苦い思いの乱れる未来

・・・頼人が一時帰国してからしばらくが経った後、頼人の元に新一からの電話が来た。その新一が言うには大学卒業をするのなら祝いに行くというような中身であって、何時何時に行くから大丈夫だよなという物だった。そういった中身の電話に頼人は大丈夫ですと返した後、電話を切った。
「・・・さて、どうなるかはハッキリとは分かりませんが一応は手を打ちますか・・・」
そんな電話を終えた頼人は時差の関係上日本と違い夜になっていて暗い部屋の中、パソコンのディスプレイの光だけに照らされながら携帯を操作していく・・・


















・・・それで数週間後に頼人は自分以外の工藤家に蘭という面々の来訪を受け、一通り持て成しをして帰ってもらってから時間にして・・・二年が経つ頃になった時に久しぶりに知り合いを家に招くことになった・・・



「どうも、毛利さん。それとそちらは宮野志保さん、でよろしいんですね?」
「え、えぇそうよ・・・」
「すまねぇ、世話になる」
・・・自身が買った広い家のリビングにて頼人はソファーに独特の体を丸まらせた座りかたをしながらテーブルを挟んで座る二人に応対するのだが、小五郎は普通に対応はするが初めて頼人の座りかたを見る志保は呆気に取られながら頷く。
「しばらく日本から離れて気を落ち着けたいということだそうですが、どうぞ時間など気にせずこちらでゆっくりしてください。部屋は余っていますし、ここには新一もそうですが父さん達もまず来ることはありませんから」
「っ・・・ここに来る前の電話でも聞いたが、俺達がここに来たいって言い出した訳は聞かねぇのか・・・?」
頼人はそんな志保には構わず話を進めていくのだが、新一達の事が出てきたことに小五郎は不安げな様子を浮かべる。
「お二人が話したいと言えばお聞きしますが、こちらからは是非とも話せとは言いませんよ。それに新一や父さん達との事で困ったことがあるなら言ってほしいと切り出したのは私ですから、何となくは新一達との間で何かあったとくらいは察しがついています・・・ですので新一達には毛利さん達の事に関しては連絡させてはいただきますが、こちらには来ないようにとは言わせていただきますから一先ずはゆっくりしてください。話をしたいと言うなら気持ちに考えが落ち着いてからで構いませんし、話さないのなら話さないで私は構いませんから」
「・・・すまねぇ、今はその言葉に甘えさせてもらう・・・」
「おじさん・・・」
だが頼人は自分からは聞かないと言った上でゆっくりするようにと言うと、力なくも小五郎は頭を下げて志保はその肩に手を置き悲しげな表情を浮かべた。一見親子というくらいに歳の差があると見れる二人にしては、何か妙な空気を感じさせるように・・・


















・・・そうして二人を部屋に案内して食事に関しては今日のところはとデリバリーを頼んで済ませた後、夜も深くなり休むようにと二人に言った後に頼人は自分の部屋へと戻って電話を手に取り新一の番号へとコールをして耳に当てる。
『・・・もしもし、頼人か?』
「えぇ、そうです。少し毛利さんと宮野さんに関して連絡をしなければと思い、電話をしました」
『なっ・・・なんで二人がお前の所に・・・!?』
それで何コール目かに電話に出た新一へと早速と二人についてを頼人は口にするのだが、どうしてそうなるのかというよう驚きに満ちた声が返ってきた。そんなことなど想像していなかったというよう。









.
2/34ページ
スキ