焔に触れお嬢様の目は変わる

「・・・鈴木財閥ってのが日本でも有数な財閥だってのは蘭も知ってるだろうが、そんな財閥が抱えている人材ってのも豊富で優秀だってのは蘭も簡単に想像がつくだろ。だからそんな豊富で優秀な人材に嬢ちゃんは二人やその両親について連絡先やらも含めてをかなり探させたらしいが、結局戸籍やら何やら全く何にもない・・・存在しない人物なんだとハッキリしたらしいんだよ」
「う、嘘・・・ど、どうしてそんなこと・・・」
「・・・その辺りについちゃこいつに聞いても答えちゃくれねーだろうってルークが予想した事から、更に園子が退院するまでにこいつが誰なのかってのを出来る限り調べるようにするって言ったんだよ。それで財閥の人が色々調べてみた結果として・・・こいつは信じがたいが新一が何らかの原因で小さくなったもんだって可能性しかねーって結論に至ったんだとよ」
「「っ!?」」
小五郎は続けていかに鈴木財閥が『江戸川コナン』達について調べていったのかに、その正体は一体誰なのか・・・それは新一だと掴んだらしいと言うと、蘭もだが新一も驚きに大きく体を揺らした。二人の間で驚きの中身と質に違いはあれども同じように。
「・・・最初は私もこのガキンチョやあの娘がどこの誰とも分からないし、戸籍もないみたいな結果が出るなんて思ってなかったわ。それで調べてる人にはもうちょっと詳しく調べられないかって頼んだ後、このガキンチョが治療の為に眼鏡を外してる顔を見て思ったのよ・・・傷はついててもそれを除いたら昔の新一君に凄く似てるってね」
「そんな言葉を聞いた俺は新一の昔の写真だとかアルバムみたいなものは無いのかって園子に聞いて、二人で引っ張り出した昔の写真と比べて見てみると・・・マジで傷がある以外瓜二つでしかない顔がそこにあったんだよ。工藤新一と『江戸川コナン』、この二人は同一人物か双子なんじゃないかってくらいにな」
「「っ!」」
更に園子とルークがいかにして事実に辿り着いたのかの流れを話していき、蘭と新一はまた一層驚き息を呑んだ。
「それでだ・・・園子が他人の筈なのになんでこんなに似すぎてるのって言った時、その・・・発想が突拍子もないってのは承知してるけど『江戸川コナン』は新一の体が小さくなったか、クローン技術で新一の細胞を使って作られたクローン人間なのかもって俺は言ったんだよ・・・あんまりにも似すぎてるってことを考えると小さくなったってのより、クローン人間として作られた存在って考えた方がまだ今の科学的には考えられるんじゃないかってな・・・」
「そ、そんな・・・じ、じゃあコナン君は新一のクローン人間なの・・・!?」
「ち、違うよ蘭姉ちゃん!僕クローン人間なんかじゃないよ!」
だがそこで極めて言いにくそうに自身の推測の中でルークがクローンの可能性についてを挙げたことに、蘭が愕然としたように新一を見るが当人は慌てて否定を返す。






・・・ルークがクローンではないかと言い出したのは、クローン技術により生命が産み出されたといった前例があるから・・・というだけではないのだが、それでもクローンで産まれた生物がいるというニュースは幾度も放送されたのだ。

そう考えれば高校生の年齢の人の体が小学生低学年程度に小さくなるという前例も何もない現象が有り得ると考えるより、クローン技術で生まれた存在が『江戸川コナン』だという可能性を考えた方が現実的だというのは確かだった。









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