苦い思いの乱れる未来

「話はまとまりましたね・・・では以降は私に連絡をしてくる分には構いませんが、お二人に直接話をするだったりこちらに来るといったことは止めてください。特に蘭に関しては今の話から分かるでしょうが、こちらに来たり話をしたいと電話だけでもといったことをされたら面倒なので是非とも止めてくださいね」
「それは分かっているが・・・頼人、お前は私達の事をどう思っているんだ?話の中で毛利さん達の事を庇いたいという気持ちがあるのは分かったが、私達の事を見損なったからこうしたのか・・・?」
そうしてこれで決まりと話をまとめに入る頼人だが、そんな時に優作はどこか期待するような目と問い掛けを向けてくる。そうでないであってほしいというような目を。
「見損なった、と言うよりは単純にどちらに味方をしたいかと考えただけです・・・どう話を聞いてみた所で毛利さんは盛大に巻き込まれただけで、新一の好き勝手に二人と阿笠博士が乗っかる形で援助したという形になってしまっただけでなく、それが毛利さんからしても望んでいたことだった・・・そういったように考えているであろう新一の方に味方をする気はなかったから私は毛利さんの味方についたんですが、ある意味では父さんがそんな風な判断をしてしまったことに失望したのは確かでしたよ。新一の判断を優先するために毛利さんに関するリスクを小説を書いている時とは違って、全くそんなことを考えないままに何もしなかったんですからね」
「っ!・・・そう、か・・・」
だが頼人は全く遠慮することなく失望したと淡々とした様子で返し、優作は辛辣な言葉であるのに反論など一切出来ずにうなだれるしかなかった・・・その言葉があまりにも正論過ぎて、優作が否定出来るような要素など全くなかった為に。
「私の言葉が堪えたというのでしたら今言ったことに加えて、これからはこの家を拠点にして遠出は全くしないではないにしてもある程度は控えて活動してください。蘭が落ち着くまで時間がかかるのは目に見えていますし、新一一人だけでこれから蘭を抑え込むには色々と無理があるでしょうから、それくらいは二人にも担当していただくのが筋ではないですか?」
「・・・分かった。そんなことを言われて拒否を返せるような立場にないことは分かるから、これからはそうするようにしよう・・・」
「貴方・・・」
「有希子・・・最終的に私が決めたこととは言え、私達は毛利さん達の人生を大きく歪ませるように変えてしまうことをろくに考えもせずに決めてしまったんだ・・・だからせめてこれくらいは私達もやるべきだ・・・」
「・・・分かったわ、貴方・・・」
そんな優作に頼人が更にこうするようにと日本のこの家に在宅するように言うと優作は力なく頷き、有希子の涙を目に浮かばせた声に力ないながらも説得をすると有希子も諦めたというよう頷くしかなかった。最早この事に関して自分達の気持ちとして、どうにもならないというのが普段は楽観的な有希子も分かってしまった為に・・・



















・・・そうして三人が沈痛な面持ちを揃って浮かべた所で話は終わりとし、頼人に小五郎に志保の三人は工藤家を後にした。流石にこの状況で頼人が堂々と工藤家に残るのは色々とキツいであろうから、このまま二人と共にここを出た方がいいという形でだ。

そしてそんな三人は日本に戻ってから拠点にしているホテルへと戻った。









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