焔に触れお嬢様の目は変わる

「そんなことなんて考えてなかっただろうってのはその反応から分かるけど蘭・・・あんた新一君と離れたくないから今の形を続けたいってだけでそんなことになり得る可能性があるって聞いて、尚そうしたいって言えるの?話を聞くだけでも人殺しを平気でしてきたし、走る電車が自分達が仕掛けた爆弾が爆発していっぱい人が死んでもいいって言えるような人達があんたらもそうだし、子ども達だから殺さないでおこうなんて思うと思うの?」
「そ・・・それ、は・・・その・・・」
園子がその反応にそれでもこだわるかというように問い掛けを向けると、極めて蘭は答えにくそうに視線と声をさ迷わせる。何とか言い訳を探したいとばかりに。
「・・・おい、新一・・・蘭にばっかり話をさせんな。そもそもお前が自分が諦めるつもりがねーって風になってたから、ルークも園子もこんな感じに話をしてんだぞ。だからお前の考えについて言えよ・・・つーか今の話を聞いても今のまんまでいさせてくれだとか、俺達に協力してくれとかって言うか・・・そうしてほしいって思ってんだろ?俺達の言うことは分かるけど、その問題点だけ自分にとって都合よく改善してどうにかならねーかってな」
「ぅっ・・・!」
そんな状況に今度は小五郎が新一にどうなのかと険を滲ませた様子で話し掛けるのだが、その中身にたまらず声を詰まらせた。その新一にとって都合のいい予想は当たっていると分かる様子で。
「・・・そんなことなんて出来るわけねーだろ、二人とも。俺達は子ども達の事についてを引き合いに出したけど、新一からして都合が悪いからあの子達の方を引き剥がすことをするなんて勝手をしていいはずなんてないってのもそうだし・・・何よりあの子ども達がちょっと距離を離そうとした所で『江戸川コナン』に『灰原哀』から離れるとでも思うのか?少年探偵団としてって意味でもそうだし、単純に友達と遊ぼうって思う意味でもだ」
「うっ・・・!」
ルークはそんな二人に対して都合よくなど出来るはずがないし子ども達がどう行動するか・・・それらを告げると、新一は更に苦しいところを突かれたと表情を歪めるしかなかった。何も知らないからこそ子ども達が新一達が自分達から離れる事など認めないというか、下手に印象を良いままに保った状態では確実に二人と距離を取ろうとはしないのが新一にも理解出来た為に。
「・・・なぁ新一に蘭。お前達の気持ちは分からないとは言わない。けど今のままを俺達が協力するみたいなことを約束して続けた所で、もしもの事が俺達以外のあの子達に代表されるような人達に起きたら取り返しがつかない事にしかならないのは目に見えてる・・・だからいい加減諦めて新一は鈴木財閥に身を預けて、蘭は新一を見送ってやってくれ。あの子達の為ってのもそうだし、毛利さんの事とか今後このままが続いて同じような人を生み出すような事をしないようにだ」
「ま、待ってよルーク!歩美ちゃん達を巻き込んじゃいけないのは分かるし私じゃ不安かもしれないけど、それなら園子の所で新一を引き受けてルークが新一を守ってよ!そんなに強いんだからルークが守ればいいじゃない!」
「っ!」



‘バチンッ!’



「「「「っ!?」」」」
そして最後にまとめとばかりにルークがもう諦めるようにという話をしていくが、蘭が諦めきれないとばかりにこうするようにと要求を叫ぶが・・・そこで園子が表情を険しくして蘭の前に行き勢いよくビンタを叩き込んだ事に、叩かれた当人もだが周りの一同も驚きに目を丸くした。いきなりの園子の蘭に対して珍しい行動に。









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