「・・・工藤君？今私は服部君の事についてを言いましたが、君も同じようなことをしていたというのを私はただ記事にしただけですよ。君や服部君が自分達が事件を解決してきていかに華々しくしている影で、苦しまれていたり君達の姿に疑問を覚えている方々がいるのかと」
「っ・・・！」
「あやや、衝撃を受けていると言った様子ですね。ですがまた言いますが、他人は自分ではないんです。記事にも書きましたが君達が事件を解決しようと動いている姿を見て、異常だと見た人もまた少なくはないんですよ。特に事件の謎が解けたであろう瞬間に浮かべたニヤリとした笑み・・・あれは見る人が見たなら絵になると思うかもしれませんが、視点を変えて見たなら事件を楽しんでるとしか取れない気持ち悪いモノだったそうですよ？」
「なっ・・・！？」
そんな服部から次は新一にと標的を変えて話を続ける射命丸だが、その中で御堂筋が口にした言葉をそのままとは言わずとも口にしたことに新一は驚愕により絶句してしまった・・・一応は新一は自分の容姿については親譲りな部分もあって整っている方だという自覚はあるが、事件の謎を解いた時の顔が気持ち悪いなどと言われるとは微塵も思っていなかったという様子で。
「事件を解決に導くために頭を動かして、それで謎が解けたということが事件を解決出来るという喜びに繋がったからこそ綻ぶように笑みが浮かんだということなのかもしれません。難解であった事件の謎を解いたと言う事は何事にも変えがたい喜びだったのかもしれません・・・ですが君達の解決してきた事件全てとは言わずとも、殺人事件を始めとして関係者からすれば後味の悪い物であった事件は結構な割合を占めている筈です。それなのにそんな表情を浮かべるばかりか、記事にも大きく出る形で何の影も引きずらないばかりか決め顔までもを浮かばせ事件は自分が解決したんだ・・・といったように見せるその姿は事件が起きたことに関して思うようなところはないどころか、むしろ事件が起きてくれて推理が出来てそれを解決出来たことが嬉しいといったように見ることも出来るんですよ。そしてそんな表情を浮かべるような君達の事をどうかと思うような人がいると言うのが、私の取材の結果でありその記事というわけなんです。なのに自分の都合や評判が良くない記事が出てきたから抗議に来たなんて言うのは私から言わせればですが、数多の事件に関わってきて色々な犯人を見て動機であったりを聞いてきた筈の君達の迂闊さや甘さを感じてしまいますよ・・・自分達も意識があるないに関わらず、加害者側に回る可能性を考えていないんですからね」
「「っ！！」」
更にいかにそんな表情が異質でいて異様に見えるか・・・新一達の立場からも併せていかに差が生じているかを記事にしたのだと射命丸に言われ、二人はろくな反論も出来ずにたまらず息を詰まらせるしかなかった。特に今までと違う意味深な笑顔を浮かべられながら、最後に言われた言葉に強い衝撃を受けて。






・・・この辺りの話は新一達のせいで事件関連で迷惑を被った云々ではなく、単純に御堂筋のように新一達の推理する場面を気持ち悪いと思わなかったのかと聞いてみたものだ。似たような事を聞いているように思うかもしれないが、ニュアンスは違う上に迷惑を被ったとかそんなこと関係無く聞いた物である。

こちらに関しては主に女性が多かったが、不快どころかむしろカッコよかったと言う者が多かった・・・これはやはり顔がいいからこそ何をやっても絵になるような言われ方をされたのもあるが、事件という非日常でいて危険な時に状況を打開する頼りがいのある存在だと見られたこともあるからだろう。

だがそんな風に見る人々もいれば御堂筋のように異質でいて異様にしか思えない者達もいるだろうと射命丸が取材してみれば、言いにくそうにはしていたものの御堂筋のようなことを言っている人はいたと言えば不満を持っている者達同様という形で、本音を引き出すことが出来た。

・・・事実をつまびらかに、それもあまり言いたくないといったようなリアクションをした人達に取材をしたことを聞けば、新一達は射命丸に批難を向けてくるだろう。だが射命丸自身はそういったようなことは自覚はしている上で精神的な苦痛などは持ち前のバイタリティから感じてはいないが、それでも新一達のように自覚はない上に知ってダメージを受けるような少年達に言われる筋合いもないと考えているのだ。









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