苦い思いの乱れる未来
「・・・案の定といった反応でしたね。後は二人がどんな風に考えて動くのか、それを見てから決めましょうか・・・」
会話を終えた頼人は携帯を冷めた目で見てから机に設置されたパソコンの横に起き、近くに置いてあった甘味に手を伸ばしつつ一人言を口にしていく。こうなる展開は予想していたというように平然としながら・・・
・・・それで頼人はしばらくの間を小五郎達と同居生活をする形で過ごした。そんな頼人のやっている仕事は何かと言えば、在宅勤務が主になるプログラマーである。
これは前世の経験から探偵をやるといった事も考えなかった訳ではないが、前世はワイミーズハウスという特殊な孤児が集まる所の代表であるワタリがいた上で顔を見せない探偵になる道筋を作られたからやっていたことだ。
しかしワタリがいないこの世界において顔を見せない探偵になるのは色々難しい上に、様々な雑務にサポートをワタリがこなしていたから頼人はLとして活動出来ていた面が大きいことも今となっては理解している。それなのにまた前のようにとなれば色々めんどくさいことになる・・・そう考えた頼人は探偵もそうだが、煩わしい人付き合いが必要な職に就くことは止めようと決めていた。そしてどういった職がいいかと考えたその結果が在宅勤務が主になるコンピューターのプログラマーという訳である。
この働き方に関しては頼人の性格に合っていたのもあるし、職自体も探偵には及ばないにしても頼人に合っていた。世話しなく動き愛想を良くして甘味を自分の思うように取れない環境にあるのは頼人からすれば我慢ならないことであったし、プログラマーは技術職でこそあり知識もまた膨大に必要になるが、頭の出来は今生でもちゃんと測れば世界トップレベルになり得る物だ。そんな頭を持つ頼人からすれば人の複雑怪奇な頭を解明するより、やることをやれば言うことを聞かせ放題で発展させ放題の機械の方が遥かに楽だった。前世での最期の事件と比べたなら特にだ。
そうして在宅勤務のプログラマーという形で仕事をしている頼人だが、質が非常に高い仕事をすることから若手でやり手の日本人としてアメリカのその手の業界では既に有名人になりつつあった。そして同時に頼人は副業としてデイトレーダーという顔も持っているのだが、実の所では稼ぎはデイトレーダーとしての方が上であり今頼人達が住んでいる家もそれで稼いだ金で建て売りの中古ではあったが買った物なのである。
・・・小五郎達は頼人の家に来てからその次の日にこの家の家賃はいくらなのかと聞いたのだが、返ってきたのが自分の稼ぎで買った物だという物で二人はたまらずポカンとした表情を浮かべた。だが頼人からすればデイトレードで稼ぐのは自分からすれば然程難しくなかったというのもそうだが、何より早く優作から金をもらうのを取り止めにしたいという気持ちからそうしたのだ。親から自立したいというより、優作達の世話になるのを一刻も早く脱したいという似て非なる想いでだ。
勿論税金対策であったりなどの初歩の問題で抜かるどころか家を買っても余りあるレベルに今の頼人は金を持っているため、別に金に困っているなどと言うことはないなんてレベルではない。しかしそんな成功者と人知れずなっていた頼人に対し、二人はただただ呆然とするしかなかった・・・そんな風にあっさりと金を稼げる頼人の能力に関して。
そこに関してはともかくとして、頼人の家でしばらく過ごした二人は在宅勤務で家を出ることのあまりない頼人の為にと買い出しや掃除と言った家事の部分でせめて役に立てるようにと動いていた。ただ食事に関しては改善させたいというように二人は動こうとはしたが、本当に甘いものを抜いたり普通の食事を食べさせようとすると全く頼人の能力が発揮されることがなかったことからそこはもう仕方無いものであり、せめて野菜を使った甘いスイーツなりを作ることで他の栄養不足を少しでも解消しようということで妥協された。その為に志保もそうだが小五郎もスイーツ作りの腕が日本にいた頃とは雲泥の差が出来る形で上手くなったのは余談である。
・・・そういった風に生活していった三人だが、とある日に頼人は二人から話をしたいと申し出られた為に二人と向き合い話をすることにした。こちらに来ることにした理由についてを聞くために。
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会話を終えた頼人は携帯を冷めた目で見てから机に設置されたパソコンの横に起き、近くに置いてあった甘味に手を伸ばしつつ一人言を口にしていく。こうなる展開は予想していたというように平然としながら・・・
・・・それで頼人はしばらくの間を小五郎達と同居生活をする形で過ごした。そんな頼人のやっている仕事は何かと言えば、在宅勤務が主になるプログラマーである。
これは前世の経験から探偵をやるといった事も考えなかった訳ではないが、前世はワイミーズハウスという特殊な孤児が集まる所の代表であるワタリがいた上で顔を見せない探偵になる道筋を作られたからやっていたことだ。
しかしワタリがいないこの世界において顔を見せない探偵になるのは色々難しい上に、様々な雑務にサポートをワタリがこなしていたから頼人はLとして活動出来ていた面が大きいことも今となっては理解している。それなのにまた前のようにとなれば色々めんどくさいことになる・・・そう考えた頼人は探偵もそうだが、煩わしい人付き合いが必要な職に就くことは止めようと決めていた。そしてどういった職がいいかと考えたその結果が在宅勤務が主になるコンピューターのプログラマーという訳である。
この働き方に関しては頼人の性格に合っていたのもあるし、職自体も探偵には及ばないにしても頼人に合っていた。世話しなく動き愛想を良くして甘味を自分の思うように取れない環境にあるのは頼人からすれば我慢ならないことであったし、プログラマーは技術職でこそあり知識もまた膨大に必要になるが、頭の出来は今生でもちゃんと測れば世界トップレベルになり得る物だ。そんな頭を持つ頼人からすれば人の複雑怪奇な頭を解明するより、やることをやれば言うことを聞かせ放題で発展させ放題の機械の方が遥かに楽だった。前世での最期の事件と比べたなら特にだ。
そうして在宅勤務のプログラマーという形で仕事をしている頼人だが、質が非常に高い仕事をすることから若手でやり手の日本人としてアメリカのその手の業界では既に有名人になりつつあった。そして同時に頼人は副業としてデイトレーダーという顔も持っているのだが、実の所では稼ぎはデイトレーダーとしての方が上であり今頼人達が住んでいる家もそれで稼いだ金で建て売りの中古ではあったが買った物なのである。
・・・小五郎達は頼人の家に来てからその次の日にこの家の家賃はいくらなのかと聞いたのだが、返ってきたのが自分の稼ぎで買った物だという物で二人はたまらずポカンとした表情を浮かべた。だが頼人からすればデイトレードで稼ぐのは自分からすれば然程難しくなかったというのもそうだが、何より早く優作から金をもらうのを取り止めにしたいという気持ちからそうしたのだ。親から自立したいというより、優作達の世話になるのを一刻も早く脱したいという似て非なる想いでだ。
勿論税金対策であったりなどの初歩の問題で抜かるどころか家を買っても余りあるレベルに今の頼人は金を持っているため、別に金に困っているなどと言うことはないなんてレベルではない。しかしそんな成功者と人知れずなっていた頼人に対し、二人はただただ呆然とするしかなかった・・・そんな風にあっさりと金を稼げる頼人の能力に関して。
そこに関してはともかくとして、頼人の家でしばらく過ごした二人は在宅勤務で家を出ることのあまりない頼人の為にと買い出しや掃除と言った家事の部分でせめて役に立てるようにと動いていた。ただ食事に関しては改善させたいというように二人は動こうとはしたが、本当に甘いものを抜いたり普通の食事を食べさせようとすると全く頼人の能力が発揮されることがなかったことからそこはもう仕方無いものであり、せめて野菜を使った甘いスイーツなりを作ることで他の栄養不足を少しでも解消しようということで妥協された。その為に志保もそうだが小五郎もスイーツ作りの腕が日本にいた頃とは雲泥の差が出来る形で上手くなったのは余談である。
・・・そういった風に生活していった三人だが、とある日に頼人は二人から話をしたいと申し出られた為に二人と向き合い話をすることにした。こちらに来ることにした理由についてを聞くために。
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