焔に触れお嬢様の目は変わる

「・・・なぁ新一。お前、自分がいなくなった後の俺の事とか考えてなかったよな?つーか考えてたらお前、俺をこんなに有名にしようだとかするはずねーよな?」
「そっ、それはその・・・た、確かに考えて・・・なかったよ・・・俺が元の体に戻れればおっちゃんはその、お役目御免で、元の生活に戻るだけだって思ってたから・・・」
「・・・はぁぁぁ・・・」
そんな蘭から新一に視線を向け疑問の言葉を向けつつも確信しているという響きで声を向ける小五郎に、視線を合わせることなく止まりつつ肯定を返す新一の姿に深くタメ息を吐いて目を閉じた。心底から溜め込んだ物を吐き出すよう。
「・・・今の話から新一は元の体に戻っなら、それで他の事も元の形じゃなくてもいい形になってめでたしめでたしなんて思ってたんだろうってのは分かった。けどもう毛利さんの事以外もそうじゃなくなってんだよ」
「えっ・・・ど、どういうことだよルーク・・・?」
そんな時にルークが自分の番だとばかりに話始めるが、その自身にとっての不穏な響きの言葉に聞きたくないといった様子ながら何をと視線を向ける。
「さっき言っただろ。そもそも最初は子ども達の親に注意をしたいから、連絡したいって事から始まった事だって・・・それで途中からお前や灰原の事があったから色々と脱線してはいったけど、他の子ども達に関しちゃ一般人の子どもでしかないって調べが出たから話をしに行くってなった・・・ただ、だ。前に聞いたお前が銃で撃たれた事件があったのに、それで子ども達が堪えた様子が一切ないってのを思い出してちょっと園子達と話し合ったんだよ。話をしに行ったとしても話に聞いていた感じからお前同様、似たような事が起きりゃそんなこと知ったことかって事件に首を突っ込むのを止めねーんじゃねーかとかってな」
「っ・・・それは・・・」
そこでルークが元々の目的から以前にあった事件からの様子で推測する言葉に、新一はたまらず気まずげに視線を背けた。






・・・灰原が一時的に元の体に戻れる薬を新一に最初に渡すことになった事件の前、新一はとある犯罪者集団の犯行の現場を子ども達と見付け・・・結果的に事件は解決したが、そこで新一は犯人グループの一人が持っていた拳銃で腹を撃たれて入院する羽目になった。

ただルークからして重要な点は入院する事になった部分ではなく、そこで拳銃で腹を撃たれた新一を見て接してきても子ども達がトラウマとまではいかなくても思うところなど無かったと言わんばかりの様子だったことだ。新一の見舞いに来てそれまで同様、屈託なく笑顔で接していたとという切り替えの早さも相まってである。






「否定出来ねーだろ?俺も話に聞いただけだが、その時お前は意識朦朧としながらも銃を撃った相手を捕まえられるとかって笑顔を浮かべたとかって話らしいけど・・・お前の行動が無かったら事件は解決しなかったし、子ども達の命も無かったとか言い訳を口には出来るだろう・・・けどそれで命の危機より事件の解決や犯人逮捕だなんて考えをあんな小さな子ども達にお前の体や態度で示してどうすんだ!あの子達はお前と違って特殊な事情も何にもない普通の子ども達なんだぞ!それでもしそんな考えに従ってお前がいない所で誰も助けられないような状況になってあの子達が死んだらお前はどうするってんだ!?お前はあの子達やその親族に対して俺のせいじゃないとか影響なんかないって心からそう思えるってのかよ!?」
「っ!!」
・・・最初はゆっくりと、そして唐突な激昂。
ルークは道理を持って語りかけていく中でハッキリと怒りで言葉を荒らげたことに、新一はビクリと体を大きく体を揺らして表情をひきつらせた。明らかに今の言葉を聞いて感じ入るところというか、新一からして考えたくはないがどうしても考えざるを得ない物をルークに叩きつけられたということに。









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