていくわ！」



「・・・は？」
・・・そして意を決したとばかりに口にした二人に付いていくとの言葉に、園子が呆気に取られたように声を漏らすが他の面々も似たような表情を浮かべていた。予想外以外の何物でもなかったといった言葉を聞いたことに。









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