揺れぬ正義を持つ狼の目 後編
「フン、くだらん・・・俺から言わせれば銃に頼りすぎていることがそんな体たらくを生んでいるようなものだ」
「頼りすぎている?」
だが鼻で笑う斎藤の言葉に思わず安室は聞き返す。頼るとはどういうことかと。
「銃の利便性は認める上で、役に立たん物だとは言わん。そして効率的に人を殺すなり傷付けるであるのに役立つこともだが、素人が持って構えるだけでもある程度の驚異になる事も確かではある・・・だがその威力に頼りすぎれば驕りが生まれる。こちらには銃があるし、撃ち慣れている。だから先に引き金を引けば負けるなど有り得ないという驕りに油断がな」
「・・・言いたいことは分かりますが、だからと言って貴方の動きのすごさについての説明にはなってないと思いますが・・・」
「俺はインターポールとして身分を証明するために銃は一応所持はしているが、その銃が役割を果たしたことはほとんどない。この身一つで暴徒やら対象の確保をしてきたが、そういった時の相手は大抵俺が丸腰で向かってくるのを見れば自身の優位を疑わず口元に勝利を確信したという笑みを浮かべ引き金を引いてきた・・・まぁ誰もが誰も俺のように出来るようになるなどとは言わんが、銃を恐れた躊躇の瞬間が命の終わりの時だ。だからこそ俺は引き金を引くその挙動を見てその弾に当たらぬよう、そして迷わぬように動いただけ・・・お前の言うような動きはそうしている内に身に付いただけのことだ」
「・・・言うは易し、行うは難し・・・といったところですか。確かにそんな風に動ければとは思いますが、そんなことが誰にでも出来る筈も無いですね・・・」
銃に頼るとはいかなことか、そしてそれらにどう立ち向かってきたか・・・自身にとっては当然といったようにそれらを話していく斎藤に、信じられないものを見るような目を向けながらも納得するしかなかった。それこそ言葉だけなら簡単に言っているが、素人が持っても強力な武器の銃に対して怯み動きを止めることが一番命を失う可能性を高いのは確かであり・・・銃を前に避けるだけでもそうだが、距離を詰めて相手を制圧出来るならこれくらい出来るようになるのだろうと。
「ま、そもそもはあくまで俺が銃を使う気にならんからそうしているだけだ。今の話を参考にするかどうかになど興味はないが、そうしていざ死ぬとなったなら俺のせいにするなよ」
「そんなことしませんよ・・・」
「ならいい。他に何かあるか?」
「いえ、もう大丈夫ですが・・・一応というか今回の件でこちらとしては大いに助かりましたし、よい協力関係を結べたと思っています。その上でこちらとしては出来る限り自分達で対応していきたいとは思いますが、また日本で何か国際的な犯罪が絡んで手が必要な場合はそちらの手を借りるかもしれませんし、そちらが逆にそういった相手を追うのに日本での協力が欲しいというのであれば連絡をしてください。こちらも力になって動けるようには働き掛けますので」
「その時が来たらそうしよう・・・じゃあな、馳走になった」
そうして軽く会話を交わした後に斎藤が改めて何かあるかと聞き、安室が最後にとまた何かあったならといった時の事を微笑を浮かべながら口にしたことに簡潔に了承を返した後、斎藤は立ち上がって一言残して座敷を出ていった。背中に何とも言いがたそうな安室の視線を受けながら・・・
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「頼りすぎている?」
だが鼻で笑う斎藤の言葉に思わず安室は聞き返す。頼るとはどういうことかと。
「銃の利便性は認める上で、役に立たん物だとは言わん。そして効率的に人を殺すなり傷付けるであるのに役立つこともだが、素人が持って構えるだけでもある程度の驚異になる事も確かではある・・・だがその威力に頼りすぎれば驕りが生まれる。こちらには銃があるし、撃ち慣れている。だから先に引き金を引けば負けるなど有り得ないという驕りに油断がな」
「・・・言いたいことは分かりますが、だからと言って貴方の動きのすごさについての説明にはなってないと思いますが・・・」
「俺はインターポールとして身分を証明するために銃は一応所持はしているが、その銃が役割を果たしたことはほとんどない。この身一つで暴徒やら対象の確保をしてきたが、そういった時の相手は大抵俺が丸腰で向かってくるのを見れば自身の優位を疑わず口元に勝利を確信したという笑みを浮かべ引き金を引いてきた・・・まぁ誰もが誰も俺のように出来るようになるなどとは言わんが、銃を恐れた躊躇の瞬間が命の終わりの時だ。だからこそ俺は引き金を引くその挙動を見てその弾に当たらぬよう、そして迷わぬように動いただけ・・・お前の言うような動きはそうしている内に身に付いただけのことだ」
「・・・言うは易し、行うは難し・・・といったところですか。確かにそんな風に動ければとは思いますが、そんなことが誰にでも出来る筈も無いですね・・・」
銃に頼るとはいかなことか、そしてそれらにどう立ち向かってきたか・・・自身にとっては当然といったようにそれらを話していく斎藤に、信じられないものを見るような目を向けながらも納得するしかなかった。それこそ言葉だけなら簡単に言っているが、素人が持っても強力な武器の銃に対して怯み動きを止めることが一番命を失う可能性を高いのは確かであり・・・銃を前に避けるだけでもそうだが、距離を詰めて相手を制圧出来るならこれくらい出来るようになるのだろうと。
「ま、そもそもはあくまで俺が銃を使う気にならんからそうしているだけだ。今の話を参考にするかどうかになど興味はないが、そうしていざ死ぬとなったなら俺のせいにするなよ」
「そんなことしませんよ・・・」
「ならいい。他に何かあるか?」
「いえ、もう大丈夫ですが・・・一応というか今回の件でこちらとしては大いに助かりましたし、よい協力関係を結べたと思っています。その上でこちらとしては出来る限り自分達で対応していきたいとは思いますが、また日本で何か国際的な犯罪が絡んで手が必要な場合はそちらの手を借りるかもしれませんし、そちらが逆にそういった相手を追うのに日本での協力が欲しいというのであれば連絡をしてください。こちらも力になって動けるようには働き掛けますので」
「その時が来たらそうしよう・・・じゃあな、馳走になった」
そうして軽く会話を交わした後に斎藤が改めて何かあるかと聞き、安室が最後にとまた何かあったならといった時の事を微笑を浮かべながら口にしたことに簡潔に了承を返した後、斎藤は立ち上がって一言残して座敷を出ていった。背中に何とも言いがたそうな安室の視線を受けながら・・・
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