いつかを変えることの代償 終幕(前編)
「あら?以前の鈴木さんとはあまり交流はなかったのかしら?そうは思えなかったけれど・・・」
「蘭が結婚した後の頃にはもう俺は園子と顔を合わせることは無くなっちまってたんだよ。元々園子は蘭が目的で事務所に来てて、俺個人に用なんざほとんどなかったし俺も園子に連絡やら用なんざ無かったからな・・・んなもんだから園子がどういった人物になったかなんか、俺はそれ以降は知らねぇんだよ」
「そうね~。おじ様とは蘭の結婚式以降は本当に会っていなかったし・・・ま、今の私だから言えるけれどおじ様がおば様と離婚したことに蘭達の事で必要以上の事を言わなかったこと・・・そして今回はおば様と結婚すらせずに米花町を離れたのは間違いじゃなかったと思うわ」
「・・・何・・・?」
宮野は小五郎の反応に疑問をぶつけて以前の園子との関係が途切れていたからこそ何も知らなかったと返すのだが、その園子が同意しつつ小五郎の判断が間違いではないと平然と口にしたことに眉を寄せる。また以前の園子らしくないこともそうだが、その中身が小五郎の擁護という蘭の友達側の意見ではないことに。
「以前のおじ様はおば様と離婚して以降のおば様達の事がどうだったのかリアルな所は知らなかったでしょうけど、酷かったのよ?特に蘭が離婚して以降は蘭もそうだけど、おば様まで揃ったらそれはそれは酷かったわ。おじ様や新一君に対しての文句に罵詈雑言の嵐が山程会うたび会うたび出てきてね」
「っ・・・あいつら、そんなことお前に言ってたってのか・・・?」
「蘭達からしたら軽い愚痴だったり自分の言うことを掬い上げて謝ってきてくれれば元の鞘に戻るみたいな感じで、半ば新一君やおじ様に対する未練混じりに言ってたんでしょうけど・・・毎度毎度連絡してきてはその話題を一度や二度は最低でも絡めてくるのよ?それが蘭だけならまだしもおば様までも時たま連れてこられてその手の話題ばかり・・・いくら蘭におば様の事を好きだって思ってた私でも、正直その時の事を思い出すのは嫌で嫌で仕方無かったわ。だから基本的に蘭からの連絡に関しては財閥の仕事が忙しいからで断って十回に一度付き合うくらいで、それも会ったり電話で話すにしてもその流れにならないようにって強制的に話をシャットアウト出来るような準備をいつでもしてたの。誰かに呼び出されたように振る舞うだとかして、話の流れを強引に断ち切るようにね」
「・・・何かわりぃ、そんなことさせちまって・・・」
そこから園子が口にしてきたのは蘭と英理の元旦那達への未練がましい行動による被害の数々と対策で、小五郎は申し訳無い気分を抱いてシュンとなり頭を下げる。元旦那として、元嫁と子どもの迷惑行動による被害を受けさせたことに。
「いいのよ、おじ様は別に悪くないから。それに言ったでしょ?確かに蘭達には色々面倒はかけられたのは否定しないけど、おじ様がおば様と離婚したのは間違いじゃなかったって」
「・・・何で、そう思うんだ?」
「今だから言えるけれど・・・おじ様が離婚してなかったら、蘭達は別居はしても離婚までは選択しなかったでしょうし周りに連絡しまくってたのが想像がつくからよ。蘭の気持ちとしてはお父さん達は離婚してないのに私達が離婚するのはみっともない、でもこの不満は誰かにぶつけたい、なら園子や和葉ちゃんだとかに連絡して聞いてもらおう・・・そんな流れで離婚しないまでもそんな不安定な状態でのフラストレーションをすぐにいっぱい貯めて、回数が増えて周期が短くなる形で周りの誰かにすぐにぶつけてた姿が目に浮かぶのよ。その点でおじ様がきっちりした形で離婚を選んだことがまだ回数や周期が減ったことに繋がったと私は思ってるわ」
「・・・誉められてる気が一切しねぇ上に全く喜べねぇ・・・」
ただ園子が気にしないでいいと言いはしたのだが、その中身に一層小五郎は心が凹むのを実感する。離婚が正しい選択と言われ、それでも園子の迷惑になる回数が減った程度という微妙な結果な為に。
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「蘭が結婚した後の頃にはもう俺は園子と顔を合わせることは無くなっちまってたんだよ。元々園子は蘭が目的で事務所に来てて、俺個人に用なんざほとんどなかったし俺も園子に連絡やら用なんざ無かったからな・・・んなもんだから園子がどういった人物になったかなんか、俺はそれ以降は知らねぇんだよ」
「そうね~。おじ様とは蘭の結婚式以降は本当に会っていなかったし・・・ま、今の私だから言えるけれどおじ様がおば様と離婚したことに蘭達の事で必要以上の事を言わなかったこと・・・そして今回はおば様と結婚すらせずに米花町を離れたのは間違いじゃなかったと思うわ」
「・・・何・・・?」
宮野は小五郎の反応に疑問をぶつけて以前の園子との関係が途切れていたからこそ何も知らなかったと返すのだが、その園子が同意しつつ小五郎の判断が間違いではないと平然と口にしたことに眉を寄せる。また以前の園子らしくないこともそうだが、その中身が小五郎の擁護という蘭の友達側の意見ではないことに。
「以前のおじ様はおば様と離婚して以降のおば様達の事がどうだったのかリアルな所は知らなかったでしょうけど、酷かったのよ?特に蘭が離婚して以降は蘭もそうだけど、おば様まで揃ったらそれはそれは酷かったわ。おじ様や新一君に対しての文句に罵詈雑言の嵐が山程会うたび会うたび出てきてね」
「っ・・・あいつら、そんなことお前に言ってたってのか・・・?」
「蘭達からしたら軽い愚痴だったり自分の言うことを掬い上げて謝ってきてくれれば元の鞘に戻るみたいな感じで、半ば新一君やおじ様に対する未練混じりに言ってたんでしょうけど・・・毎度毎度連絡してきてはその話題を一度や二度は最低でも絡めてくるのよ?それが蘭だけならまだしもおば様までも時たま連れてこられてその手の話題ばかり・・・いくら蘭におば様の事を好きだって思ってた私でも、正直その時の事を思い出すのは嫌で嫌で仕方無かったわ。だから基本的に蘭からの連絡に関しては財閥の仕事が忙しいからで断って十回に一度付き合うくらいで、それも会ったり電話で話すにしてもその流れにならないようにって強制的に話をシャットアウト出来るような準備をいつでもしてたの。誰かに呼び出されたように振る舞うだとかして、話の流れを強引に断ち切るようにね」
「・・・何かわりぃ、そんなことさせちまって・・・」
そこから園子が口にしてきたのは蘭と英理の元旦那達への未練がましい行動による被害の数々と対策で、小五郎は申し訳無い気分を抱いてシュンとなり頭を下げる。元旦那として、元嫁と子どもの迷惑行動による被害を受けさせたことに。
「いいのよ、おじ様は別に悪くないから。それに言ったでしょ?確かに蘭達には色々面倒はかけられたのは否定しないけど、おじ様がおば様と離婚したのは間違いじゃなかったって」
「・・・何で、そう思うんだ?」
「今だから言えるけれど・・・おじ様が離婚してなかったら、蘭達は別居はしても離婚までは選択しなかったでしょうし周りに連絡しまくってたのが想像がつくからよ。蘭の気持ちとしてはお父さん達は離婚してないのに私達が離婚するのはみっともない、でもこの不満は誰かにぶつけたい、なら園子や和葉ちゃんだとかに連絡して聞いてもらおう・・・そんな流れで離婚しないまでもそんな不安定な状態でのフラストレーションをすぐにいっぱい貯めて、回数が増えて周期が短くなる形で周りの誰かにすぐにぶつけてた姿が目に浮かぶのよ。その点でおじ様がきっちりした形で離婚を選んだことがまだ回数や周期が減ったことに繋がったと私は思ってるわ」
「・・・誉められてる気が一切しねぇ上に全く喜べねぇ・・・」
ただ園子が気にしないでいいと言いはしたのだが、その中身に一層小五郎は心が凹むのを実感する。離婚が正しい選択と言われ、それでも園子の迷惑になる回数が減った程度という微妙な結果な為に。
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