自らの想う物と相手の考えることの隔たり

「お前はそう思うのか、エド・・・取り敢えず話を続けるがそういった事の後に四人が先に英理君の元を退出をした後二人と話をして、蘭君に何か起こったとしてももう仕方無い物だと見るし仮に無事に全て丸く収まらせることが出来たとしてもその事に関しては完全にスルーし、新一と蘭君が結婚するという話が出てきたらさっきの話のようにする・・・となって終わって戻って来たという訳じゃ」
「本当にそれだけ二人は本気だって事なんだろうけど、多分四人は元に戻れりゃまた前のようにとかって考えてんだろうな。それも現実逃避だとかって感じな気持ちよっか、マジにそうなるって思う形でよ」
「・・・わしとしてはそうなってほしいと思うんじゃが・・・」
そうして阿笠がどうなったのかの結末についてを話していってエドは納得するのだが、その返しに複雑さを滲ませる・・・この辺りは優作達と昔からの付き合いである上、元々人のいい阿笠だからでこそであるが・・・
「んなこと言うけど、博士も俺やおっちゃん達の言うことが理解出来ねー訳じゃねーから何も言わなかったんだろ?新一達の事を擁護するようなことをよ」
「・・・それを言われるとのう・・・」
すぐにエドはそんな様子について指摘の言葉を向けると、阿笠は否定出来ないと頭に手を当てる。






・・・エドとこういった風に仲良くなる前くらいの阿笠は、まだ優作達が日本にいるくらいの時というのに加えて家が隣ということから工藤家の面々とも仲良くしていた。むしろ昔からの付き合いがあったことから、エドより断然に仲良かった時間は長かった。

しかしエドとの繋がりが出来て交流を始めていき、工藤家に関する気持ちを聞いていくと阿笠は最初はエドの方が間違っているんじゃないかというように話をしていったが・・・その考えは次第にエドの言うことが理解出来るというように変わっていった。近くで見て接する時間が長かったことで感覚が麻痺していたということを、エドという外から見た人物からの言葉で確かにそう言われてみれば・・・というように納得する形でである。

ただそれでも根は悪い人達ではないとは理解している上で隣人ということから関係は普通に続けてきた阿笠だが、優作と有希子が海外を旅しながら仕事をするという道楽の面が強い形で新一を日本に置いて家を出ると聞かされた後・・・不機嫌さを滲ませたエドに何でそう不機嫌になったのかという理由を聞いた時、あぁと阿笠も納得したのだ。確かに二人がいなくなって新一が伸び伸びしているというのも相まって、工藤家の感覚はあまりにも一般人からズレているということに。

ただ一応それでも悪人ではないということからエドのように工藤家の面々を嫌いになるような事はなかった阿笠ではあるが、以前のように盲目的に工藤家のやることが正しいしそれをサポートするのは当然だというような気持ちは無くなっていった。年長者として日常的な生活について困ったことがあるならまだしも、事件だったり厄介事に関してはちゃんと俯瞰から見て判断しようという形でだ。

そして起きたのが今回の出来事なのであるが阿笠は迷いはしたものの、どちらに寄るのかというように考えた結果として・・・エド側に寄るというものだった。以前というかエドとの交流がない世界線の阿笠だったなら、むしろ自分から小五郎ばかりか蘭にも秘密にしながら奴らを追うために二人の所に入り込めと言っていた阿笠がだ。









.
25/27ページ
スキ