焔に触れお嬢様の目は変わる

「はぁ・・・ルークが協力出来ない理由に関しては本人が話したけど、鈴木財閥に関しても協力なんか出来ないわよ。その理由としてはあくまで私は今回の事に関しては一部の人達に調べるだけに留めてほしいって言ったのもあって協力する気になんてなれないってのもあるけど、その人達が協力してくれないとそもそも話にならないというか協力してくれるとも思えないわ」
「な・・・ど、どうしてよ・・・!?」
「私が言うのもなんだけど、その人達が私の頼みを聞いてくれたのはあくまでも私が頼んだから仕事の一貫としてやってくれたことであって、正義感からとか新一君の為にとかって気持ちからやったことじゃないし・・・何よりここでの話を聞く前からその人達はさっき言ったよう、新一君達の事に関してを引き離した方がいいって本気で言ってきたのよ?そんな人達が新一君の事情を知って危険を承知で個人として協力しようだなんて言ってくれると思うの?」
「そ・・・それは・・・」
そんな中でルークが発言したことに気を落ち着けた園子が鈴木財閥も協力しない理由についてを挙げていき、蘭はどうしてと聞くがそもそもから調べた人達が乗り気じゃないことを再度告げるとすぐに声を詰まらせる。
「それに一応はその人達は私が個人的に頼んだことだからまだその人達の中で情報は留めておいてくれてはいるけれど、もし私が新一君に協力したいし鈴木財閥にも協力させるなんてしようとしたなら、その人達が黙って従うかどうか以前にお母様を始めとした上の人達にも話が通ることになるだろうから、そこで新一君に協力するって結論を出す可能性はまず有り得ないと思うわ・・・言ったらなんだけれど一番の理由としては、そんな危険な人達とわざわざ正義感だけで得も何もないどころか、下手したら財閥の人達が死ぬかもしれないし逆に被害を与えられるかもしれないのにわざわざ敵対したいなんて思わないだろうからよ」
「なっ・・・!?」
「だってそうじゃない。話を聞くだけでも自分達の秘密がバレるかもしれないから自分達の拠点だっていう場所をあっさりと火災だって見せ掛けて証拠隠滅して、必要があるからで電車とそこに乗ってる人達もろとも爆弾で爆発させるような人達が相手なのよ・・・もし仮に新一君が元の体に戻れたとしても財閥の人達が犠牲になったり多大な損失が出たとしたなら、正義の為だったり新一君の為だからいいじゃないとでもあんたは言えるって言うの?」
「っ・・・そんなこと、言える訳ないじゃない・・・犠牲になってもいいなんて、そんな・・・」
更にいかに鈴木財閥側が考えた上で協力しないと言うか・・・それらをリスクも含めてまとめあげる園子の声とどう思うかとの問い掛けに、蘭は苦々しくも否定を返せなかった。もしもの事があったならとても素直に喜べるような事態になどなれないと。
「・・・ま、そもそもの話として新一君が鈴木財閥に協力してもらうにしたって、新一君は自分の思うようにしか協力なんて求めようとしないでしょうし、協力したいなんて切り出しても遠慮するとか言い出しそうだけどね。それこそ自分がやりたいようにやるために、何も言わずおじ様達を利用してきたように・・・ね」
「うっ・・・!」
ただと園子が呆れたように協力関係を結べてもちゃんと協力してくれたか疑問だとの声を新一に向けると、それが当たりだと言わんばかりに痛いところを突かれたとの声を漏らし・・・小五郎の目が一気に鋭い物へと変わった。









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