恵まれた場所より放逐された探偵
「・・・ちょっと話が金の方に行き過ぎたとは思うけど、そんな俺達は探偵いうか事件に出会ってそれに向き合える環境なんてもんにも恵まれとった。俺は親父が警察のお偉いさんで、お前は親父さんが目暮警部達と仲良かったから事件に関わるのは普通みたいになっとったけど、これも普通の人は事件に会うことはおろか警察に世話になるなんか引っ越しとか免許の更新みたいな行政上の手続きでくらいや。ただそんなことなんか考えとらんかった俺はこっちで初めて事件に会ってその事を話した時は滅茶苦茶に心配されたわ」
「それは・・・俺もそうだったけれど、事件を解決したって言ったのもそうだけど以降に事件に関わったって言う度にこっちの親はいい顔をしなくなっていって・・・」
「それが本来の普通の人の反応なんや。ただ俺もそれに気付いたんは前世で警察に入ってしばらく経ってからやったけどな」
「は?・・・そんなこと俺お前から聞いたことなんてないぞ」
そんな話を自身で修正しながら服部は新一に話を続けていくのだが、気付いたという言葉に新一は何故言わなかったのかというように漏らす。
「その時のお前はもう探偵になっとった上に結婚もしとって、俺は俺で和葉と結婚して府警で警察官をやっとった時で高校の頃のように自由にそっちに行き来が出来んかったのもあるが・・・その時に俺がお前に対して弱音を吐けるかと思うたんもあるけど、当時のお前にそないなこと言うても理解されへんやろと思たんや。それを信じへんだったりそんな窮屈なら服部も探偵になれよみたいなことをお前が無配慮に言うてくる思うてな」
「む、無配慮ってなんだよ・・・」
「今さっきの話の中で出てきたようなお前からして頭の固い奴らに対する愚痴みたいなことや・・・府警に入った初めの頃は俺もそんな風なことはよう言われたわ。自分一人で突っ込むな、チームワークを大事にしろ、俺達はお前の尻拭い役の為だけに一緒にいるわけやない・・・そんな風な声を事件が解決するならええやんかってどこ吹く風って感じにな。けどな・・・そうして動けば動くほど俺に向けられる目は遠巻きに冷ややかなもんになってって、もう警察なんぞ辞めたるわって気持ちになってったんや。何で事件を解決しとんのに、こんな扱いされなならんのやってな・・・」
「っ・・・」
だが服部が昔を思い出すようにしながら当時は苦痛だったというように表情を変えた話に、新一も知らずの内に息を呑んでいた・・・今の服部が言ってることはそのまま新一にも繋がる事だった為に。
「・・・そしてそんなある日、俺は親父に呼び出された。話の中身は自由にやれんことに業を煮やしとるのかもしれんがこれが警察やし、大人として動くいうことやというもんやった」
「警察に大人、として・・・?」
「そや・・・俺やお前みたいな奴が事件現場に来て謎を推理して解決して多少の揉め事があったとしても、はいそこで終わりみたいな感じになっとったんは大滝はんを始めとした警察が後片付けやら何やらを担当しとったから出来とったこと・・・本来未成年の存在に任せる訳にはいかんことをやっとったから、高校生探偵として自由にやれとったんやって言われたんや。ただそれも俺が警察に入ったんならそれまでのようにはいかんと自覚して活動するやろうと思っとったから何も言わんで済ませとったら、そういった事なんか何も考えんと警察に入る前のようにやっとって孤立していって、そんな姿に平次が悩んどるんやけどどうにか出来ませんか・・・って悲痛な表情の和葉に言われたから、親として息子の嫁に言われたからこう呼び出したって言われたんや。ガキのまんまのやり方を貫くしかせんで大人になろうとしてへん俺に、親として流石に言わなしゃあないって言われてな」
「・・・それで、お前はどう思ったんだよ・・・?」
「・・・ハッキリ言うて、滅茶苦茶に堪えたわ。俺が探偵なんて高校生ん時に名乗れとったのはそんな事情があったとも知らず、そんでもって警察に入ってやったことはその延長線上の事なんかやない・・・ホンマに立場に歳だけ変わったばっかりで、昔のまんまその場に立ち止まってやりたいことやっとるだけのガキでしかなくて、それで和葉にまで心配をかけただけだったんやってな・・・」
「っ!」
それで少し沈黙の間が空いたが話を続けていった服部がその当時にいかなことがあったかに考えたかを暗い気持ちと面持ちを携えながら詳細に語っていき、新一は一層に愕然とした・・・服部の経験とその気持ちを少なからず感じたこともあるが、その話の中身は言ってみれば・・・新一にも繋がる事だったでもあったために。
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「それは・・・俺もそうだったけれど、事件を解決したって言ったのもそうだけど以降に事件に関わったって言う度にこっちの親はいい顔をしなくなっていって・・・」
「それが本来の普通の人の反応なんや。ただ俺もそれに気付いたんは前世で警察に入ってしばらく経ってからやったけどな」
「は?・・・そんなこと俺お前から聞いたことなんてないぞ」
そんな話を自身で修正しながら服部は新一に話を続けていくのだが、気付いたという言葉に新一は何故言わなかったのかというように漏らす。
「その時のお前はもう探偵になっとった上に結婚もしとって、俺は俺で和葉と結婚して府警で警察官をやっとった時で高校の頃のように自由にそっちに行き来が出来んかったのもあるが・・・その時に俺がお前に対して弱音を吐けるかと思うたんもあるけど、当時のお前にそないなこと言うても理解されへんやろと思たんや。それを信じへんだったりそんな窮屈なら服部も探偵になれよみたいなことをお前が無配慮に言うてくる思うてな」
「む、無配慮ってなんだよ・・・」
「今さっきの話の中で出てきたようなお前からして頭の固い奴らに対する愚痴みたいなことや・・・府警に入った初めの頃は俺もそんな風なことはよう言われたわ。自分一人で突っ込むな、チームワークを大事にしろ、俺達はお前の尻拭い役の為だけに一緒にいるわけやない・・・そんな風な声を事件が解決するならええやんかってどこ吹く風って感じにな。けどな・・・そうして動けば動くほど俺に向けられる目は遠巻きに冷ややかなもんになってって、もう警察なんぞ辞めたるわって気持ちになってったんや。何で事件を解決しとんのに、こんな扱いされなならんのやってな・・・」
「っ・・・」
だが服部が昔を思い出すようにしながら当時は苦痛だったというように表情を変えた話に、新一も知らずの内に息を呑んでいた・・・今の服部が言ってることはそのまま新一にも繋がる事だった為に。
「・・・そしてそんなある日、俺は親父に呼び出された。話の中身は自由にやれんことに業を煮やしとるのかもしれんがこれが警察やし、大人として動くいうことやというもんやった」
「警察に大人、として・・・?」
「そや・・・俺やお前みたいな奴が事件現場に来て謎を推理して解決して多少の揉め事があったとしても、はいそこで終わりみたいな感じになっとったんは大滝はんを始めとした警察が後片付けやら何やらを担当しとったから出来とったこと・・・本来未成年の存在に任せる訳にはいかんことをやっとったから、高校生探偵として自由にやれとったんやって言われたんや。ただそれも俺が警察に入ったんならそれまでのようにはいかんと自覚して活動するやろうと思っとったから何も言わんで済ませとったら、そういった事なんか何も考えんと警察に入る前のようにやっとって孤立していって、そんな姿に平次が悩んどるんやけどどうにか出来ませんか・・・って悲痛な表情の和葉に言われたから、親として息子の嫁に言われたからこう呼び出したって言われたんや。ガキのまんまのやり方を貫くしかせんで大人になろうとしてへん俺に、親として流石に言わなしゃあないって言われてな」
「・・・それで、お前はどう思ったんだよ・・・?」
「・・・ハッキリ言うて、滅茶苦茶に堪えたわ。俺が探偵なんて高校生ん時に名乗れとったのはそんな事情があったとも知らず、そんでもって警察に入ってやったことはその延長線上の事なんかやない・・・ホンマに立場に歳だけ変わったばっかりで、昔のまんまその場に立ち止まってやりたいことやっとるだけのガキでしかなくて、それで和葉にまで心配をかけただけだったんやってな・・・」
「っ!」
それで少し沈黙の間が空いたが話を続けていった服部がその当時にいかなことがあったかに考えたかを暗い気持ちと面持ちを携えながら詳細に語っていき、新一は一層に愕然とした・・・服部の経験とその気持ちを少なからず感じたこともあるが、その話の中身は言ってみれば・・・新一にも繋がる事だったでもあったために。
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