焔に触れお嬢様の目は変わる

「あ~、蘭に新一君・・・二人の空気になりそうなところに悪いけど、新一君にはどうしてそういった体になったかに哀ちゃんはどういった娘なのかを教えてもらいたいんだけど・・・」
「・・・それは・・・」
しかしすぐに園子が空気を変えようと話題を聞きたいことへと移すが、新一は話したくなさそうに視線を背ける。
「言いたくねーってんならもう連れていっていいぞ、園子。自分は新一だって認めたのはともかく、それで何でうちに入り込んだのかだとか優作さん達はこの事をちゃんと知ってるのかだとかも言えねーってんなら、こいつを信用なんか出来ねーしよ」
「お父さん・・・」
「蘭。何でだって言いたそうだが、これに関しちゃハッキリさせなきゃ俺が納得出来ねーんだよ・・・有希子ちゃんがこいつの事を知ってて誤魔化しにかかったってのは確実だろうが、それはつまり優作さんもそれを承知で俺らに何も言わずに黙ってるって事なんだからよ・・・!」
「「っ・・・!」」
その様子にすかさず小五郎が連れていけとためらいなく言う様に蘭が何でと言わんように声を漏らすが、怒りを我慢するように返した迫力のある目と声に新一共々息を呑んだ・・・今までの話からどう少なく見ても二人の関与は確定していて自分を騙してきたのは確信したからこそ、二人や新一に対して憤怒の気持ちが沸き上がっているのが分かる様に。
「・・・さぁどうする、新一?言えねーってんならもうここで話は終わりになって、連れてかれる事になるぞ」
「っ、分かった、話すよ・・・」
そしてルークが最後だというように静かに問いを向ければ、新一はようやく観念したように頷き話し出した・・・自分が小さくなった経緯から始まった自身の歩みについてを・・・





















・・・そうして新一はうなだれたようになりながら話していった。前に蘭と行ったトロピカルランドにて出会った事件の中の容疑者の中に怪しい黒づくめの男達がいて、その男達を追い掛けたら怪しい取引現場を目撃していた所に男の片方に見付かって殴られ・・・薬を飲まされたと思って気絶して、目が覚めたら体が小さくなっていたと。

その上で保護された交番から抜け出して工藤家に戻った時に隣の家から出てきた阿笠と鉢合わせし、それで来訪してきた蘭と話をしていく内に阿笠からの提案もあって・・・『江戸川コナン』という名の子どもとして小五郎の元に潜り込み、その黒づくめの男達を探すように動いていけばいいとなったと。

それでうまく小五郎の元にいれるようになった新一だが、体が小さくなった事についてを阿笠との電話から知った優作達は一度新一が大丈夫かを確認する意味で戻ってきた優作達の芝居を受け・・・自分は引かないと言ったことから、また有希子が『江戸川文代』へと変装して新一を受け入れてもらうようにと行動したということだった。

そしてそれでまだ話は終わらず灰原についてにならなんで時々新一は元の体に戻っていたのかという理由をルーク達が聞くと、まず灰原については要約すれば新一を小さくした男達が所属する組織のメンバーで薬を作った張本人だったが、組織に信用されなくなり後は殺されるだけの状況の時に自殺しようとして同じ薬を飲んだら体が小さくなり・・・組織の施設から抜け出してもしかして生きているかもしれない新一を探しに阿笠の元に来たとの事だった。

そしてそれで時々新一の体が元に戻っていたのは前に大阪から来た西の高校生探偵の服部が持ってきたパイカルという酒を飲んだ後、一時的に体が元に戻ったという事を聞いた灰原が一時的になら体を元に戻せる薬を作ったからそれで飲んで元の体に戻ったとのことだった。









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