いつかを変えることの代償 終幕(前編)
・・・小五郎と明智の間で切れない絆が結ばれた。その事に互いに満足しながら時折会い、話し合うなどして充実した日々を過ごしていった。
そんな風にして時を過ごして二年が経つのだが、そこで小五郎はある変化に遭遇することとなる・・・
「・・・まさかオメーらも戻ってきてたとはな・・・園子に、今は宮野でいいのか?」
「えぇ、それで構わないわ。今の私は灰原哀になることはないし、その名を名乗るのもあまり気分が良くないもの」
「そうか・・・んで、オメーらがここに来たのは安室から俺も逆行者だって分かったからか?」
「正確には私が志保と会ったからよ。帝丹高校に入学してみたら前にはいなかったはずの志保がいてビックリしたの。それで話を聞いてみたらもう新一君を小さくした組織が安室さん達に壊滅させられて、志保は普通の生活に入る為に帝丹高校に入学してきたって聞いた時に何でそうなったのかって安室さんに聞いたの。そうしたら私も逆行者だって知ったからかおじ様に明智警視って人も逆行してるって聞いたから、鈴木財閥の力でおじ様の行方を探し当てたのよ」
「相変わらずすげぇ所だよな、鈴木財閥・・・」
・・・自分の事務所の中でテーブル越しのソファーに座る帝丹高校の制服を着る女子高生二人。
そんな二人の事を逆行者と認識した上で話を進める小五郎だが、園子の方が口にした言葉に鈴木財閥のすごさを改めて実感する。
・・・灰原哀改め、宮野志保。新一を小さくした組織の元構成員であり、その薬を作った張本人である。と言ってもその薬も自分から作りたいからと作った訳ではなく、また組織に対して揺るぎない忠誠心など持ってもいなかった。
そんな彼女は安室達の組織潰しの際に安室に赤井が同じように過去に戻ってきていると知り、彼らに協力して共に組織を潰した。出来るなら最初から組織になど関わりたくなかった志保だったが、姉の明美と共に組織と近い環境で育ってきた事から組織から逃げ出せず、やむなく組織にいるしかなかった彼女からすればそうする以外に安寧の時は訪れなかったが為に。
・・・そしてそんな志保の隣にいるのが鈴木園子、以前では新一に蘭の共通の友人であり小五郎ともよく顔を合わせていた気心の知れたお嬢様である。
そんな彼女は一部を除いて大幅に前と変わらないように過ごしていたのだが、志保と高校入学の際に出会った事で小五郎も戻ってきていることを知り、彼女と共に小五郎のいる場所を調べて事務所を訪れたのである。
「・・・しっかし、随分と前に比べて落ち着いたな園子・・・」
「当然でしょ。一応私も真さんと結婚してそれなりに鈴木財閥の人間として年を重ねてきたんだから、落ち着かない方がおかしいわ。と言うよりはもう前のこの体の私の頃のように派手にしたいだとかミーハーにイケメンを探したいなんて気持ちなんか無いもの。むしろ同年代の子といるより、お母様におばあさまとかといる方が今の私には楽だわ」
「・・・本当に変わったな、園子・・・」
そんな会話の中で今の園子についての違和をしみじみ口にする小五郎だが、当人が至って落ち着いた様子で肩をすくめる姿にヒクリと頬をひきつらせる。以前の年の頃の園子にはけして見られなかった姿に。
・・・園子自身が言ったよう、前の今の年齢の頃の園子は財閥の人間の子どもという立場ではあっても子どもらしく流行りものやいい男の存在に興味津々で心が揺れる子どもそのものな存在だった。
そんな園子だが歳を重ねていって社会に鈴木財閥の人間として出るにあたり、様々な経験を積んできた。小五郎にとって財閥の人間として活動することなど想像出来る事など陳腐な事しかないが、それでも常人にはそんな生活が出来る筈がないとくらいは感じている・・・だからこそ小五郎は冗談めいたように言いこそはするが、園子のその変化については実は納得していたりもする。
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そんな風にして時を過ごして二年が経つのだが、そこで小五郎はある変化に遭遇することとなる・・・
「・・・まさかオメーらも戻ってきてたとはな・・・園子に、今は宮野でいいのか?」
「えぇ、それで構わないわ。今の私は灰原哀になることはないし、その名を名乗るのもあまり気分が良くないもの」
「そうか・・・んで、オメーらがここに来たのは安室から俺も逆行者だって分かったからか?」
「正確には私が志保と会ったからよ。帝丹高校に入学してみたら前にはいなかったはずの志保がいてビックリしたの。それで話を聞いてみたらもう新一君を小さくした組織が安室さん達に壊滅させられて、志保は普通の生活に入る為に帝丹高校に入学してきたって聞いた時に何でそうなったのかって安室さんに聞いたの。そうしたら私も逆行者だって知ったからかおじ様に明智警視って人も逆行してるって聞いたから、鈴木財閥の力でおじ様の行方を探し当てたのよ」
「相変わらずすげぇ所だよな、鈴木財閥・・・」
・・・自分の事務所の中でテーブル越しのソファーに座る帝丹高校の制服を着る女子高生二人。
そんな二人の事を逆行者と認識した上で話を進める小五郎だが、園子の方が口にした言葉に鈴木財閥のすごさを改めて実感する。
・・・灰原哀改め、宮野志保。新一を小さくした組織の元構成員であり、その薬を作った張本人である。と言ってもその薬も自分から作りたいからと作った訳ではなく、また組織に対して揺るぎない忠誠心など持ってもいなかった。
そんな彼女は安室達の組織潰しの際に安室に赤井が同じように過去に戻ってきていると知り、彼らに協力して共に組織を潰した。出来るなら最初から組織になど関わりたくなかった志保だったが、姉の明美と共に組織と近い環境で育ってきた事から組織から逃げ出せず、やむなく組織にいるしかなかった彼女からすればそうする以外に安寧の時は訪れなかったが為に。
・・・そしてそんな志保の隣にいるのが鈴木園子、以前では新一に蘭の共通の友人であり小五郎ともよく顔を合わせていた気心の知れたお嬢様である。
そんな彼女は一部を除いて大幅に前と変わらないように過ごしていたのだが、志保と高校入学の際に出会った事で小五郎も戻ってきていることを知り、彼女と共に小五郎のいる場所を調べて事務所を訪れたのである。
「・・・しっかし、随分と前に比べて落ち着いたな園子・・・」
「当然でしょ。一応私も真さんと結婚してそれなりに鈴木財閥の人間として年を重ねてきたんだから、落ち着かない方がおかしいわ。と言うよりはもう前のこの体の私の頃のように派手にしたいだとかミーハーにイケメンを探したいなんて気持ちなんか無いもの。むしろ同年代の子といるより、お母様におばあさまとかといる方が今の私には楽だわ」
「・・・本当に変わったな、園子・・・」
そんな会話の中で今の園子についての違和をしみじみ口にする小五郎だが、当人が至って落ち着いた様子で肩をすくめる姿にヒクリと頬をひきつらせる。以前の年の頃の園子にはけして見られなかった姿に。
・・・園子自身が言ったよう、前の今の年齢の頃の園子は財閥の人間の子どもという立場ではあっても子どもらしく流行りものやいい男の存在に興味津々で心が揺れる子どもそのものな存在だった。
そんな園子だが歳を重ねていって社会に鈴木財閥の人間として出るにあたり、様々な経験を積んできた。小五郎にとって財閥の人間として活動することなど想像出来る事など陳腐な事しかないが、それでも常人にはそんな生活が出来る筈がないとくらいは感じている・・・だからこそ小五郎は冗談めいたように言いこそはするが、園子のその変化については実は納得していたりもする。
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