「その事に関しては二人はこちらに来たばかりで理由を聞いてはいませんが、二人は理由を話したがっているようには見えなかったので敢えてそこについては聞いていません。ただ毛利さんと宮野さんの二人と新一達との間で何かあったと言うことくらいは察せました・・・こちらに来る前に毛利さんからかかってきた電話から、新一達と距離を取りたいといった気持ちがあるがどうしたらいいといったような話に真剣にそう考えているといった気持ちを感じましたからね」
『っ！』
対する頼人は平然と返していくのだが、その中身が二人の気持ちを表していた物だった為に電話口の新一からは息を呑んだような音が頼人の耳に届いた。
「私はそんな二人の為にこちらに来るようにと勧めた所で実際に二人はそうしたわけですが、私は何があったのかを二人に聞くつもりはありません。ですが後で父さん達にも連絡する予定ではいますが、貴方達はこちらに来るなら来るにしてもしばらく二人をそっとする時間を与えた上で尚且つ私に連絡をして私に二人の許可を得てからにしてください。特に蘭に言えることですが、今のままでは貴殿方がこちらに来たところで二人の事が解決するどころか、より悪化するだけだろうというのは二人の様子から察しがつきます」
『違う、それは・・・っ！』
「貴方に言い分があるのは分かります。ですが二人がそれを聞き入れるかどうかはまた別物です・・・話をこじれさせたくないなら蘭にも話をして約束なしにこちらに突撃をかけるようなことはしないでください。そして電話などもしないこともそうですが、何より新一達もゆっくり時間を取ってどう毛利さん達と向き合うかを考えてください・・・今のままではとても君達が元の通りに仲良くなんて展開になるとは思えない。そう端から見たからこその私の忠告です」
『っ・・・・・・分かった・・・また何かあったら連絡するし、蘭にもそう伝える・・・』
「そうですか、では私はこれで」
・・・そこから一方的に冷静な頼人が感情的なままの新一を苦くも弁論が出来ないといったように黙らせていき、最終的に了承を返した声を聞いた後にすぐに頼人は電話を切った。そしてそのまま無感動な瞳を浮かべながら、次の電話先で親の優作へと電話をかける・・・



















『・・・分かった。軽々しくそちらには行かないし有希子にも電話なども含めて話をしたいというようにしないよう、釘は刺しておこう』
「母さんには念入りにお願いします。蘭と違って一人で余裕を持って使えるお金がありますしそのフットワークの軽さもそうですが、何より母さんの性格的に何らかの言葉を明るくかけようとして妙な形で二人の地雷を起爆させかねませんからね」
『っ・・・手厳しいな、頼人・・・』
・・・それで次の電話の先の優作に先程の新一とのやり取りに関してを伝えて同様の返答をいただく頼人だが、母に対して向けるには辛辣な言葉を口にしたことに優作は電話越しにも分かるほどに苦い声を漏らす。
「・・・取り敢えずこれで電話は切らせてもらいますが、話の流れから父さん達も毛利さん達の事について何らかの関係があるのではと私は思っています」
『それは・・・』
「あくまで私はあるのではとの予想で言っています。ただもしそうだとしたなら、父さん達にも何らかの連絡をまたするかもしれませんのでその時にはよろしくお願いします」
『っ・・・あぁ、分かった・・・』
「では失礼します」
そうして話を終わると言いつつ何かあればと頼人は言い、優作の動揺の感じられる声を受けながら電話を切った。









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