揺れぬ正義を持つ狼の目 前編
「・・・予想はしていたが、お前に自分が異常だといったような考えなどなかったようだな。まぁそれも当然だろう。でなければこれまでの話で出てきたような行動を取る方がおかしいといった考えになり、ここまで話したような事になどなっていなかっただろうからな」
「っ、だ、だからって異常者だなんて・・・」
「酷いとでも言い過ぎだとでも言うつもりか?だったら今までの行動が正常な物だと自信を持って言えるか?自分がやったことは間違ってないと、誰憚る事のないものだとだ」
「っ・・・!」
そこでまた呆れるような声を向ける斎藤に批難を含めた目と声を向ける新一だが、更に返された言葉にすぐさま言葉を詰まらせた。今までの話の流れもあって、自分のやったこと全てが正しいのだというような事など言えないとなり。
「ま、その辺りに関しては自由になれん生活の中で考えてみるんだな。そろそろ時間だろうからな」
「えぇ・・・後始末は僕達公安が行いますので、心置き無く連行されてくださいね。特に『沖矢昴』の存在に関してはちゃんと僕から誤魔化してあげますから」
「「っ・・・!」」
だがもうここで時間切れで終わりとする流れを斎藤は口にするが、話を継いだ安室はしてやったりとばかりのいい笑みを赤井に向けて話をしていき、たまらず赤井と新一は苦い顔を浮かべるしかなかった。本当に話す時間はもうこれで終わりなのだと。
・・・それで程無くして安室の配下の公安達が工藤邸に入ってきて、流れるように赤井と新一の二人を拘束して連れていった。赤井は最初から拘束されていた為にどうしようもなかったが、新一も複数の公安を相手に逃げることも抵抗も出来ずにあっさりと捕まえられる形でだ。
「・・・さて、これで後は隣の家の阿笠博士と灰原さんを連行して彼らの行動についての後始末をしていけば完璧ですね・・・まずはありがとうございました。貴方のおかげでこちらとしてもうまく行きました」
「気にするな。仕事であったこともそうだが、インターポールとしても奴らの行動は目障りだったからだ。礼を言われるような事ではない」
・・・そうして二人だけが残った場にて、安室は軽く礼を述べるが斎藤は大したことないというように軽く目を閉じながら返す。
「そう言っていただけるなら必要以上にしつこくは言いませんが・・・赤井以外のFBIはまた日本に来ると思いますか?組織を壊滅させる為という名目で」
「十中八九有り得んだろう。赤井が死体を利用しての死亡の偽装を行った件に関しては、完全に奴らの中で闇に葬られていた上で赤井が人知れず日本を出国していたなら話は別だっただろうが、事が日本の警察機関の一つである公安から証拠も含めた上で出されて抗議をされたとなれば・・・それでも奴らがもう一度公安に対して平然とした顔で組織を追うために戻ってくるなど、そうそう出来んだろう。赤井の身柄についてを拘束していることもありな」
「奴の存在がFBIにとってアキレス腱になるということですか」
「同時に今頃は空港にいるだろう赤井の仲間達は赤井を見捨てようとしないだろうが、FBIの上層部が赤井を助けるような考えになるだろうとは思えん。むしろそんな事を仕出かした赤井も仲間もろともどうにかしたいだろうが、FBIとしても身内同士で事を荒立てたくはないだろう。だからこそ動くなら赤井とその仲間の件を完全に解決した上で、尚且つ公安にインターポールに頭が上がらないのを承知で動くと決めた時くらいだろうな」
「となればそうそうFBIは日本に再び、とはならなそうですね。そういったゴタゴタは長く続くのが常道ですし、二度目があったなら目も当てられないという気持ちをFBIの上層部は抱くでしょうからね」
そんな斎藤に気を悪くした様子もなくFBIについてを安室が聞くと、まずすんなりとはいかないと言い切る様子に納得していく。FBIはもう一度日本には来ない可能性が高いということに。
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「っ、だ、だからって異常者だなんて・・・」
「酷いとでも言い過ぎだとでも言うつもりか?だったら今までの行動が正常な物だと自信を持って言えるか?自分がやったことは間違ってないと、誰憚る事のないものだとだ」
「っ・・・!」
そこでまた呆れるような声を向ける斎藤に批難を含めた目と声を向ける新一だが、更に返された言葉にすぐさま言葉を詰まらせた。今までの話の流れもあって、自分のやったこと全てが正しいのだというような事など言えないとなり。
「ま、その辺りに関しては自由になれん生活の中で考えてみるんだな。そろそろ時間だろうからな」
「えぇ・・・後始末は僕達公安が行いますので、心置き無く連行されてくださいね。特に『沖矢昴』の存在に関してはちゃんと僕から誤魔化してあげますから」
「「っ・・・!」」
だがもうここで時間切れで終わりとする流れを斎藤は口にするが、話を継いだ安室はしてやったりとばかりのいい笑みを赤井に向けて話をしていき、たまらず赤井と新一は苦い顔を浮かべるしかなかった。本当に話す時間はもうこれで終わりなのだと。
・・・それで程無くして安室の配下の公安達が工藤邸に入ってきて、流れるように赤井と新一の二人を拘束して連れていった。赤井は最初から拘束されていた為にどうしようもなかったが、新一も複数の公安を相手に逃げることも抵抗も出来ずにあっさりと捕まえられる形でだ。
「・・・さて、これで後は隣の家の阿笠博士と灰原さんを連行して彼らの行動についての後始末をしていけば完璧ですね・・・まずはありがとうございました。貴方のおかげでこちらとしてもうまく行きました」
「気にするな。仕事であったこともそうだが、インターポールとしても奴らの行動は目障りだったからだ。礼を言われるような事ではない」
・・・そうして二人だけが残った場にて、安室は軽く礼を述べるが斎藤は大したことないというように軽く目を閉じながら返す。
「そう言っていただけるなら必要以上にしつこくは言いませんが・・・赤井以外のFBIはまた日本に来ると思いますか?組織を壊滅させる為という名目で」
「十中八九有り得んだろう。赤井が死体を利用しての死亡の偽装を行った件に関しては、完全に奴らの中で闇に葬られていた上で赤井が人知れず日本を出国していたなら話は別だっただろうが、事が日本の警察機関の一つである公安から証拠も含めた上で出されて抗議をされたとなれば・・・それでも奴らがもう一度公安に対して平然とした顔で組織を追うために戻ってくるなど、そうそう出来んだろう。赤井の身柄についてを拘束していることもありな」
「奴の存在がFBIにとってアキレス腱になるということですか」
「同時に今頃は空港にいるだろう赤井の仲間達は赤井を見捨てようとしないだろうが、FBIの上層部が赤井を助けるような考えになるだろうとは思えん。むしろそんな事を仕出かした赤井も仲間もろともどうにかしたいだろうが、FBIとしても身内同士で事を荒立てたくはないだろう。だからこそ動くなら赤井とその仲間の件を完全に解決した上で、尚且つ公安にインターポールに頭が上がらないのを承知で動くと決めた時くらいだろうな」
「となればそうそうFBIは日本に再び、とはならなそうですね。そういったゴタゴタは長く続くのが常道ですし、二度目があったなら目も当てられないという気持ちをFBIの上層部は抱くでしょうからね」
そんな斎藤に気を悪くした様子もなくFBIについてを安室が聞くと、まずすんなりとはいかないと言い切る様子に納得していく。FBIはもう一度日本には来ない可能性が高いということに。
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