揺れぬ正義を持つ狼の目 前編
「お前からすればそんな子どもの姿など望んでなった訳ではないという気持ちにしかなってないだろうが、年若くありたいと思う者など一般人かどうかなど関係無く何処にでも存在する物だ。ただお前のようにそこまで若くなりたいとまでは思わんかもしれんが、それでも歳を取った老齢の体が一気に若返るとなればその薬を求める輩は確実に後は絶たなくなるだろう・・・いくら出してもいいからその薬が欲しいし、作成者を捕らえて無理矢理に薬を作らせてもいいというようにな」
「っ!」
「大袈裟と否定したいかもしれんが、発展の可能性までもを見越して作成者を捕らえにかかる事は十分に有り得る。今のお前までの体には戻りたくないが十代後半に二十代くらいなら戻りたいと思うからこそ、そこまでの効果を出すために誰とも知らぬ他人を人体実験に使ってでもそれくらい若返る効果を持つ薬を作らせたい・・・とな」
「「・・・っ!」」
斎藤がいかにその薬もだが更にその効果の改善を求める為に求める者達が動きかねないのか・・・そう話す中身に新一だけでなく、赤井もまた息を呑むしかなかった。何故ならその薬を作ったのは二人にとって縁近い人間であり、隣の家に住んでいるからだ。
「衝撃を受けているようだが当然お前もその薬を飲んだことによる好奇の目を向けられることとなり、組織以外の裏社会の者達に実験動物と言った視点で狙われることになりかねん可能性も有り得るだろう。そこに加えてベルモットもそうだがピスコも組織の一員であったことを考えれば、それらを明かした場合にどれだけ社会が混乱するか・・・それらを考えるならばこそ組織に関しての事実を知る者を極力減らしたいということからマスコミに情報を発表するなどとても望まれる問題ではない上で、毛利小五郎に謝りたいから話をしたい・・・というのも望まれないというわけだ。情報を漏らさないという観点から見たなら、お前から話を聞いた毛利小五郎が納得が出来ないからと話を世間にぶちまける可能性はないと言い切れないことからな」
「そ、そんな・・・」
「というよりそもそもお前は最初からその体の事や組織の事を全て決着がついたなら白日の元にしようとでも考えていたのだろうが・・・俺に安室達もそうだが、赤井達もそんな事など出来るはずもないと考えていたことなど全く考えが及んでいなかったようだな」
「っ!?・・・そうなのか、赤井さん・・・?」
そんな薬関係もだが他の事柄がどれだけ明かされたらまずいことになるか・・・そう話す斎藤に絶望しかけた新一だが、そもそもの意志疎通も出来ていないだろうと告げられた話を受け信じられないというように倒れたままの赤井に視線を向ける。
「・・・彼の言ったことは事実だ。俺達は組織を壊滅させたとしても、それらを公表するつもりなどなかった」
「そんなっ・・・!?」
「理由としては今彼が言ったような話もあるが、俺達の捜査についてを表沙汰に出来んからだ・・・特に先程の話に出てきた俺の死亡偽装の死体の件に関してを明かしたなら、確実に俺達もそうだがボウヤも批難の声を向けられるだろう。特にボウヤはそんなことを明かしたなら・・・人の命がかかっていたとしても、正義の探偵として名を売っていたボウヤが死体を使った事実から、確実にボウヤを責める者は現れるだろう。そんなこと犯罪者を捕まえるためだからとはいえ・・・いや、正義の探偵だからこそそんな自分は別だなんて考えは許されるはずがないと言われる形でな」
「っ!!」
だが赤井が返した答えは新一にとっては無情極まりない物であったと共に、いかにそれらを明かした場合の批難が向けられるのか・・・そう聞かされた新一は衝撃に愕然とした表情を浮かばせるしかなかった。下手にあがけばあがくほどドツボにハマって、自分の評価が底辺にまで下降するのが目に浮かぶ話に。
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「っ!」
「大袈裟と否定したいかもしれんが、発展の可能性までもを見越して作成者を捕らえにかかる事は十分に有り得る。今のお前までの体には戻りたくないが十代後半に二十代くらいなら戻りたいと思うからこそ、そこまでの効果を出すために誰とも知らぬ他人を人体実験に使ってでもそれくらい若返る効果を持つ薬を作らせたい・・・とな」
「「・・・っ!」」
斎藤がいかにその薬もだが更にその効果の改善を求める為に求める者達が動きかねないのか・・・そう話す中身に新一だけでなく、赤井もまた息を呑むしかなかった。何故ならその薬を作ったのは二人にとって縁近い人間であり、隣の家に住んでいるからだ。
「衝撃を受けているようだが当然お前もその薬を飲んだことによる好奇の目を向けられることとなり、組織以外の裏社会の者達に実験動物と言った視点で狙われることになりかねん可能性も有り得るだろう。そこに加えてベルモットもそうだがピスコも組織の一員であったことを考えれば、それらを明かした場合にどれだけ社会が混乱するか・・・それらを考えるならばこそ組織に関しての事実を知る者を極力減らしたいということからマスコミに情報を発表するなどとても望まれる問題ではない上で、毛利小五郎に謝りたいから話をしたい・・・というのも望まれないというわけだ。情報を漏らさないという観点から見たなら、お前から話を聞いた毛利小五郎が納得が出来ないからと話を世間にぶちまける可能性はないと言い切れないことからな」
「そ、そんな・・・」
「というよりそもそもお前は最初からその体の事や組織の事を全て決着がついたなら白日の元にしようとでも考えていたのだろうが・・・俺に安室達もそうだが、赤井達もそんな事など出来るはずもないと考えていたことなど全く考えが及んでいなかったようだな」
「っ!?・・・そうなのか、赤井さん・・・?」
そんな薬関係もだが他の事柄がどれだけ明かされたらまずいことになるか・・・そう話す斎藤に絶望しかけた新一だが、そもそもの意志疎通も出来ていないだろうと告げられた話を受け信じられないというように倒れたままの赤井に視線を向ける。
「・・・彼の言ったことは事実だ。俺達は組織を壊滅させたとしても、それらを公表するつもりなどなかった」
「そんなっ・・・!?」
「理由としては今彼が言ったような話もあるが、俺達の捜査についてを表沙汰に出来んからだ・・・特に先程の話に出てきた俺の死亡偽装の死体の件に関してを明かしたなら、確実に俺達もそうだがボウヤも批難の声を向けられるだろう。特にボウヤはそんなことを明かしたなら・・・人の命がかかっていたとしても、正義の探偵として名を売っていたボウヤが死体を使った事実から、確実にボウヤを責める者は現れるだろう。そんなこと犯罪者を捕まえるためだからとはいえ・・・いや、正義の探偵だからこそそんな自分は別だなんて考えは許されるはずがないと言われる形でな」
「っ!!」
だが赤井が返した答えは新一にとっては無情極まりない物であったと共に、いかにそれらを明かした場合の批難が向けられるのか・・・そう聞かされた新一は衝撃に愕然とした表情を浮かばせるしかなかった。下手にあがけばあがくほどドツボにハマって、自分の評価が底辺にまで下降するのが目に浮かぶ話に。
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