いつかを変えることの代償 後編
「毛利さんがそう言った気持ちを持たれることは間違いではないと思われます。ですが私は無理をしてまで安室に会わなくとも良いと思いますよ」
「・・・明智・・・」
その姿を見かねてか会わなくていいと告げる明智に小五郎は静かに視線でどういうことかと先を促す。
「安室が組織と関係無く個人として貴方に会いに来るのであれば私も彼を止めるような事はしません。ですが毛利さんは探偵という一般人に比べれば危ない職業に就いてはいますが、警察にCIAにFBIと比べれば一般職と言って差し支えない職業です。そんな一般人と呼べる毛利さんを裏社会でも相当に幅を利かせている組織と戦う為に勧誘するなど、本来許される事ではありませんよ。例え記録に残らず公にされない非公式な戦いであろうともです」
「いや・・・安室はそんなつもりじゃないんじゃねぇのか・・・?」
「ですからあくまで例えば、の話です。それに逆行前での関係を気にするあまり毛利さんが自分から言い出すか、安室から誘われるかはともかくとしても気持ちが固まりきれてないまま組織と戦うという選択をすることになるのは望ましくないと思って言っているんです・・・下手な感傷に生半可な覚悟で戦う事が却ってその組織との戦いで命を落とす、なんて結果に繋がる可能性も十分に有り得ますからね」
「っ・・・確かに有り得なくねぇっていうか、むしろそうなる可能性は高いだろうな・・・」
明智はそこから安室の勧誘もそうだがそれに小五郎が乗った場合の状態についてを冷静でいてかつ心配するように言葉にしていき、小五郎はまた苦い表情を浮かべる。決して今の自分は組織との戦いに腹をくくることなど出来ず、容赦なく殺しにかかってくる組織の人間と相対するには不安がどうしても残る・・・そういった状態だと自身で理解出来た為に。
「毛利さんがそう言うだろうからこそ、私は安室に言ったんです。組織の件に関しては前の経験から来るアドバンテージがあるなら十分に対抗出来るだろうから、そちらだけで対処し毛利さんを巻き込むような事はするな・・・と」
「それで・・・安室は納得したのか?」
「いえ、工藤君なら一も二もなく協力しただろうにと言ってきたのでそこは言わせていただきました。彼の感覚と毛利さん・・・いえ、一般人の感覚は全く別物だということが分からないのかと」
「は・・・?」
「何故工藤君の名を出したのかと言った様子ですが、私はれっきとした事実をお伝えしただけですよ・・・彼は事件に悪と言った存在への対抗馬としては確かに力にはなりますが、それで自らが解決すると突っ込んでいった結果が毛利さんも含めて様々な方が命の危機に晒されるという過程に繋がっています。ですが彼が過程においてあったことを結果が成功ならそれでいいと気にしていない事が、結果毛利さんが米花町を離れる決断をする一因になったことに前世で状況としてなし崩し的に組織と対峙することになった・・・そういったように安室に言ったんです。毛利さんは元々工藤君に巻き込まれただけで、その工藤君は好奇心を抑える事が出来ずに組織の人間に接触して返り討ちに合い、自分の事件だからと義侠心を奮い立たせているといったように振る舞いはするが自分をこんな目に合わせた相手を自分の手でケリをつけたい・・・そう私心が混ざっているというか、根底に存在している考えに巻き込んだのだと」
「・・・そう言ったら、安室はどう反応したんだ?」
「ハッとしたような表情をした後に返す言葉が見当たらない様子で悔しそうにしていました。一応安室も工藤君の身の上については聞いていたからどうにか組織と対した仲間を庇いたいと思ってはいたようですが、事実を羅列されて否定する要素が見当たらなかったようです」
「そ、そうか・・・」
それで小五郎の安全を優先したと言った話から新一に対する辛辣な評価についてを挙げていって安室を黙らせたと語る明智に、小五郎は若干引き気味にそれらを受け止める。安室を口で圧倒するという事もそうだが、その中身が相当すごかったのだと否応なしに感じることが出来たが為に。
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「・・・明智・・・」
その姿を見かねてか会わなくていいと告げる明智に小五郎は静かに視線でどういうことかと先を促す。
「安室が組織と関係無く個人として貴方に会いに来るのであれば私も彼を止めるような事はしません。ですが毛利さんは探偵という一般人に比べれば危ない職業に就いてはいますが、警察にCIAにFBIと比べれば一般職と言って差し支えない職業です。そんな一般人と呼べる毛利さんを裏社会でも相当に幅を利かせている組織と戦う為に勧誘するなど、本来許される事ではありませんよ。例え記録に残らず公にされない非公式な戦いであろうともです」
「いや・・・安室はそんなつもりじゃないんじゃねぇのか・・・?」
「ですからあくまで例えば、の話です。それに逆行前での関係を気にするあまり毛利さんが自分から言い出すか、安室から誘われるかはともかくとしても気持ちが固まりきれてないまま組織と戦うという選択をすることになるのは望ましくないと思って言っているんです・・・下手な感傷に生半可な覚悟で戦う事が却ってその組織との戦いで命を落とす、なんて結果に繋がる可能性も十分に有り得ますからね」
「っ・・・確かに有り得なくねぇっていうか、むしろそうなる可能性は高いだろうな・・・」
明智はそこから安室の勧誘もそうだがそれに小五郎が乗った場合の状態についてを冷静でいてかつ心配するように言葉にしていき、小五郎はまた苦い表情を浮かべる。決して今の自分は組織との戦いに腹をくくることなど出来ず、容赦なく殺しにかかってくる組織の人間と相対するには不安がどうしても残る・・・そういった状態だと自身で理解出来た為に。
「毛利さんがそう言うだろうからこそ、私は安室に言ったんです。組織の件に関しては前の経験から来るアドバンテージがあるなら十分に対抗出来るだろうから、そちらだけで対処し毛利さんを巻き込むような事はするな・・・と」
「それで・・・安室は納得したのか?」
「いえ、工藤君なら一も二もなく協力しただろうにと言ってきたのでそこは言わせていただきました。彼の感覚と毛利さん・・・いえ、一般人の感覚は全く別物だということが分からないのかと」
「は・・・?」
「何故工藤君の名を出したのかと言った様子ですが、私はれっきとした事実をお伝えしただけですよ・・・彼は事件に悪と言った存在への対抗馬としては確かに力にはなりますが、それで自らが解決すると突っ込んでいった結果が毛利さんも含めて様々な方が命の危機に晒されるという過程に繋がっています。ですが彼が過程においてあったことを結果が成功ならそれでいいと気にしていない事が、結果毛利さんが米花町を離れる決断をする一因になったことに前世で状況としてなし崩し的に組織と対峙することになった・・・そういったように安室に言ったんです。毛利さんは元々工藤君に巻き込まれただけで、その工藤君は好奇心を抑える事が出来ずに組織の人間に接触して返り討ちに合い、自分の事件だからと義侠心を奮い立たせているといったように振る舞いはするが自分をこんな目に合わせた相手を自分の手でケリをつけたい・・・そう私心が混ざっているというか、根底に存在している考えに巻き込んだのだと」
「・・・そう言ったら、安室はどう反応したんだ?」
「ハッとしたような表情をした後に返す言葉が見当たらない様子で悔しそうにしていました。一応安室も工藤君の身の上については聞いていたからどうにか組織と対した仲間を庇いたいと思ってはいたようですが、事実を羅列されて否定する要素が見当たらなかったようです」
「そ、そうか・・・」
それで小五郎の安全を優先したと言った話から新一に対する辛辣な評価についてを挙げていって安室を黙らせたと語る明智に、小五郎は若干引き気味にそれらを受け止める。安室を口で圧倒するという事もそうだが、その中身が相当すごかったのだと否応なしに感じることが出来たが為に。
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