「お、おいエド・・・落ち着け・・・」
「落ち付けだぁ！？大体お前が引きたくねぇだなんて言ったからこんなおかしなことになってんだろうが！それに大体お前優作さんがどんだけ払うつもりだったかなんて分からねぇが、そんだけのことをするんならそれだけの金が動くって事になるのは間違いねぇ！なのにそれを捻出してもらってでもお前が引かねぇって風に頑固な姿勢を見せたのが原因じゃねーか！」
「そ、それは・・・その・・・」
そんな様子に流石にと新一は止めに入ろうとするが、エドが優作から手を離して指を向けながら怒りをぶつけてくるその話の中身にたまらず視線を背けた。その反応が示すのはつまり・・・
「・・・おい。今の話を聞いてもまだお前自分がそうしたいって言う考えを変えてねぇってのが分かったぞ。今の話を聞いてなかったのか？それで心変わりしましたとかそこまでしなくてもいいとか、そもそも止める気なんか一切起こってねーってな」
「うっ・・・」
そこで少し冷静に声色を落としたエドだが、そこの指摘に新一はたまらず詰まった声を漏らした・・・結局今の話を聞いても新一の中に考えを変えたと言ったのが丸わかりな反応だったと。
「・・・なぁ、おっちゃん。どうする？俺が何だかんだ割って入っちまったから、色々微妙な感じになった気もするけどよ・・・」
「・・・いや、むしろお前の話を聞いて決心出来た。どんなに金を積まれようが、どんなに頭を下げられようが俺は新一の事をそんな形で助ける気になんてなれねぇ。俺の事なんか考えちゃいねぇ新一や優作さん達の事なんかな」
「お父さん！？」
エドはそこまで来て小五郎にどうかと問い掛けると落ち着きを取り戻しはしたものの、やはり強く許せないといった気持ちを込めて協力したくないと語り蘭がまさかといったような声を上げた。
「・・・蘭。オメーからしたら新一を助けるのは当然じゃないとか言うかもしれねーが、話を聞いていって俺は今のように考えてった。だから俺は新一達の為になんか行動しねぇ」
「でも、新一は・・・！」
「そいつが言ってんのはテメェにとってやりてぇことをやるためのワガママだ！それに忘れたとは言わせねぇぞ！お前が何にも言わなくていいから、俺を働かせて新一を置きゃいいだろって言い出したってことはな！」
「あっ・・・！」
そこで蘭に視線を向けつつ小五郎が話をしていき、蘭が自身の言い分を返そうとした中で再び怒りを爆発させた返しに冷や汗を浮かべ顔色を青ざめさせた・・・そもそもこんな流れになったのは蘭が切り出した、小五郎を利用することを嬉々とした言葉にあったことを思い出し。
「・・・正直よ・・・その後の新一に優作さんに有希子ちゃんの言葉もつれぇもんがあったのは確かだった・・・けどよ・・・いくら俺が普段だらしねぇったって、そんなボロクソに信用の欠片もねぇこと言われて嬉しいなんて思うわけがねぇだろうが！ましてや俺一人のけ者にしてテメェらだけで勝手に盛り上がって、俺を自分達の為にアゴで使おうとしてたんだ！こっちの三人もそうだが、お前にそこまで言われちまったってことに悲しくもあったがそれ以上に怒りしかもう感じねぇよ！」
「っ！・・・そ、そんな・・・お父さん・・・うぁっ、うわぁぁぁっ・・・！」
「蘭ちゃん・・・！？」
・・・そうして蘭が生まれて初めて心底からの溢れ出る怒りを怒濤の様子で向けてきた小五郎に、蘭は衝撃を受けて床に膝から崩れ落ちてそのまま泣き出してしまった。そしてその様子に有希子は心配そうな声を上げて新一に優作共々蘭に近寄る。










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