揺れぬ正義を持つ狼の目 前編
「・・・それで、そうしたことから私達はFBIの本部に戻されることになったのよ。こちらが勝手にやったことであるというのは確かだから、色々と電話だけでは説明しきれない事だとかを釈明しに行って誤解を解かないとこっちでちゃんと活動出来ないからね」
「・・・それは分かったけど、赤井さんも行くの?」
「それに関しては俺は行動は出来ん・・・公には俺は死んだ身となっているし、外国に行けばビザで足がつく可能性が一気に高くなる。組織にだけは俺の生存が明らかになっていない以上は目立つことは望まれんからな」
「そうなんだ・・・」
そうしてジョディがまたちゃんと活動出来るようにするためにも戻ると微笑を浮かべながら言うのだが、受け入れつつも肝心の赤井はどうするのかと聞く新一に行動出来ない理由も添えられ返ってきた答えに微妙そうに頷くしかなかった。楠田の死体まで使った大掛かりな演技をしたというのに、それを台無しに出来ないという事もあって。
・・・そうしてジョディ達は少しの時間別れるだけだからといったように言った後、工藤邸を後にしていった。この後すぐに日本を出立しなければいけないからということで。
「・・・赤井さん・・・大丈夫なの、ジョディ先生達・・・?」
「大丈夫だろう。流石に独断で動きすぎたことに関しては認めざるを得んが、それでも組織を追うメンバーに関してはFBIでも俺達以上に適任はいないし人員は余ってはいない。然程時間をかけずに戻ってくるだろう」
「そうだといいんだけど・・・」
新一はたまらず不安げに赤井を見上げながら問うが、自信を覗かせて返すその返答に不安を拭いきれないと漏らす。
‘ピンポーン’
「客か?・・・誰か来たのか?・・・取り敢えず出てくるから待っていてくれ、コナン君」
「うん・・・」
そんな時に響いてきた来訪を告げるチャイムの音に首を傾げつつも赤井は『沖矢昴』としての態度に戻しつつ新一に声をかけ、微妙そうな声を受けながら玄関へと向かう。
・・・数分後、赤井を待っていた新一だがリビングに戻ってきたのは赤井一人ではなかった。
「え・・・安室さんに、斎藤さん・・・!?」
変装用のマスクでも分かる難しい表情を浮かばせる赤井の後ろに付いてきたのは、安室もだが最近は怪しいという部類から除外して意識していなかった斎藤だった。
「・・・おや、江戸川コナン君も一緒でしたか」
「ど、どうしたの斎藤さん・・・どうして安室さんと一緒にここに来たの・・・!?」
リビングに入ってきた斎藤はそんな新一に笑顔で語りかけるが、新一にそんな余裕などなく焦ったような声色で答える。
「・・・斎藤さんの代わりに僕が答えるが、今日はポアロの店員と客としての関係でここに来た訳じゃないんだ。僕達は公安とインターポールの人間として、今この場にいるんだよ」
「なっ・・・さ、斎藤さんがインターポールの捜査官・・・!?」
だが質問に答えたのは斎藤ではなく安室なのだが、新一は驚愕する以外になかった。斎藤がインターポールだったこともそうではあるが、どちらかと言うなら・・・
「・・・な、何で安室さん俺に斎藤さんの事を言ってくれなかったんだよ・・・!?」
・・・そう、目的を同じとする同士であり仲間と思っていた安室が自分に嘘をついていたということだ。
新一はたまらず裏切ったのばかりといった声と視線を向けるのだが、口を開いたのは安室ではなく斎藤であった。
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「・・・それは分かったけど、赤井さんも行くの?」
「それに関しては俺は行動は出来ん・・・公には俺は死んだ身となっているし、外国に行けばビザで足がつく可能性が一気に高くなる。組織にだけは俺の生存が明らかになっていない以上は目立つことは望まれんからな」
「そうなんだ・・・」
そうしてジョディがまたちゃんと活動出来るようにするためにも戻ると微笑を浮かべながら言うのだが、受け入れつつも肝心の赤井はどうするのかと聞く新一に行動出来ない理由も添えられ返ってきた答えに微妙そうに頷くしかなかった。楠田の死体まで使った大掛かりな演技をしたというのに、それを台無しに出来ないという事もあって。
・・・そうしてジョディ達は少しの時間別れるだけだからといったように言った後、工藤邸を後にしていった。この後すぐに日本を出立しなければいけないからということで。
「・・・赤井さん・・・大丈夫なの、ジョディ先生達・・・?」
「大丈夫だろう。流石に独断で動きすぎたことに関しては認めざるを得んが、それでも組織を追うメンバーに関してはFBIでも俺達以上に適任はいないし人員は余ってはいない。然程時間をかけずに戻ってくるだろう」
「そうだといいんだけど・・・」
新一はたまらず不安げに赤井を見上げながら問うが、自信を覗かせて返すその返答に不安を拭いきれないと漏らす。
‘ピンポーン’
「客か?・・・誰か来たのか?・・・取り敢えず出てくるから待っていてくれ、コナン君」
「うん・・・」
そんな時に響いてきた来訪を告げるチャイムの音に首を傾げつつも赤井は『沖矢昴』としての態度に戻しつつ新一に声をかけ、微妙そうな声を受けながら玄関へと向かう。
・・・数分後、赤井を待っていた新一だがリビングに戻ってきたのは赤井一人ではなかった。
「え・・・安室さんに、斎藤さん・・・!?」
変装用のマスクでも分かる難しい表情を浮かばせる赤井の後ろに付いてきたのは、安室もだが最近は怪しいという部類から除外して意識していなかった斎藤だった。
「・・・おや、江戸川コナン君も一緒でしたか」
「ど、どうしたの斎藤さん・・・どうして安室さんと一緒にここに来たの・・・!?」
リビングに入ってきた斎藤はそんな新一に笑顔で語りかけるが、新一にそんな余裕などなく焦ったような声色で答える。
「・・・斎藤さんの代わりに僕が答えるが、今日はポアロの店員と客としての関係でここに来た訳じゃないんだ。僕達は公安とインターポールの人間として、今この場にいるんだよ」
「なっ・・・さ、斎藤さんがインターポールの捜査官・・・!?」
だが質問に答えたのは斎藤ではなく安室なのだが、新一は驚愕する以外になかった。斎藤がインターポールだったこともそうではあるが、どちらかと言うなら・・・
「・・・な、何で安室さん俺に斎藤さんの事を言ってくれなかったんだよ・・・!?」
・・・そう、目的を同じとする同士であり仲間と思っていた安室が自分に嘘をついていたということだ。
新一はたまらず裏切ったのばかりといった声と視線を向けるのだが、口を開いたのは安室ではなく斎藤であった。
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