苦い思いの乱れる未来

・・・それで三人は翌日となり、一通りやることを終えて安室からこちらの思惑通りに進んだとの報告を受けた後にアメリカへと戻っていった。最早日本に長く残っても三人にとって面倒になる展開しか見えなかった為にだ。



















・・・そうしてアメリカに戻りしばらくの間をゆっくり過ごしていた頼人だが、二人から結婚することに関して決意したと報告された・・・志保がお腹をゆっくりさすっていた姿を見たことで、きっかけを察してだ。

そんな報告を聞いてこれからもここにいてくれるのは構わないと頼人は言った。二人に子どもを育てるという役目があるならお金はどうしてもかかるであろうし、今更家を探してもうまくそれがいってちゃんと生活が出来るかどうか分からないだろうということからだ。

そんな頼人の言葉に複雑さを滲ませながらも二人は気遣いに甘えるといった答えを返し、二人が公に結婚することにして書類での登録を済ませた後に頼人は優作へと連絡をした。こういったことになったが、だからと言って決して顔見せだったり連絡してくるなんてことをしないでほしいという釘刺しの為にだ。

そんな言葉に優作はしかしというように愚図っていたが、最終的には頼人に言い負かされる形で頷く事になった・・・時間が少し経ってもまだ色々と諦めが悪くどうにかならないかというように考えている様子の伺える蘭や新一の姿についてを問われ、引き出される形になったからだ。

故に話はしてもらってもいいが、そちらでちゃんと押し留めてくださいと言った後に頼人は優作との連絡を打ち切った。これ以上は後悔や心残りといった言葉ばかりが出てくるだろうと見てだ。


















・・・それでまたしばらくした後に志保は小五郎の子どもを生み、頼人の家は賑やかになることになるのだが・・・自分が介入しなかったならこんな光景にはならなかったという確信をその中で得ていた。まず小五郎が我慢して新一達の身勝手な行動を周りが賛辞するのを見て、自分が何も言わないようにするしかないと見る形でだ。

それで対照的に新一や蘭達は華々しい気持ちで自分達のやったことについてを公にこそ出来ないものの、自分達のやってきたことは間違いではなかったと疑うことすらせずにいただろう。それが子どもの考え方であり、自分にとって都合のいいことだとは思わずだ。

しかし組織について新一が関わってから発端するこの流れに関して、結果的に小五郎が爆発してその理解者に協力者と頼人がなったことで小五郎達の安寧を得ることは出来た。

しかしこの事から小五郎達も含めて様々に苦い想いをした上で新一達は未だに引きずる物ばかりを抱えることになったが、最早そんなことを論ずる意味はないと頼人は考えていた。何故なら目の前に広がる幸せそうな光景を自分達の為に潰しかねなかった子どもの感性しか持っていなかったこちらでの家族から、守ることが出来たのだからと・・・









END









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