いつかを変えることの代償 終幕(前編)
「・・・生憎だけれど、私に工藤君の面倒を見るように言われてももう嫌よ。前はまだ共通の目的があったからいいけれど、少なくとも今の彼と共に行動もそうだけれどそんな風になることなんてあまり想像したくないわ」
「・・・中々にキツい言葉だが、あいつがオメーに対して何かしたのか?」
だがそこで志保がキッパリそれを嫌だと言い切った事に小五郎はどうしてそう考えたのかの理由についてを聞く。
「工藤君が私に何をしたとかの話ではないわ・・・こうして逆行してきたから、その上でこの場に工藤君がいないから言葉にするけれど・・・前は私は工藤君に惹かれていた時があったわ。結局それは妃さんと関係が壊れることなく進んだからその想いは成就することはなかったけど、今となって冷静に考えてみると分かったの・・・私にも吊り橋効果がかかっていた上で、更に様々な要素があったからそう思うようになったんだって」
「様々な要素・・・?」
志保は何かされた事についてを否定してから言いにくそうながらも自分の前の気持ちを明かした上で、今の冷静になった自分から見た前の自分が新一に惹かれた理由があると口にする。
「・・・私と工藤君は同じようにあの薬を飲んで小さくなってしまった立場で、組織を敵としていた身・・・阿笠博士もいたことはいたけれど、同じ立場って訳ではなかった。まぁそこはともかくとしても、彼と交流していく内に彼の前向きさに組織と対峙していって殺されることがないどころか、むしろ組織の核心にどんどんと近付いていく様子は私にとって希望であったり驚きであったりという物で、私一人ではけしてどうにも出来なかったであろうことを為し遂げていく姿に惹かれていった・・・けれどそれはあくまであのシチュエーションだったからだと思っているわ」
「それが吊り橋効果に様々な要素ってヤツか?」
「えぇ。いつ組織の人間に見付かって危険に晒されるか分からないと警戒していて時たま組織の人間と対峙すると言ったシチュエーションは、緊張感を保ち更に危険が時折襲いかかるあの状況は吊り橋効果を望むのなら最適な物だったわ。その上で様々な要素についてを簡単に挙げると、大きな秘密と目的の共有に自分以外にも似た立場の人間がいること・・・そしてそれが頼れる人物なら、特定の相手に強い思い入れがない人物なら相当に心を揺るがされると思うわ」
「成程・・・多分オメーは俺に分かりやすいような言葉で言ってくれてんだろうが、おかげで分かりやすかったぜ。話にあるような恋人になれるだろう要素がいっぱい詰め込まれてて、こいつらがくっつかねぇのがおかしいんじゃねぇのかって物ばっかだったからな」
志保は自分と新一の状況がいかな物かを説明した上でどういった要素があったのかについてを口にしていき、小五郎もその話に納得する。
「えぇ。でも工藤君は妃さんと想いを育んでいたし、さっき言ったような刺激が与えられる状況になっていった・・・だからこの結果は当然と言えば当然の物だったわ」
「・・・ん~・・・なんつーかちょっと言いにくいが、自分で言ってて恥ずかしくねぇか?新一に少なからずそういった考えを持ったことがあるみたいに話すのはよ・・・」
「・・・確かに恥ずかしさは全く無いとは言えないわ。でももう彼とそういったことになることはないし、彼への気持ちももう全く無くなっているから別にいいと思って話をしたのよ。工藤君関連でそういった話をされてもあまり気分も良くないから」
「・・・ま、吹っ切ってるんならいいか」
それでまとめと他人事のように話をしていく志保に小五郎は恥ずかしさについて聞くのだが、キッパリと・・・その上でこれ以上聞くなと力がこもっているといった言葉に、小五郎も追求を止めた。突っつき過ぎるのも良くないと嫌な予感を感じるように。
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「・・・中々にキツい言葉だが、あいつがオメーに対して何かしたのか?」
だがそこで志保がキッパリそれを嫌だと言い切った事に小五郎はどうしてそう考えたのかの理由についてを聞く。
「工藤君が私に何をしたとかの話ではないわ・・・こうして逆行してきたから、その上でこの場に工藤君がいないから言葉にするけれど・・・前は私は工藤君に惹かれていた時があったわ。結局それは妃さんと関係が壊れることなく進んだからその想いは成就することはなかったけど、今となって冷静に考えてみると分かったの・・・私にも吊り橋効果がかかっていた上で、更に様々な要素があったからそう思うようになったんだって」
「様々な要素・・・?」
志保は何かされた事についてを否定してから言いにくそうながらも自分の前の気持ちを明かした上で、今の冷静になった自分から見た前の自分が新一に惹かれた理由があると口にする。
「・・・私と工藤君は同じようにあの薬を飲んで小さくなってしまった立場で、組織を敵としていた身・・・阿笠博士もいたことはいたけれど、同じ立場って訳ではなかった。まぁそこはともかくとしても、彼と交流していく内に彼の前向きさに組織と対峙していって殺されることがないどころか、むしろ組織の核心にどんどんと近付いていく様子は私にとって希望であったり驚きであったりという物で、私一人ではけしてどうにも出来なかったであろうことを為し遂げていく姿に惹かれていった・・・けれどそれはあくまであのシチュエーションだったからだと思っているわ」
「それが吊り橋効果に様々な要素ってヤツか?」
「えぇ。いつ組織の人間に見付かって危険に晒されるか分からないと警戒していて時たま組織の人間と対峙すると言ったシチュエーションは、緊張感を保ち更に危険が時折襲いかかるあの状況は吊り橋効果を望むのなら最適な物だったわ。その上で様々な要素についてを簡単に挙げると、大きな秘密と目的の共有に自分以外にも似た立場の人間がいること・・・そしてそれが頼れる人物なら、特定の相手に強い思い入れがない人物なら相当に心を揺るがされると思うわ」
「成程・・・多分オメーは俺に分かりやすいような言葉で言ってくれてんだろうが、おかげで分かりやすかったぜ。話にあるような恋人になれるだろう要素がいっぱい詰め込まれてて、こいつらがくっつかねぇのがおかしいんじゃねぇのかって物ばっかだったからな」
志保は自分と新一の状況がいかな物かを説明した上でどういった要素があったのかについてを口にしていき、小五郎もその話に納得する。
「えぇ。でも工藤君は妃さんと想いを育んでいたし、さっき言ったような刺激が与えられる状況になっていった・・・だからこの結果は当然と言えば当然の物だったわ」
「・・・ん~・・・なんつーかちょっと言いにくいが、自分で言ってて恥ずかしくねぇか?新一に少なからずそういった考えを持ったことがあるみたいに話すのはよ・・・」
「・・・確かに恥ずかしさは全く無いとは言えないわ。でももう彼とそういったことになることはないし、彼への気持ちももう全く無くなっているから別にいいと思って話をしたのよ。工藤君関連でそういった話をされてもあまり気分も良くないから」
「・・・ま、吹っ切ってるんならいいか」
それでまとめと他人事のように話をしていく志保に小五郎は恥ずかしさについて聞くのだが、キッパリと・・・その上でこれ以上聞くなと力がこもっているといった言葉に、小五郎も追求を止めた。突っつき過ぎるのも良くないと嫌な予感を感じるように。
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