得られた平穏と望まぬ平穏の二つの平穏

後書きです。いかがでしたでしょうか?事件に出会いやすいという補正がない+知り合いがいない二人の対比は?



まずこの話を考えることになったきっかけが新一が完全に事件に出会いやすいという特性を失ったならどうなるか、ということからです。その上で何故弱虫ベダル世界になったのかは坂道母がマウンテンバイク編の中で、坂道の周りはいい人かすごい人しかいないのねと言ったように言葉にしたのを思い出したからです。それなら坂道の周りに新一を関係させれば弱ペダ補正がかかり、事件に関係しなくなりやすいのではないかと。

ただならなんで坂道の兄弟設定だったりせず真波の兄弟設定になったのかと言えば、これをおっちゃんとの対比の話にしたいというのとおっちゃんが幸せになるのに真波側に置くのはなんかイメージが湧かなかったので、坂道側におっちゃんを置いて真波の方に新一を置くことにしたんです。

その上で他の短編も見た方は分かるかと思いますが、遠い未来に終わるか分からないコナン原作が終わった後のリアルな展開として、将来的に新一達との不仲は有り得るだろうという流れを他の短編と同じように汲んでいます。その辺りはこの話だからと思ってください。

ただここで新一が小説を書くという展開にしたのは、私の個人的な意見だと貧乏でなくとも普通の家庭に毛が生えたレベルのお金しかないのは新一には物足りないんじゃないかと思ってです。前の相棒の短編に関しては事件に出会いやすい特性を失っていなかったのでお金は不満は無かったんですが、特性がない新一はお金が無いことはあまり望ましく思わないんじゃないかと考えた結果として小説を書くと言った事を考えると思うんです。自分が自由に使える上で結構な金額を自分で稼ぐためにと、前世の事をネタにしていく形で。

・・・そしてその上でなんですが、この短編でも出てきたように新一はどうあがいてもおっちゃんと違って平穏な時間が続くことになんて慣れることはないと思います。どこかで聞いた話としてコナンの作者本人も事件の関わらないプライベートな時の新一を想像出来ないとの事ですし、一切推理も何もないし出来ない環境に押し込まれて幸せになれるかなんて有り得るのか・・・と考えた結果がこの話になりますが、まだ小説で稼げてる上に推理の事を考えられるだけこの世界の新一は救われているとお思いください。

多分とかそんなんじゃなく、北斗の拳を始めとした推理がそもそも役に立たないしむしろ人を殺さないと殺される上に本すらまともに存在しない・・・みたいな世界では、どうあがいても新一は新一らしく生きられないと思いますから。

まぁそんな世界でもそうですが、今回の短編のように平和そのものな世界では新一は充実感などまず間違いなく得られないだろうと思います。短編の中では話には出しませんでしたが、高校以降探偵事務所を開いてもそんな物ですから普通の依頼が来てそれを解決するくらいが関の山であって、推理をして無理矢理に依頼を過程をすっ飛ばして解決してもコナン世界のようにやけになって荒事に発展して警察沙汰なんてことにもなりません。なので探偵業を始めても前のような達成感に高揚感などなく、小説家としての二足のわらじでやっていく形になります。そして結婚もしない、といった形になります。

その上でとどめというか、この世界では完全におっちゃんと新一が出会うことはありません。おっちゃんはアキバ周辺には住んでいますがそこから西以降には行きませんし、新一は場所は明確にはしていませんがアキバ近くには行くことのない神奈川寄りの地域で活動します。それに加え真波家との縁も限りなく薄くなり、同様に縁の薄くなった山岳を介して坂道から小五郎に繋がって顔を合わせる・・・なんてルートも断ち切られてますから、もう完全に二人が再会するようなことはないと思ってください。





















・・・さて、今回はオマケという形の話がこの後にあります。それは二人がメインの視点になる話だったのにこれを本編に入れるのはなんか違うなと思い、この後の話はオマケにすることにしました。そしてそのオマケの主役は山岳こと、真波です。



それでは読まれる方は先へどうぞ。










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