自らの想う物と相手の考えることの隔たり

「・・・どう思った、エド?今の話を聞いて・・・」
「いや、その前に質問を質問で返すようだけどおっちゃんに妃さんはその結論にどういったように返したんだよ?」
「う~む・・・それに関してはまとめて言うなら一応蘭に関しては学校は休学になるようにしてやるから新一に関してはそっちでやってくれ、途中で帰ってくるのはいいが未練がましく新一達の事を言うだったり訴えてくるのは許さない、そして新一が元の体にもし戻れたとしてももう自分達は工藤家とは関わらないし、もし新一と結婚するとなっても反対はするが押しきるなら勝手にしろ・・・というものじゃった」
「あ~・・・おっちゃんもそうだけど、妃さんも余程腹に据えかねたってことか・・・」
「最近会っとらんから毛利君と話が合わんのではないかとわしは思っとったんじゃが、話の中身として毛利君に同情出来る部分が大きかったことと蘭君にそんなこと止めろと説得して頷かなかった結果じゃよ・・・特に小さくされた体を元に戻せるかも分からぬのに、新一の為に絶対引かないといったように言ったことから英理君も説得を止めたんじゃ。もう知るか、後は勝手にしろと半ばやけくそになる形でのう・・・」
「成程ねぇ・・・そしてそれで優作さん達は蘭を受け入れたっていうか、受け入れざるを得なかったってとこか・・・」
「そういうことじゃ」
阿笠はその様子にどう考えたかを聞くがより詳しくといったエドの要求に主に英理の事についてを話していき、その中身に頭をガシガシかきながら理解したというように漏らす。
「・・・改めて聞くが、エドはどう思ったんじゃ?今の話についてを」
「・・・まぁなんつーか話を聞いただけじゃあるけど、完全に工藤家三人に蘭はまだ自分達なら新一の体は元に戻すっていうか戻せるみたいに考えてるっつーか、考えたいんだろうなって感じたな。そしてそれは俺よっか二人の方が強く感じ取ったから、そんな風に言ったんだろうってな」
「あぁ・・・そんな風に言われてしまうと確かにと感じたのう・・・特に毛利君に関しては昨日に話を聞いてたのもあって、新一の体を戻せるかどうかなんて保証もないもんに賭けるつもりも協力するつもりもないし、そう思うんなら思う奴ら同士でやりゃいいだろうが・・・と言ったからのう」
「あ~・・・まぁおっちゃんの場合は四人に利用されようとした前科から、しょうがねぇから協力してやるなんて言えるはずなんかねぇよな。最初から協力してほしいって言われてたならまだ気持ちとか色々違ってたんだろうけど、元に戻れる保証なんかねぇってのにそれを信じて疑わないってのは余計にカンに障ったろうしよ」
それで改めてと阿笠がどう考えたかについてを聞くのだが、四人の楽観さを感じたといった上で小五郎の怒りがすさまじかったのだろう想像と理由を口にしていく。






・・・余談というか、前世のエド達兄弟に関しては自分達の体を元に戻せる可能性があるからこそ幼馴染み達もその行動についてを話し合った上で容認した。ただ後々になってその手段というか可能に出来る物に関しては衝撃の事実が出てきて結局はそれを使うことはなかったが、それでもその物を使えば自分達の体を元に戻せるという確信はあった。

ただこの世界においてはそんなものなど存在しないし作ることも今となっては出来はしないが、新一の体に関してはその物がないということを除いてもエドの時とは状況が違う。何せ元に戻れる保証というか、可能性のある物などどうやって探すのかという手掛かりすらないような物なのだ。

しかし新一達四人は新一を小さくした奴らを捕まえるだとかをすればそれをどうにか出来るか、きっかけを得られると信じて疑っていない様子でいる。だがそんな楽観さを感じさせる様子を見せられれば、それは小五郎達もいやが上にでも不信感を滲ませるのは当然だろうとエドも思ったのだ。そんな都合のいいことなど起こらないのは目に見えているし、仮に起こるのを期待して暗中模索を続けるような事をするなど出来るはずもないと考えるのは。









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