揺れぬ正義を持つ狼の目 前編
「疑問に思っている様子だから教えてやるが俺がそう見たのは工藤新一、主にお前の動きからだ」
「お、俺・・・!?」
だがそこで指を指して見下ろすように声を向ける斎藤に、新一は何故と驚きに満ちた表情を浮かべる。
「意外そうな顔をしているが、お前が『江戸川コナン』として活動してからどれくらい経ったか・・・それを考えてみれば分かることだが、時間にして言えば数ヶ月は経っているがお前は今もそのまま活動している。その体の事を考えれば普通なら何処かの機関に庇護を求めるのが妥当なところだが、お前はそうせずずっと毛利小五郎の元で活動していった・・・その事からこちらはお前は組織に対する復讐の為、自分の手で奴らを捕まえるというワガママを通そうとしていると見た」
「ワ、ワガママだと・・・俺はあいつらを自分の手で捕まえたいだけだ!それをワガママなんて言うのかよ!?」
「毛利小五郎やその娘に事実を伝えず、そこに転がり込んで黙り続けたままでいる・・・その理由も自分がこうしたいから都合がいいというものだが、それがワガママと言わずに何と言う?百歩譲ってそうは言わんにしても、自分がこうしたいというだけで周りがお前の事を知っているか知らずかも問わずに巻き込むクソガキの駄々以下の行動だ」
「なっ・・・!?」
だが斎藤が新一の行動を挙げていくのをワガママと評された事に怒りの声を上げるが、それならクソガキの駄々以下と返すと絶句してしまった。
「そして赤井秀一・・・お前達がどれだけこいつの事を聞いていたかは知らんが、そんなこいつの事を保護でもなく対等というか協力関係といったような物にしていた理由は大方想像はつく。こいつの推理力をあてにして、ということからだろう・・・だがいつこいつの事を知ったかは知らんが、どう少なく見ても『沖矢昴』としてこの家に住むことになった時には確実に知っていただろう。それを踏まえて聞くが、お前はこいつの保護についてを欠片でも考えなかったのか?」
「・・・それは・・・」
「成程、どうやら欠片も考えてはいなかったようだな。そしてその理由は今言ったようにこいつが使えると思ったからだろうが、それはお前らから言わせれば利害の一致といった所なんだろう・・・しかし俺から言わせればこいつは今言った通りだが、お前らに関してはこいつをFBIとしても大人としても保護だけでなくとも諌めるような言葉すらかけることもなかった・・・ロクデナシ共だ」
「っ!?」
それで続けて赤井に視線を向けて話をしていく斎藤に、何とか立ち上がれずとも顔だけは向けた赤井は言葉を濁したが・・・続いたロクデナシと評した言葉にハッキリと珍しく、表情を愕然とした物へと変えてしまった。
「そうだろう?いかに元が工藤新一だったとは言え、今の体は小学生低学年程度の物だ。だがこいつにそんな言葉をかけることもなかったお前達が、自分達はまともな奴らだと自信を持って言えるとでも言うのか?」
「っ・・・くっ・・・」
「・・・すごいですね。癪になるくらいに余裕面を崩すことがなかった赤井がこんな風に言葉を詰まらせ、顔を歪ませるなんて・・・」
「フン・・・正論を返せるような正論が無かったのが悪い。それだけだ」
そうして蔑むようにしながら問い掛けの言葉を向けると赤井はたまらず声を詰まらせ苦い顔を浮かばせ、安室が軽い驚きを見せるが斎藤は大したことないと興味なさそうに漏らす。
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「お、俺・・・!?」
だがそこで指を指して見下ろすように声を向ける斎藤に、新一は何故と驚きに満ちた表情を浮かべる。
「意外そうな顔をしているが、お前が『江戸川コナン』として活動してからどれくらい経ったか・・・それを考えてみれば分かることだが、時間にして言えば数ヶ月は経っているがお前は今もそのまま活動している。その体の事を考えれば普通なら何処かの機関に庇護を求めるのが妥当なところだが、お前はそうせずずっと毛利小五郎の元で活動していった・・・その事からこちらはお前は組織に対する復讐の為、自分の手で奴らを捕まえるというワガママを通そうとしていると見た」
「ワ、ワガママだと・・・俺はあいつらを自分の手で捕まえたいだけだ!それをワガママなんて言うのかよ!?」
「毛利小五郎やその娘に事実を伝えず、そこに転がり込んで黙り続けたままでいる・・・その理由も自分がこうしたいから都合がいいというものだが、それがワガママと言わずに何と言う?百歩譲ってそうは言わんにしても、自分がこうしたいというだけで周りがお前の事を知っているか知らずかも問わずに巻き込むクソガキの駄々以下の行動だ」
「なっ・・・!?」
だが斎藤が新一の行動を挙げていくのをワガママと評された事に怒りの声を上げるが、それならクソガキの駄々以下と返すと絶句してしまった。
「そして赤井秀一・・・お前達がどれだけこいつの事を聞いていたかは知らんが、そんなこいつの事を保護でもなく対等というか協力関係といったような物にしていた理由は大方想像はつく。こいつの推理力をあてにして、ということからだろう・・・だがいつこいつの事を知ったかは知らんが、どう少なく見ても『沖矢昴』としてこの家に住むことになった時には確実に知っていただろう。それを踏まえて聞くが、お前はこいつの保護についてを欠片でも考えなかったのか?」
「・・・それは・・・」
「成程、どうやら欠片も考えてはいなかったようだな。そしてその理由は今言ったようにこいつが使えると思ったからだろうが、それはお前らから言わせれば利害の一致といった所なんだろう・・・しかし俺から言わせればこいつは今言った通りだが、お前らに関してはこいつをFBIとしても大人としても保護だけでなくとも諌めるような言葉すらかけることもなかった・・・ロクデナシ共だ」
「っ!?」
それで続けて赤井に視線を向けて話をしていく斎藤に、何とか立ち上がれずとも顔だけは向けた赤井は言葉を濁したが・・・続いたロクデナシと評した言葉にハッキリと珍しく、表情を愕然とした物へと変えてしまった。
「そうだろう?いかに元が工藤新一だったとは言え、今の体は小学生低学年程度の物だ。だがこいつにそんな言葉をかけることもなかったお前達が、自分達はまともな奴らだと自信を持って言えるとでも言うのか?」
「っ・・・くっ・・・」
「・・・すごいですね。癪になるくらいに余裕面を崩すことがなかった赤井がこんな風に言葉を詰まらせ、顔を歪ませるなんて・・・」
「フン・・・正論を返せるような正論が無かったのが悪い。それだけだ」
そうして蔑むようにしながら問い掛けの言葉を向けると赤井はたまらず声を詰まらせ苦い顔を浮かばせ、安室が軽い驚きを見せるが斎藤は大したことないと興味なさそうに漏らす。
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