揺れぬ正義を持つ狼の目 後編
「ねぇ~・・・課題が片付かないのは分かるけど、ご飯くらい食べに行って買い物に行こうよ~・・・さっき冷蔵庫の中身とか見たけど、ほとんど食料残ってないから何も作りようがないし、私もいつでも来れる訳じゃないからある程度蓄えがないと困るのは新一だよ?」
「・・・分かった。じゃあ軽く飯食いに行った後、買い物に行くか」
「うん!」
蘭はそこで不満げに食事と買い物に行こうと理由はあるからと話し、新一が仕方無いというように立ち上がると喜色満面な笑顔を浮かべた。新一に構ってもらえたことや共に出掛けられる事を喜ぶよう。
・・・そうして二人は工藤家を出て出掛けるのだが、早く用事を終わらせたいと思っている新一に対して蘭はこの時間を大事にしたいとばかりに嬉しそうに話し掛けてくるため、ファミレスに行って食事をさっさと終えた新一に対して蘭は半分もいかない程度の所で止まったまま話し続ける形で時間を食うことになった。
しかしここで新一は話はもういいから行こうというような事は言えなかった。そんなことを言い出せば今は上機嫌だが、蘭からしたなら久し振りのデートのようなものが一気に台無しだと機嫌が悪くなって以降が面倒になると見たからだ。
「・・・ねぇ新一、コナン君には会えないの?」
「っ、どうしたんだよいきなり、コナンの話題なんか出して・・・?」
・・・そんな風にファミレスで機嫌よく話す蘭の話を聞いていた新一だが、唐突に出てきたコナンというかつての自身の偽りの存在の名に若干驚きつつ何故と返す。
「だって家庭の都合ですぐに戻ってもらわなきゃいけないっていうように言われた安室さんが来て荷物を持って行って、そんな事情の説明だけしてコナン君に会うことなく荷物を持ってかれるだけ持ってかれて哀ちゃんと一緒に転校していったんだよ?それに哀ちゃんもそうだし昴さんもいつの間にかあの家から引っ越したなんて阿笠博士から言われて、皆いきなりすぎないって思ったんだけど・・・コナン君なら親戚だって話だから、新一から話が通れば会えるんじゃないかなって思ったの」
「あ、あぁそういうことか・・・わりぃがコナンの所はいつも忙しそうにしてて、電話とかしても繋がらないか話すこともそんな出来ねーんだ。だから蘭が話してーって言ってたってくらいは伝えるようにはしとくよ」
「・・・分かったわよ・・・本当はコナン君に会いたかったんだけどなぁ・・・」
そんな蘭が口にしたのはコナンを含め交流していった人々がいきなりいなくなっていったことを寂しがるような物で、新一は気を取り直しつつ連絡はすると言うとかなり不満そうではあったが仕方無いといったように漏らす。
(・・・マジで言えるわけねーんだよ・・・俺の事もそうだけど、宮野達の事なんか・・・)
そんな蘭の姿を見ながら内心で新一は申し訳無さより、冷や汗をかくような気持ちが勝る考えを抱いていた。決してそれらを明かしてはいけないと・・・
・・・斎藤や安室達に連行された新一と赤井は、公安が秘密裏に所持するとある物件へと連れていかれた。表向きは何の変哲もないただのビルのようだが、後から入れられた時に分かることだがその一角から先にあった扉は外からしか鍵をかけることが出来ず、そこから先にあったいくつかの部屋の中だけを見るなら畳の敷かれた中で畳まれた布団が置かれていて、入口の横にはユニットバスの配置された普通の部屋と変わりない部屋があったが・・・そこも外からしか鍵をかけることの出来ない部屋であって、そこに入れられしばらくした新一はこう感じたものであった。まるで牢獄のようだ、と。
ただ最初の内はそんなことなど知ることもないままにその一角の前の部屋で赤井と二人でしばらく見張り付きの中で待機していた新一だが、そこに阿笠と灰原の二人が安室率いる公安に連れられて来たことでたまらずに表情を二人ともに変えた。
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「・・・分かった。じゃあ軽く飯食いに行った後、買い物に行くか」
「うん!」
蘭はそこで不満げに食事と買い物に行こうと理由はあるからと話し、新一が仕方無いというように立ち上がると喜色満面な笑顔を浮かべた。新一に構ってもらえたことや共に出掛けられる事を喜ぶよう。
・・・そうして二人は工藤家を出て出掛けるのだが、早く用事を終わらせたいと思っている新一に対して蘭はこの時間を大事にしたいとばかりに嬉しそうに話し掛けてくるため、ファミレスに行って食事をさっさと終えた新一に対して蘭は半分もいかない程度の所で止まったまま話し続ける形で時間を食うことになった。
しかしここで新一は話はもういいから行こうというような事は言えなかった。そんなことを言い出せば今は上機嫌だが、蘭からしたなら久し振りのデートのようなものが一気に台無しだと機嫌が悪くなって以降が面倒になると見たからだ。
「・・・ねぇ新一、コナン君には会えないの?」
「っ、どうしたんだよいきなり、コナンの話題なんか出して・・・?」
・・・そんな風にファミレスで機嫌よく話す蘭の話を聞いていた新一だが、唐突に出てきたコナンというかつての自身の偽りの存在の名に若干驚きつつ何故と返す。
「だって家庭の都合ですぐに戻ってもらわなきゃいけないっていうように言われた安室さんが来て荷物を持って行って、そんな事情の説明だけしてコナン君に会うことなく荷物を持ってかれるだけ持ってかれて哀ちゃんと一緒に転校していったんだよ?それに哀ちゃんもそうだし昴さんもいつの間にかあの家から引っ越したなんて阿笠博士から言われて、皆いきなりすぎないって思ったんだけど・・・コナン君なら親戚だって話だから、新一から話が通れば会えるんじゃないかなって思ったの」
「あ、あぁそういうことか・・・わりぃがコナンの所はいつも忙しそうにしてて、電話とかしても繋がらないか話すこともそんな出来ねーんだ。だから蘭が話してーって言ってたってくらいは伝えるようにはしとくよ」
「・・・分かったわよ・・・本当はコナン君に会いたかったんだけどなぁ・・・」
そんな蘭が口にしたのはコナンを含め交流していった人々がいきなりいなくなっていったことを寂しがるような物で、新一は気を取り直しつつ連絡はすると言うとかなり不満そうではあったが仕方無いといったように漏らす。
(・・・マジで言えるわけねーんだよ・・・俺の事もそうだけど、宮野達の事なんか・・・)
そんな蘭の姿を見ながら内心で新一は申し訳無さより、冷や汗をかくような気持ちが勝る考えを抱いていた。決してそれらを明かしてはいけないと・・・
・・・斎藤や安室達に連行された新一と赤井は、公安が秘密裏に所持するとある物件へと連れていかれた。表向きは何の変哲もないただのビルのようだが、後から入れられた時に分かることだがその一角から先にあった扉は外からしか鍵をかけることが出来ず、そこから先にあったいくつかの部屋の中だけを見るなら畳の敷かれた中で畳まれた布団が置かれていて、入口の横にはユニットバスの配置された普通の部屋と変わりない部屋があったが・・・そこも外からしか鍵をかけることの出来ない部屋であって、そこに入れられしばらくした新一はこう感じたものであった。まるで牢獄のようだ、と。
ただ最初の内はそんなことなど知ることもないままにその一角の前の部屋で赤井と二人でしばらく見張り付きの中で待機していた新一だが、そこに阿笠と灰原の二人が安室率いる公安に連れられて来たことでたまらずに表情を二人ともに変えた。
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