焔に触れお嬢様の目は変わる

「・・・毛利さんも園子もそうだろうけど、新一の事情がそこまでだなんて俺は思っちゃいなかった。ただそういった事情までだったとか考えない内に今言ったことも併せて、俺達が考えて出した結論が何かを言わせてもらうなら・・・もうここから離れろって言うか、ここから園子が鈴木財閥の力で新一もそうだけど灰原も離れさせる事にするって物だ」
「なっ・・・!?」
「ど、どういうことよ園子!?鈴木財閥にそうさせるって!?」
そうしてそこで今までの話の流れを総括するようどう対応するつもりでいるのか・・・ルークから出てきたその言葉に新一がたまらず目を丸くする中、蘭は名前が出てきた園子になんでそんなことをとばかりの声を大きく上げた。
「・・・今ルークが言ったでしょ。蘭が敵わない相手の事だったり、子ども達の事についてだったりね・・・正直、私も肝を冷やしたわ。ペンションであんたが床に倒れて動けなくなってる様子を見て、蘭がこんなことになるなんてってね・・・」
「そ、園子・・・」
だがそんな園子が悲痛そうな表情で漏らしていった言葉に、蘭はたまらず気勢を削がれて名を漏らすしかなかった・・・ペンションで犯人相手に起きた事のあらましを聞いた園子達がそこに駆け付けてみれば、ルークと犯人の側には蘭が倒れていて園子が本気で心配して駆け寄って声をかけてきた事は蘭も覚えていて、とても自分に向けられるそれらについて茶々を入れられる筈もないという気持ちになって。
「・・・けど新一君や哀ちゃんの事がどんどん明らかになっていくにつれて、二人の事を放っておくのはとても勧められる事じゃないって調べた人達から言われたのよ。あまりにも二人は怪しすぎるし、それこそ裏社会に潜む誰かの仕業と言った可能性を考えたら速やかに二人の事をどうにかした方がいいってね」
「そ、それが二人をここから離すってことなの・・・二人の気持ちなんか考えずに・・・!?」
「二人のっていうか、新一君が離れたいだなんて言わないってのを分かってるから蘭はそう言ってるでしょ?けどその人達からしたらそれが穏便に進めるのにいいってこともそうだけど、私達が考えたこととしてはその黒づくめの男達の中に蘭より強い人がゴロゴロいる可能性だってあるっていうのを考えなきゃいけないんじゃないかってことよ」
「「っ!?」」
ただ続けられた言葉に関してを蘭は聞き捨てならないと怒りを浮かべかけるが、園子が出した可能性についてに新一も共に驚愕を露にした・・・蘭はまだしも、新一は蘭以上の実力者についてなど一切考えたことすらなかったというのが見て取れるよう。
「・・・あのねぇ・・・私も裏社会に詳しい訳じゃないから何とも言えないけど、蘭より強い人なんて結構いるのは知ってるでしょ?同じ空手で女の人でも蘭より強い人がいるのは大会で勝てなかったこともあるから蘭の方が良く知ってるでしょうし、男の人なら尚更に沢山いるでしょう・・・けどならそれで空手を使わないからとか格闘技の大会に出てないからってだけで、蘭より弱い人だけしか世の中にはいないなんて言えるはずもないでしょ?この前の犯人もそうだけど、何よりもルークを相手にしてあんたは勝てるって言える?」
「っ・・・正直、勝てる気なんてしないよ・・・今の新一に対しての動きだけで分かるもん・・・私より強いって・・・」
「そうでしょ?まぁルークがどれだけ強いのかについてはともかくとしても・・・その黒づくめの男達が蘭より弱い人達しかいないような奴らだなんて保証とかあるの?むしろそういった奴らだからこそ強いっていうのもそうだし、それに加えてとんでもない事を普通にしでかす可能性も考えるべきなんじゃないの?」



「・・・もしもの時に新一君や蘭が犠牲になるならまだ諦めはつくかもしれないけど、あの子達がそこにいたならその男達があの子達を人質に取るとか殺してくる・・・とかね」



「「っ!!!?」」
・・・だが更に園子から続けられた話の中で最悪の可能性について、子ども達が犠牲になったら・・・そう真剣な表情と声を受け、話に圧されていた蘭もだが新一もこの集まりで最大限の衝撃を受けてたまらず呆然として後退してしまった。それこそ今園子が言ったような事など一切考えていなかったのが丸わかりであり、その驚異を感じてしまった事に。









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