揺れぬ正義を持つ狼の目 前編

「・・・お前、自分が俺達にとって信用に値するような人物だとでも思っているのか?故あれば人を騙して利用し、自分の都合の為に誰の庇護下にも入らず好き勝手に動くような奴がだ」
「そ、それは・・・」
「ハッキリ言うが、俺はお前の事など信用出来ん。というよりお前も俺達の事など今回の件から信用などせず、俺達を出し抜いて動こうとするのは目に見えている。こんなことを自分にしてくれた俺達に信用など置けるはずがないとな・・・違うか?」
「そ、それは・・・その・・・」
「嘘でも取り繕うこともそうするとも言えん辺り、そうだと認めているような物だ。というよりお前がそこで諦めるような考え方をしていないというのはよく理解している・・・そんなお前を自由になどするわけがない上、協力者と言う立場に置くなど俺達からすればもっての他だから笑ったんだ」
「っ!」
冷ややかでいて全く取りつくしまもないというよういかに新一が信用ならないか・・・自身の考えを述べていく斎藤に、新一は返す言葉などなく声を詰まらせるしかなかった。言ってしまえば斎藤の言葉には外れなど一つたりとて無かったために。
「・・・というわけだ。俺達からすればお前など信用出来ん理由は今言った通りだが・・・もうそろそろ安室の部下の公安がここに来る頃合いだ。そいつらが来る前に最後にもう一つお前に言わせてもらおう」
「っ・・・な、何を言うっていうんですか・・・!?」
そんな反応に対して感じた様子など見せぬまま時間がと言うと共に最後と口にした斎藤に、もう聞きたくないとばかりに新一は恐々としたように声を漏らす。
「正確には言うと言うより聞きたいことだが・・・お前、自分が異状だという自覚はないのか?」
「え・・・い、異状・・・?」
だが斎藤が口にしたのは異状の自覚という言葉で、たまらず新一はきょとんとしながら繰り返した。そんな言葉が自身に出てくるとは思っていなかったというよう。
「今までの話の中身を総合して、お前は自分がやったことを普通の事だと認識・・・していたんだろう。しかしそれが法に抵触であるとか本来なら望まれないことだということは色々と言ってきたわけだが、それを今の今までお前は全くそうだと認識していなかった。本当はこうあるべきというよう俺達から言われてようやく理解したといった様子だが・・・お前の知識量が常人より遥かに高いのは知っている上、悪人と呼べるような性質ではないということは理解している。しかしだ」



「法に抵触であるとか望まれない事にその他諸々を含めて様々な事をやっているのに、自分の為の行動だけは認められるというか他の犯罪者がやったようなことをやっていることを完全に当然の事としているから、俺はお前の事を異常者だと見ている。自分だけは探偵だからとでも思っているからか、そんなことを気にした素振りも一切ないその姿からだ」



「なっ!?」
・・・続けてそこで斎藤が口にしたいかに新一が異常に思えたかの考えに、新一は絶句せざるを得なかった。今までの行動は探偵だから許されると考えてないどころか、それが当然だと考えて疑ってもない部分にあると言われ。










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